0014 魔王の物語り17話と18話のあらすじ
だいぶ遅くなりましたが、あらすじの続きです。
起稿20240620
起項20240724
改稿20240806
0014 魔王の物語り17話と18話のあらすじ
17話目 港町 主人公目線
積荷の積み込みなどを手伝いながら、約一週間を過ごした。
日々過ごすウチに、船に乗る乗組員達ともコミュニケーションを取るようになり、海関連の噂話もちょくちょく入るようになる。
今話題の噂としては、龍という伝説の幻獣を見たというもの。鯨と勘違いしたのではないかと、からかわれたりもしているが、天の声の事件からこちら、不可思議なことは確実に起き始めているとして、警戒しているらしい。
漁師の間では、普通の魚に混じって殺すと消えてしまう魚もいるそうで、たまに消えずに別の物に変化?変身する。それが道具だったり、加工食品だったりするそうだ。
主人公がガイドに確認したところ、分類的には魔物という枠に入る生物らしく、天の声の事件の時に世界中にバラ撒かれたらしい。
あれから1ヶ月以上経過したため、人が目にするレベルでの成長をしたのではないかとのこと。
危険なのか問うと、今までの生態系が変わることは間違いないらしく、成長が進めば、とても危険になる可能性のあるものもあるらしい。
魔物は魔力が使える世界でしか生存することが出来ないという類いの生物らしい。
魔物と動物の見分けは、透明な石を体に持っているかどうかで、その石で魔力を体に取り込む関係で、体の表面に、その透明な石は出ているので、そこで見分けることが可能。
種類によって何処にその石があるかは変わるらしく、無傷なら、その魔物の死後、その魔物に由来する何かに変化するそうだが、壊れにくいが傷はつきやすいらしい。
この石のことを魔石と言い、魔石が変化した物をドロップアイテムと定義しているらしい。
システムとしての生態系とかなんとか語っていた。
意思の疎通が可能か確認したが、獣人と同じで言葉による会話は困難で、念話による会話になるだろうという。友人である生物学者に伝えて研究の足しにして貰えればと思ったが、王都で会ったときは、思い出せず、今に至っては国外へ出なければならない。伯父に手紙だけでも渡そうか悩みどころ。
念話は、とりあえずは使えるが、ガイドとしかやり取りしていない。
使えると便利なのだが、距離の問題がある。
念話は基本として相手の正確な居場所の把握が出来ないと通話できない。
定期的に申し合わせ、時間と場所を決めていれば、遠方でも念話が通じるが、そんな申し合わせをすること自体がなかなか困難。
必然的に目視で確認できる範囲に限定される。
幸いなのは、距離が遠くても消費魔力が変わらないことだ。
魔法は、条件が揃わないといけないが、とても便利ではある。
暇を見つけては、違うことにも使えないか、考察をノートに書いてきた。
少しまとめてみようか
港町 伯父目線
ウチの甥っ子(主人公)は何を考えているのだろうか。たまに思考が追いつかないことがある。
領主をそれなりに数年間勤めてきたはずだから、それなりに融通の利くところと効かないところがあることぐらい判りそうなものだが……。
ただ、少し頭の痛い問題になりつつあるのは認めざるを得ない。
昨夜話していたのは魔物の話。
最近、龍という伝説の生物を見かけた話が良く出てくる。主に南西方面に漁に出た漁師からの情報が多いのだが、その付近は交易路によく使われる海域だ。他人事ではない。
まだ被害は出ていないが、不思議なのは漁師からの情報はあれど、交易船からの情報が無いこと。
交易船に被害が出るようになれば、この港はかなりの被害を受ける。
また、仕留めると消滅する魚や魚もどき。主人公
は、海の魔物と言っていたか。それが悪さをし出すかもしれないとか言っていた。
龍との関連性は無いと言っていたが、船を無差別に襲うようならば、海にも少なからず兵士をつけるか。
コストばかりが跳ね上がるのはなんとかしなければならんところなんだが頭が痛い。
誰でも多少でも使えるようになるという魔法だったか。交易船に乗せている間に訓練だかを条件にしてみるか。特別隠しているわけでも無かったから、請け負うだろう。
魔法。おとぎ話の世界のこととしていたが、昨夜実際に見たのは水の魔法。
条件に噛み合わないと魔力という体内の力が大幅に減り、効力も弱くなるとか研究が必要と言っていた。
逆に条件に噛み合えば、魔力というものの消費が減り、効果も上がる。
魔力の量は個人差があるが使い切って死ぬようなことはなかったらしい。
まぁ要検討だな。
姉夫婦からは今のところ連絡は無い。
主人公の処置による被害は出ていないのか、口外自体を避けているのか。
一応遣いは出したが、明日の出発までには間に合わないだろうが、何かしらの情報はこっちにもくれるだろう。
この街の代官の上が、姉夫婦達貴族で、そういうコネも使って店を開いている。
主人公は、俺にも気を使って会わないまま旅立つつもりだった。
姉の家族にも会っていないという。
