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179話 四つの力が合わさる


「とりあえず何とかなった……の?」


 あれから数時間戦い続け、悲鳴や建物が崩れる音が止む。


[スキルカード ジャンプ]


 跳び上がって倒壊していないビルの屋上に着地する。そこで目を凝らし辺りを見渡すが、もう暴れているサタンは一匹も居ない。


「もしもし……こっちはもうサタンは見えないけどそっちはどう?」


 ボクはランストを通じて三人と連絡を取り合う。向こうももうサタンへの対処も避難も終えたらしく、場所を伝え三人はここに集まり合流することに決まる。


「生人さん伏せてください!!」


 下に居た峰山さんの声に反射的に反応して咄嗟にその場に伏す。直後衝突音と共にビルが大きく揺れる。


「うっ……一体何がって……美咲さん!?」


 どうやら地上から美咲さんがものすごい勢いで飛んできた、いや飛ばされてきたようでたった今激突した際の衝撃で絶命する。


「ふぅ……これで102回目か。あ、すまない生人君。戦っていたらこんなところまで飛ばされてしまったよ」


 少し上にゲートができて、そこから鎧を纏った状態で降りてきて着地する。


「智成さんはどこに……」

「ここだ」


 また不意に懐に入られ、ボク達はそれぞれ拳と蹴りを叩き込まれビルの屋上から突き落とされる。

 だが地面に叩きつけられることはなく、峰山さんがその巨体でボク達を受け止めてくれる。


「ありがとう峰山さん助かったよ!」

「それよりも智成さんは!?」


 峰山さんの声に呼応したわけではないが、ビルの屋上から智成さんが姿を見せる。

 そしてボク達が着地する前にボタンを出現させその内中央のやつの一個隣のボタンを押す。


「あ、あれ? 体がっ!?」


 その時ボクと美咲さんの体に異変が起きる。ふんわりと体が浮き上がり、物理現象を無視してビルの方まで上昇していく。

 逆に峰山さんはすごい勢いで地面へと下降する。

 その流れに逆らうことができず、ボク達は構える智成さんの方へと引っ張られる。


 まさかこれは逆再生!?


 落下の逆をいくこの現象を見抜けるが、かといって対処法があるわけでもない。

 ボク達はそのまま抵抗できずに彼の落下しながら放たれる回し蹴りを二人ともくらってしまう。


 今度は峰山さんも受け止められず、ボク達は地面に叩きつけられてしまう。


「う……ぐっ……」


 そして美咲さんはまた再び死にそして蘇る。

 ボクも受け身はなんとか取れたのでダメージは最小限に抑えられている。


「三人に増えたがまぁ構わない。せめてもの残されたこの時間を争いに消費するというのなら、その覚悟受けて立ってあげよう」


 彼はボタンをしまい堂々と余裕を持ってこちらに近寄る。

 だがそれを妨害するかのように遠方から光の弾丸が彼の頭にクリーンヒットする。

 しかしそれもほんの少し仰け反らせるだけに留まる。


[スキルカード マジック]

 

 分身の二人の椎葉さんが向かってきて智成さんと交戦する。しかしこれも一秒と保たずに腹を貫かれ消滅してしまう。


[必殺 ガーディアンフラッシュ]


 閃光の一突きが彼の頭部を貫く……ことはない。その切先は片手で容易に止められてしまう。

 

[スキルカード オートアタック]


 風斗さんは即座にその剣を手放しそれを自動化させて自分は離れる。そして剣を自分の手元に戻し構え直す。


「5対1……まぁこの際良い機会だ。あいつの望みもある。4体1に変えさせてもらおうか。

 おい! 今ならキミの望みを叶えられる! 出てきても大丈夫だぞ!」

「へぇ〜やっとオレの出番か」


 路地裏からゆったりとキュリアが姿を現す。もう既にダイアを付けており、いつものカードをセットする。


「さぁ……やろうぜ生人。ここがオレとお前の決着が着く最後の場所だ!!」


 彼の目の前にお馴染みの四つの正方形が現れる。それら全てをタップして混ぜ合わす。


[complete…… フォースエレメンツ レベル100]


 四つの四角は回転の果てに一つの円となる。それが五つに分裂し、それぞれ彼の両肩と両膝。そして胸の中央にできた穴にピッタリ嵌まる。

 

 四つの属性が混ざり、今ボクと同等の力を持った最強と言っても遜色ない鎧がここに舞い降りたのだった。

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