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奇策の裏役者  作者: masterpiece (村右衛門&モ虐)
<中学1年生--2学期>

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11/18

第十一話 「カンニング、敢えて鬼をも騙す奇策」

先週より、モ虐の新作小説「これは人生の仮タイトル」の連載が始まっています。

毎週木曜日の夜7時に投稿予定ですのでそちらもぜひよろしくお願いします




 

「あ、高橋くーん!暇だよね?ノート探すの手伝ってくれへん?」

「ロッカーとか机とは見た?」

「あ、ロッカー見てへんかも」

「もうすぐ鬼先生来るし急げよー」


 ❃


 漢字の小テスト。

 学生であればどんな形であれ誰もが受けるものだろう。


 俺達のクラスの国語教師は、自称『鬼先生』という本名不明の教師なのだが、鬼先生が出す小テストは少し………いや、かなりめんどくさい。


 2週間に一回、30個ある試験範囲の漢字の中から無作為に10個漢字が選ばれ、試験に出てくる。

 10問中7点を取れなかった場合は、試験範囲すべての漢字を10回ずつプリントに書いて提出という非常にめんどくさい課題が待ち構えているので必死こいて合格点を目指して解いていたわけだが、今回は全問正解を狙えそうだ。



「(問7ってどんな字?)」


 隣の席の神谷がヒソヒソした声で話してきたので机の端に答えを書いて見せる。

 学級委員の神谷は、どうやら漢字が苦手らしく、合格点にあと1問足りない、となった時に俺によく聞いてくる。


「潤う」という字なのだが、どうやら神谷は“門”の中に何が入るかが思い出せなかったらしい。


 俺は問題の続きをとき始めた。


 ❃



「はーい、終わり。後ろの人集めてきてー」

 と鬼先生が言うと同時に瀬崎は言葉を発した。


「先生ー高橋くんがカンニングしてましたぁ!」


「何!?」


「は?瀬崎さん!?俺やってへんから!」


「いやいや高橋くん、君机に書いてた答え見てたよね?後ろの席だからわかるんやけど」


「そんな事言うなら俺も言うけど、アンタ机の中に答え入れたたの休み時間みてたんやけど。しかも30問全部を机の手前の方に、答え書いてあるのが上になるように」


 そうだ。瀬崎は俺の後ろの席に座っている。

 つまりは俺が神谷に答えを教えたことを知っている。

 体育祭でいいとこばっかり持っていった俺の事をよく思っていないのだろうが………にしてもこれはひどい。


 こんなこともあろうかと俺は事前に仕込みを入れていた。


 前日、瀬崎のノートをこっそり奪い、家でコピー。

 そのコピーの上から字をなぞり、筆跡を似せた瀬崎のカンニングペーパーの出来上がり。


 誰よりも早く学校に来て瀬崎のロッカーの奥にノートを、瀬崎がノートを探している隙を見て、普段特に何も入れていない机の中にカンニングペーパーを入れておけばいい。


「おい瀬崎、動くなよ。証拠を隠滅されたら困るからな。」


 瀬崎の机の中から出てきた紙を見て鬼先生は激怒していた。

「"湿る"で意図的に間違えるぅ?お前何考えてんねん!」


 そう。俺はこのカンニングペーパーを完璧なものにするために一つ策を用意していた。

 瀬崎のノートに書かれていた"湿"の字はなんだかおかしかった。

 それを逆手に取り「ここで間違えて満点じゃなくすることでカンニングがバレる確率を少しでも下げる」と書いておいた。

 そうしたら完璧だ。


 それに、こんな強烈なものを突きつけられたら、瀬崎ももう俺の話を出せない。

 鬼先生もこのインパクトにのまれて、俺のカンニングについて思い出せない。


 俺は無罪を勝ち取った………というかカンニングしたのは実際には神谷なんだが。



 ❃



 休み時間。

 鬼先生が去ってから神谷は俺に聞いた。

「あれどうやって知ったん?カンニングペーパー。」


「知っても何も仕組んだん俺やし。」


「へ?」


「瀬崎は、俺達のカンニングなんてとっくに知ってる。俺が体育祭で目立ったのに嫉妬して、今の俺の地位を落としにかかった結果返り討ちにあった。

 鬼先生もまさか瀬崎がカンニングしたとか思ってへんし、そのインパクト強すぎて、不真面目な居眠り常習犯の俺のことなんか忘れるわなぁそりゃ。」


 ハハ………と苦笑いする神谷相手に更に話を続ける。


「これ先輩の教えなんやけど、答え移すにしても全問移すな。

 なんなら間違いに傾向を作れ。テストでカンニングするにしても普段より1割ぐらい点が上になるのを目安に間違えろ。って。」

「えぇっと?」

「カンニングするなら全問正解。先生はそう思う。

 間違いがある、そしてその間違いはカンニングペーパーによる指示。そんな物見せられたら強烈なインパクト。

 俺のこと忘れるどころか、鬼先生のみならず周りからの瀬崎の印象どうなるかなぁ」


 神谷は驚く、というかもはやドン引きというような表情をし、

「え、えぇ………とりあえず高橋は一生敵に回さんとこ………」




【鬼先生】そういえば、お前のカンニングの話を忘れてた

【祐介】え?あぁ、瀬崎が言ってたやつすか?俺はカンニングしてないって言っても通じないでしょうけど……そういえば(4)だったか(5)だったかそこら辺の問題空けてませんでした?

【鬼先生】ちょっと待ってや……今見てみる………あぁ、(4)ちゃうか?しかも(6)も……確かに空いてる

【祐介】そこわかんなかったんすよ。カンニングならわざと間違えるとかならまだしも空けはしないでしょ。

しかも2つも。そんな合格スレスレ自分から仕掛けないっすって

【鬼先生】そうか………ごめんな

【祐介】(よっしゃぁ!!バレんかった!!)


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