こういう時こそ、多少でもつながりのある伝を使う所という感覚が乏しいらしい。
まぁ確かに助けられて当然という感覚だったなら、意地でも助けようなんて思わないが…。
歯痒いが交易先で留まるようなら手もあるが、主人公は乗る気が無いんだろうなぁ。
東の端。言葉も異なるその土地に何があるんだか……。
18話目 港町 主人公目線
雨だった。近年まれにみる凄まじ量の雨らしい。
昨日の船長の話では数日は問題なく晴れるって話だったんだが……。
朝食の時に伯父から出発の延期が申し渡された。
海が荒れてる中で出航するのは、転覆の危険性を高めるだけだからということだった。
ただ、普段の雨と様子が違うらしい。
主人公目線では、どの辺が違うのか、いまいち判らなかった。
ただ、こればかりは仕方ない。部屋の中で行えることとして、魔法の練習などをすることにしたら、伯父から、魔法の使い方を教えて欲しいと言われ、一緒に魔法の練習をすることにした。
練習中の会話で、今後の生活費の捻出をどうするのかを尋ねる伯父。
当面の資金はそれなりに持ってきたが、国の外でそのまま使えるのかがよく判らない。
その点を聞いてみると、両替商人はいるが、交易圏内までしか両替はしてくれない。
交易圏外の国になれば、この国の通貨の価値や真贋のなど、色々と面倒で、両替出来たとしても手数料は高くなり、両替出来なくても不思議ではない。
そういう意味では、交易圏内で両替していかないと使えない荷物になる。
いくら持っているんだという話になり、出発前に両替商で両替することになったが、一般的な庶民が手にする金額を大幅に超えているため、1回で全部は無理だろうと言われる。
ならどうせならばと、伯父に投資をすることにした。
当惑する伯父。まあ、帰ってはこないから、伯父にそのまま譲ってしまう形になるけど。元々多すぎた。断りきれなかったからしまっておいたが使う気持ちもなかったのだが。
伯父は帰ってくることも考えていない主人公に対してイライラっとしたのか、騙せとは言わないがわざわざ損をするな。最大限の便宜を図ってやるから無闇に他人に財産を譲るななどお小言が始まった。
伯父の商売の従業員を呼び出して、この1週間何をしていたんだとか、まずは両替商人に便宜を図ると告げ、従業員に両替商人の都合を聞きに行かせた。
魔法の練習を切り上げて、出掛ける準備を始める伯父。多少なりとも身なりを整えるように言われて、主人公も仕方なく身なりを整え始め、この雨の中出掛けることになった。
両替商店 伯父目線
甥っ子(主人公)の呑気さに呆れながら、両替商に入る。先に話は通しているので、主人公と共に店に入ると奥へ通された。
両替商人が店の中から出てきて、伯父と挨拶を交わす。
今回は何用でと問いかけてきたので、甥っ子、主人公が国外で生活するために、現地で両替せずこちらで両替してから出発することにしたのだが、金額が大きくて頼らせて貰ったとある意味で素直に打ち明けた。
どちらの国にも財産を確保しているだろうとからかわれるが、商売用の金に手をつける気は無い。
ではどのくらい両替しましょうかという話になり、金貨の入った袋を3つ取り出して主人公が机に置いた。予定では5つだったはずだが…。
1つの袋に金貨は100枚入っている。
事前に知らせていたこともあり、そこまで驚いていない模様の両替商人。
枚数の確認を従業員に任せて、世間話が始まる。
まずは素性の確認から、国外での生活というと両替する国なのかとか、旅の目的なども興味本位と身元確認を含めて話は進む。
主人公が元領主と聞いてもさして驚くわけでもなく、伯父が元貴族だからと笑って答える。
相手の国の最近の情勢なども話をして、ひと段落すると準備が出来たとして、両替の話に戻る。
枚数の確認を終え、金貨300枚で問題ないことを確認して、手数料を取った形で両替先の金貨の枚数を確認したうえで金貨を346枚受け取る。
用事も済んだので、立ち上がろうとすると、主人公が、両替した通過の国でも支店があるのか尋ね、支店ではないが知り合いがいるということで、信用できそうならば教えて欲しいと会話を交わして、両替商を後にした。
雨の中、伯父の店に帰る道中。合羽も纏わぬ人らしき者が話しかけてきた。
魔王とお見受けしますと。
伯父と主人公が警戒して歩みを止める。
服のような物を身につけているように見えるが、違和感しかない。
主人公がどのようなご用件でしょうと丁寧に問い返すと、女性と思われるその相手は無言で主人公を見つめていたかと思うと、頷いて場所を変えたいと声に出して話してきた。
人のように見える。だが、しっかり見ようとすると何故か違和感がある。全体的に青っぽい服装なのだが、雨が弾くでも染み込むでもない。そこだけ晴れているのかと疑うような変な感覚。
主人公が時間も念話も問題ないですがと話しかけると、相手は場所を変えたいと告げ、主人公が店で話しても良いだろうかと了承を求めてきたので、奥の部屋を使えば良いと答えておいた。
何が何だか判らないが、まずは足を進める。