65話 力量差
[スキルカード 疾風]
[スキルカード ブースト]
[スキルカード マジック]
[スキルカード サウンドブラスト]
[スキルカード ショックウェーブ]
キュリアが意気揚々と飛び上がるのと同時に、僕達は早撃ちの如くカードを取り出しセットする。
まずは椎葉さん、風斗さん、峰山さんの三人の遠距離攻撃が宙にいる奴を襲う。
マイクの球体と音撃と衝撃波。奴は天才的な反射神経でそれら全てを躱してみせるが、そこに僕と田所さんの追い打ちが向かう。
[スナイパーモード]
[アックスモード]
僕達二人は同じ方向から突っ込んでいく。もちろん奴はそれに反応して燃え盛る拳を突き出してくるが、僕の斧がそれを受け止め、その隙間を縫うようにして田所さんの弾丸が額ど真ん中を撃ち抜く。
[change……アクアランス]
奴は無言で形態を変化させ、すぐさま伸ばした槍を振り僕と田所さんを吹き飛ばす。
だがその振り終わりを狙い、峰山さんの鎌と風斗さんの刃が奴の胴体を捉える。
受け身こそとったものの奴は一度地面に叩きつけられ、攻めに転じるのではなく一旦距離を取り引く。
やった! 五人で確実に連携していけば奴を追い詰めることができる。勝てる……この戦い勝てる!
勝利を急ぐ気持ちを抑え、みんなと訓練した通りにアイコンタクトを取り合い動きを合わせる。
椎葉さんの分身や僕の疾風などの効果が切れてしまったため一旦下がり、剣や斧で防御できる僕と風斗さんが前に出て、弓やマイクに銃など遠距離攻撃手段が豊富な三人は射線に互いが被らないようにして後ろにつく。
[change……フレイムファイター]
最初の形態に戻り何か策を講じてくるのかと思ったが、そんなものはなくただ一直線に、シンプルに走って僕の方に向かってくる。
そこにみんなで一斉に攻撃を仕掛けたが、上手い具合に躱されたり拳で叩き落とされてしまい奴には届かない。
そして奴の拳が僕に到達する。しかし大振りで距離があったので十分に対処することができ、斧の刃の部分で受け止め後ろに下げられるだけで耐える。
「ふっ……さぁタイマンしようぜ生人ぉ!!」
みんなから距離ができてしまった僕を付け狙うようにして、他のみんなを無視して向かってくる。
もちろんみんなはそれを迎撃しようとしてくれたが、奴の位置取りが上手く良い感じに僕が射線上に立ってしまう。
僕も必死に動いてみんなの攻撃が奴に当たるようにするが、それに合わせて奴も動き更に攻撃もしてくるので上手く調整することができない。
「一発もらったぁ!!」
連撃によって僕のガードに隙が生じてしまう。疾風はまだ使えず、風斗さんが助けに入ろうとするも奴が僕と共に高速で動くせいでそれもできない。
そしてそのアッパーは僕のお腹にクリーンヒットしてしまう。
「トドメだ!!」
奴はトドメと言いながらも、僕以外の人には見えない角度でランストに触り形態を変化させようとしていた。
[change……ウィンドアックス]
「みんな避けて!! フェイントだ!!」
その意図をすぐに理解し伝えるが時は既に遅く、奴は風に乗って宙を高速で舞い峰山さんの顔面に斧を振り下ろす。
ガードも助けも間に合わず、その一撃は命中し彼女は地面を転がり変身が解けてしまう。
「ぐぅぅ……」
幸い意識はまだあるようで、呻き声を上げれてはいたが明らかに重症だ。
[change……グラウンドソード]
剣を地面に突き刺し大地を揺らし、二人が欠けたことで穴ができた陣形を更に崩れさせる。
そこから流れるように椎葉さんと風斗さんを叩き斬り、二人も変身が解けてしまう。
[必殺 バイクリフレクション]
奴の周りをタイヤが覆い、そこに数多の光弾が放たれる。
[change……フレイムファイター]
「その技はもう見切った!!」
しかしそれらは全て拳で弾き飛ばされてしまう。しかもそれだけでなく全て田所さんの方に向かっていき、彼は焼ける音を立てながらその場に倒れ込む。
「これでお前も終わりだっ!」
「はっ!? ちょいまっ……」
田所さんが何か言いかけるが、お構いなしにキュリアは顔面に蹴りを放つ。
そのダメージで彼も変身が解けてしまい、ついに変身を保てているのは僕だけとなってしまった。
「キュリア……!!」
そこまでされてやっと僕はギリギリ立てるくらいまでは回復したが、僕の体力など風前の灯火だ。
「なぁ生人。前の、モールの時みたいな力を見せてくれよ」
「力……?」
「とぼけるなよ。あぁ言わないと分からねぇか? きせ……」
キュリアの頬を光弾が掠める。田所さんが変身が解除されても銃を取り出し攻撃する。
「おいキュリア! それ以上生人に何かやってみろ! 許さねぇぞ!」
僕がピンチだからか、いつも見せないような真剣な雰囲気を纏い叫ぶ。
「ちっ……まぁもっと痛めつければもしかしたら……」
キュリアは僕を掴み、上へと放り投げる。
[必殺 フレイムラッシュ]
僕は何も抵抗できないまま、拳を構える奴の方へと落ちていくのだった。




