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奇策の裏役者  作者: masterpiece (村右衛門&モ虐)
<中学1年生--夏休み>
1/18

第一話「噂、若しくは思い出すこと」


あぁ眠い。


昨日の夜から、今日の11時(つまり今)までオールしていたからなのだが、今日は休日だからいつ寝ても大丈夫だ。

昨日の夜中、終わりかけていたイベントのクエストをギリギリ完遂できたし………このまま寝てもいいか。




そうして眠りにつくと、とある夢を見た。

それは俺の過去の話。

俺と、ある"組織"の物語だ。



20XX年5月某日




俺は土曜日という休日を謳歌していた。

パソコンで今ハマっているゲームをプレイし、その傍で、ヘッドホンから流れる音楽を聴く。

電気はつけず、カーテンは閉めているがそれでもやはりカーテンからは陽の光が漏れている。

今度、まだ使ってないお年玉でカーテン買い替えようかなぁと真剣に考えていると、ゲームに没頭していた。


プレイヤーネームは、Hige(ハイジ)

 

高橋の(High)(Bridge)を混ぜたようなその名前は、一見"髭"とも間違えられるので後から後悔しているが、そこそこ気に入ってはいる。 

PVPでのランキングを順調に伸ばし、サーバー1位の座に登った祐介(ハイジ)

しばらくしたら追い抜かされるので、もう少しレートを上げておく。


しばらくすると、スマホのバイブレーション通知が祐介の意識をゲームから引き剥がす。

「誰やぁ?こんな時に俺を余韻から引きずり上げたのは?」

そう言いながらdisc●rdを開くと、

「ん?」

そこに書かれていたのは、”はよ来い。遅れるぞ”という簡潔な文。

「■■のやつ、まだ大丈夫やろ……………ってえぇ⁉︎」

時間を確認すると今は17時20分。

俺が通ってる塾は家から遠いためバスで通っているのだが、普段17時30分発のバスに乗ってギリギリの到着だ。

ということは、本当にヤバい。



すぐに部屋着から着替えて、カバンを取って階段を駆け下りてすぐに家から出る。

バス停までダッシュで走って、超ギリギリでバスに滑り込むようにして乗り込んだ俺は、後ろの席に■■が座っていて、俺に向かって手招きし「来い」と合図した。

俺は彼の横に座り、

「マジで危なかったぁ……あんがと。助かったわぁ」と彼にお礼を言う。

「はいじゃあこれで貸し1なー」と、■■は笑いながら言っていた。

「あーああかったわかった……何が聞きたいん?」

「山本の片思い恋愛の進展、早く報告してくれ」


俺たちはよく「こいつとあいつが付き合ってる」「あいつはあの人のことが好き」「そういえばあいつ学校でポテチ食ってた」

と言った噂話をよくしているのだが、タダで情報を教えているわけではなかった。

今のような”貸し”と交換するか、同レベルの情報と交換するかが基本だっあ。

俺と■■は、そんな感じで情報を交換していて、あくまで個人で楽しんでいただけだった。

が、この日を境に、俺達の関係は少し変わってしまった。






  ❃




今日は、塾の授業が2コマあった。

1コマ目の英語は爆睡したから、2コマ目も同じように爆睡してやろうかとおもっていたのだが、2コマ目は社会だ。

バカほどうるさい田沼先生のが授業の担当なのだが、この先生は要所要所で生徒を笑かそうと必死にネタを用意しているため、教室内が非常にやかましい。

昨日は今日の塾のことを忘れて夜更かししてしまったため非常に眠たいのだが………どうやら寝かせてもらえなさそうだ。


「えー、江戸時代に起きたこの米騒動、実は3年でやる公民にも関わっている部分があってなー

需要と供給って言って…………」


ちなみにこの先生の授業は、話題がよく脱線する。

その暴走列車が軌道修正する唯一の方法は、

「田沼先生…?今日は歴史の授業じゃありませんでしたか?」

塾長だ。塾長が背後から笑みを浮かべてやってくると、田沼先生は授業を軌道に戻す。

しかし、騒がしい教室の中でも俺は眠気に襲われ、そのまま眠りについた。




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