0013 魔王の物語り15話と16話のあらすじ
暑い。暑すぎまず。創作意欲の低下をなんとかしなければ……。
起稿20240620
起項20240715
改稿20240726
0013 魔王の物語り15話と16話のあらすじ
15話目 主人公領領都 主人公目線
領地の運営に支障が出ないことを目的に、自分がいなくても現状の維持が出来るように各部署に依頼を出す主人公。
国外退去後の道中も長旅、船旅も視野に入れているため、同行者も断っていた。
執事も主人公のある意味徹底した態度に呆れながら、船を使うのならば、港町にいる元貴族で商人の世界に飛び込んだ伯父に船を斡旋してもらうようにしてみてはと提案を受ける。
旅立ちの日。
どうしても断りきれなかった。元護衛と元偵察部隊員を同行者として、多くの人々に見送られることとなりながら、馬による移動となった。
移動ルートは、まずは西。
この国唯一の港町に向かう。
早期に国外退去をさせたい王の意向もあり、先触れが出され、主人公達に干渉しないように通達も出ており、快適とは行かないが、スムーズに旅が出来る予定となっていた。
いたんだが、干渉しないというのも、完全拒否状態。宿も取れず、買い物は出来たが、ぼったくられるというよりも、接したくないという感じ。
通達には人相書きもあったからだろう。流石に付き従う2人の人相書きはないので、買い物は主人公がいなければスムーズだった。
ただ、その影響も海に近付くにつれ薄れていった。
港町に着くと、買い物も宿も問題なく取れ、しばらくの拠点として利用できそうだ。
東の国を見聞してみるというなんとなくの目的のため、まずは船に相乗りさせてもらう方法から探さねばならない。
出発前に執事から提案された伯父に会うのも1つの手として、それとなく場所も確認しようとする。
酒場などで情報収集を始める。
船は交易を主体に成り立っている。
主体ではあるが、それだけをしているわけでも無く。ついでに人を運んでくれたりもする。
そこに入り込もうという寸法。
時間もちょうど夕暮れ時、気の早い連中はすでにお酒を吞んでいるようで、歓談の声も聞こえる。
ここらで散策をいったんやめて宿で聞いた良心的な酒場に向かえば、同じようにすでに人で溢れていた。
仕方なく道沿いの店舗の外にあるテーブルでの食事となった。
聞けば港町ならではなのか、朝の早い漁師達にはすでに遅い時間帯らしく、そろそろ客層が入れ替わるそうだ。そんな時間帯にゆったりと食べる。
外にいることもあり、お酒は吞まない。
全財産は全て身につけている。
酔って失うには大きすぎる。
そんな感じでお酒も吞まずに食事をしていると、隣のテーブルに数人引き連れたガタイの良いオッサングループが席に着いた。
それぞれがエールを注文している。料理はお任せらしい。
しばらくすると何処の食い物が一番うまいか、なんて話題が始まる。
主人公達はすでに食事を終えて果実のジュースを飲みながら聞いている。
やれ、新しくできた店の煮込みが旨いとか、異国の牛肉が分厚くて旨かったとか、曲芸をしながら料理をする店は意外に旨かったとか、チラホラと近隣国の名前が出たりする。
主人公がお楽しみ中すみません。なんか言って会話に参加する。
聞き耳を立てるつもりはなかったけれども、どれも美味しそうな料理の数々で参考までに話に加わりたいなんて話しかけ、話の流れで遠方にも行くことがあるのかなんてのも聞いてみる。
体格は良いけど、ちょっと背の低いオジサンが、船長を務める商船の乗組員達。
色々な土地の旨いものをよく知っていた。
そこで質問してみる。
東の端にある国に行きたいのだが、そんなところに行く船はあるだろうか?と。
色々な船がある中、東方に向かう船はあるけれども、そこまで長旅をする船は少ない。
無いわけではない。
陸でも海でも長旅は危険が付き物で、船ならば、座礁や積み荷を狙った海賊なんかもいるらしい。もちろん天候による障害も存在する。
船を動かすには、まず何処に行って何を持ってくるかで投資を募り、資金を集めてから始まるそうだ。
また、船旅だけで東を目指すときは、南に大きな大陸があるので、かなり遠回りになる。
陸と海を組み合わせるなら、陸の旅が少なくなる港まで行けば、かなり時間は短縮出来るが、海賊が多い海域を通る必要があって、武装した護衛など乗船させ、戦闘してもよいような準備をしていなければ、とてもではないが、すすんで通りたい航路ではないそうだ。
多少時間が掛かるが、そういう意味で大金を投じる気持ちがないならば、旅人は陸路で東の海に出るか、船で南の大陸を迂回するルートを薦められた。
陸路に合流出来る場所で比較すると、陸路は約3ヶ月から4ヶ月(90から120日)程。利点は、比較的物資の確保がし易いこと。気が向いた。気に入った場所に逗留しやすいことが上げられる。
船旅は、南の大陸を迂回するには15日から30日程度かかる。利点は早さ。大陸を迂回するとは言っても、快調に速度を保てれば、人の早さとは比べものにならない。ただ、多くは帆船のため、風や天候の影響を受けやすく、水深の浅い場所では船が動けないため、立ち寄れる海岸は港に限られ、馬車の定期便のようなものはないため、次に乗船できる船を探すのが面倒。物資も船に載せることが出来るだけであり、相乗りの場合。手荷物程度なので、持ち運ぶ量も多くしにくい。
また、ここから東の端まで、そんなとこまで行く船となると、そういうのは国とかで探索などで組織されたものでなければ、まずないだろうとのこと。
ウチも商船だから、そこまでの長旅はしないと言われた。最長でも途中にある国止まりだという。
理由は、言葉も違うから交渉を進めるのが難しいのと、まだ安全な交易路の確保が出来ていないこと。
情報をもらって、御礼に参加している方々に一杯ずつ驕って、その場を後にした。
護衛達と今後について話し合う。
16話目 港町 主人公目線
翌日。
海路で東の海に出ることにした3人。
一応の目的地。東の端まで行く船は無いにしても、陸路で3ヶ月以上の道のりを1ヶ月程度で行けるなら、申し分なし。後は費用がどうなのかで決めると言うことで、宿屋を後にした。
まずは船着場で相乗りする方法を尋ね回ると、昨日のちょっと背の低いオジサン。船長と再会した。
昨日の礼を言われて、こちらも貴重な情報だったと感謝すると、まだ船を探しているのか聞いてきた。
相乗りで東の端まで行きたい旨を再び話すと、本気に東の端まで行くつもりだったのかと驚かれた。そういうことなら、東の端までは行かないだろうけども、荷主を紹介してくれるという。
そこで早速、その荷主さんに会いに行った。
船長が荷主さんのいる部屋に入ると、ちょうど良かった話があると、声が聞こえ、主人公は聞き覚えのある声に少し戸惑う。
荷主さんとの話が済んだのか、船長さんが、「人探しに協力してくれるか?」と真剣な眼差しで問われ、了承すると、船長さんは主人公達を中に招き入れた。
中に入ると見覚えのある人物。主人公の伯父がそこにいた。
何故ここにいると言われて、国外退去の命令を受けたことを説明しようとすると、先んじて国外退去の事は知っていると言われてしまう。
仕方なく、その関係で国から離れるのに船を使うつもりだったと話す。
荷主こと主人公の伯父は、行方知れずになった自分を探すつもりでいたらしい。
情報が入ってきたのも昨夜で、将軍が領主になることが通達と憶測や噂が入ってきていたから、甥である主人公の成り行きを調べたところ、国外退去になったことを知ったらしい。
口ぶりから何故その処分になったのかは情報として出回っていないのだろう。宰相が手を回したのかもしれない。
話は続く、何故この街に来て俺を頼らないと叱られ、迷惑になるかもと返すが、他に迷惑をかけるよりはマシだと、後で恩の貸し借りが出来た方が面倒になると諭された。
兎にも角にも無事だったのは良かったと人捜しの中止を船長に伝えた。
少し落ち着いたところで、伯父が小言を言うからと言う理由で人払いをして、状況確認をしたいと言いだし、伯父と2人で話し始める。
本当の小言として、他の商会の船に頼る前に自分の所に来たのは幸運だったとため息を吐く伯父。
人のつながりの大切さは貴族も商人も変わらないと力説。
1人で出来ることは残念ながら少ない。相手が迷惑だと思うようでは半人前以下。多少でも利益になると感じさせて漸く半人前。絵空事でも上手くいきそうだと思わせることが出来て一人前だと。
ちなみに、半人前と一人前を行き来するのが普通だと、まずはそこを目指せと小言を言われてから、本題に入った。
まずは国外退去の理由。こちらは一般には広まっていないようで、干渉するなと厳命されただけらしく、天の声の事件で、魔王と世界の敵という称号を与えられたことが一番の原因で、王が一番推進していると説明。
称号の効果も一応説明しようとすると、手で制された。それに意味があるのかと。
これから訪れるはずのプレーヤーと呼ばれる種族が、魔王を最終的な敵として倒す目的としてやってくることを伝えた。
自国にいれば、戦争や紛争の火種になる可能性がある。
そう伝えると、そもそも魔王って何なんだ?という疑問を口にされる。
物語りで言えば、悪逆非道を行う者達の親玉とかそんなイメージを伝えたが笑われた。
そんな輩を配下にするのか?と質問もされたが、進んで配下にするつもりはない。
符号としての称号。もしくは、役柄としての称号。
それに合わせる必要があるのか?
伯父の再びの問いに答えることが出来ずにいると、必要に迫られることはある。領主をやっていたわけだから、そんな時もあっただろうと、正しいと思うことを行動する。間違えることもある。
ただ、間違えたとしても受け入れて、補正し続ける。そんなもんだろう。
符号や称号に合わせる必要はない。出来れば独りよがりな正しさがダメなことくらい解るよなと言われ、頷く。
交易船に便乗させてやるから働けと言われ、こき使うように船長に言っておくと微笑まれた。
地図を指さして、大陸の半ばまでが、今の商会の最長の場所。そこから先の交易路は、確保が出来ていない。これが商会の現状。
現地の交易相手にその先を依頼する必要がある。
懇意にしている奴がいるからと紹介状も書くことを約束してくれた。
人払いが解かれ、船長達が入ってきて、船長にこき使うように申し渡し、1週間後出発することを告げられる。