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8話


「では、手続きを行いますね」


そう言って出してきたのは何やら色々と文字が書いてある紙。


「まず、この紙に名前、生年月日を書いて下のところに血判を押してください」


そう言われたので紙に書こうと思ったのだが。


俺、こっちの文字知らねぇんだけど。


困ったなぁ、とウンウン唸っていると。


『大丈夫です、そのまんま書こうとしてみてください。』


オルタがそう言ってきたのでとりあえずそのまんま書いてみようとする。


すると、書く直前に自分が書こうとしている文字を思いつき、そのまんまの流れで書き切った。


おぉ、すげぇ。これは言語理解の能力か?


隣でレイもスルスル書けていたのでそういうことだと思う。


あとは血判かぁ、親指の腹を切るのが一般的なのかな?


......ナイフなくね?

風魔法で切るかな。


魔力に意識を向け親指を撫でるように切れるようイメージをしてスパッと切る。


痛っ

......いちいち血判する時こうやって切るのって痛くねぇのかな。


隣でレイも魔法で切っていたのだが紙の切れ端で指を切った時に痛がる顔をしていた。


「......お二人共言ってくださればナイフをお貸ししたのですが、わざわざ魔法で切らなくても大丈夫でしたよ」


え、マジかよ。

いや、まぁ切っちゃたしいいか。


『この世界で無駄に魔力を使うのは緊急時に困るっていう考え方ですからね。まぁ、二人は魔力の量が多いのであまり関係ないとは思いますが、それにナイフだとお二人共VITが高すぎて切れないと思いますし。』


普通のナイフで切れない体って......


「まぁ、切ってしまったので気にしなくていいですよ」


苦笑いしながら血判を押した紙を渡し、それに続きレイも渡す。


「ありがとうございます、ちょっと待っていてくださいね」


すると受付嬢は奥に行き少しすると戻ってきた。


「はい、ではギルドについて説明しますね」


おー、とうとう説明タイムか。

痛っ、なんかレイがニヤニヤしながら肘打ちしてきた。


こいつ、さてはテンション上がった勢いのまんま強めにしてきたな?


痛かったのでレイの太ももを強めに握りつぶしつつ話を聞く体制になる。

やめろレイ意外と強めに叩いてくるんじゃねぇ。


「まず、ギルドの創設について......」


え、そこから?

いや、つまらんて


「は、置いておきまして」


ニヤッと受付嬢の人が笑う


こ、この人からかってきやがったか!


「まずはランクについてですね、ランクがありまして一番下がF一番上がSとなっています。このランクはクエストを受ける時に必要となるランクとなります。」


なるほどー、その辺は結構ゲームとかに出てくる設定と一緒なんだな。


「それぞれのクエストにポイントのようなものが設定されておりそのポイントが溜まるとランクが上がる仕組みとなっています、ただし自分のランクよりも下のクエストの場合は獲得出来るポイントが減るように設定されているので一番下のをずっと回して上げる、ということは難しいように設定されています」


つまりランクを上げたいのであれば自分に見合ったクエストを受ける必要があるってことか。


「また、クエストを受ける時に必要なランクについてはパーティを組む時に上のランクの人が居たとしても下のランクに合わせなければいけません、ただし緊急時に組む時の臨時パーティに関してはその限りではありません」


んー、その場合緊急招集があるってことかな?


「ちなみにですが非常事態に名指しで招集、またはランク毎で招集されることがあります。どれに対しても任意ですがランク毎に呼ばれる場合に関しては人命がかかっているもの、例えばスタンピード等なのですが、そういうもので招集されるため自分が逃げると他の人の命に関わるということを理解しといてください」


なぜそんなことをわざわざ言うんだ?


(このお姉さんは何普通のことを言ってるんだろうな?ボク的には逃げるとしても町民とかと一緒に逃げるだろうけど置いてけばそうだろ?)


念話が来たがその通りだな、ということしか出てこない。


「ちなみに今言った、理解しといてくださいということに関しては後からそのことに気がついて荒れる人がいるので伝えとかないと、という配慮です」


......それ理解できないやつが悪くね?


『この世界では学ぶことが出来る者は少ないですからね、そこまで頭の回転率が高い人があまりいないので仕方がないかと』


あんま関係ないような気がしなくもないが教育に問題があるのか。平等に勉強することは認められてないと言ったところか?

そもそも俺らの中での当たり前はこっちでは普通ではないと思った方が良さそうだな。


『正確に言えば勉強する時間があれば仕事を手伝えという親が多いですね』


なるほど、俺らの世界でのだいぶ昔のことと一緒か。


「あとはパーティ、ギルドのシステムについてですね」


まぁ、その辺は大体ゲームとかと一緒だろうな。


「パーティの場合はまとまりのような物なので一緒に行動はしますがそのパーティ所属ということはありません、言ってしまえばその場限りとも言えます。

まぁ、基本的に1度パーティを組めばそのまま組んでいる人が多いですが」


まぁ、その辺はそうだろうな。

縛られることなくその場限りとなるとパーティって感じだし。


「ギルドは二人以上所属出来る場合に冒険者ギルドに申請していただくとギルドを創設することが出来ます」


ギルドを創設するために冒険者ギルドにってなんか変だな、ギルドがギルドを認知するっていう謎。


『ギルドはクランと一緒ということにすれば分かりやすいのでは?』


確かに、それなら分かるな


「ギルドにも冒険者ランクと同じようにギルドのランクが存在しておりこちらもギルド所属の者のポイントがギルドに追加される方式となります」


つまりクエストをしっかり回すと自分のランクだけではなくギルドのランクも上がると。


「お二人は一緒に行動してるようですがギルドには所属しているのですか?」

「いや、してない」

「ボクらはフリーだね」


!??なんかゾクッとしたぞ?


一気に酒場の方から視線がこちらへと向いてきた。


『恐らく先程の強さを見た上ギルドに所属してないとの事なので自分のギルドにと皆さん思っているのでしょう』

(あー、なるほどな?ボク的にはギルドをボクたちが創設したいんだけどどう思う?カナデ)

(いいんじゃないか?)

(じゃあギルマスよろしく)


は?嘘だろ?俺がギルマスかぁ、めんどくさっ。


「ちなみにですがギルドの利点は個人へのクエスト依頼よりもギルドへのクエスト依頼の方が多いということと、ブランド力、その他もろもろありますね」


確かにギルドの利点はゲームでよく理解している。

なんならレイド等でも必要にはなってくる。


あった方が便利か?


「質問なんですけど、設立に必要なランクや、ギルマス等が承認しないと入れない等の制約はあるんですか?」

「設立は誰でも出来ます、ただしギルドに入るためにはギルマスの承認が必要です」


なるほど、なら俺がギルマスをやれば嫌な人は弾ける?


「なら今俺が設立する、入ってくれるよな?レイ」

「もち」

「では、こちらの書類に必要事項を書いてください」


自分の名前やら何やらを書いていくがギルド名の欄が残る。



(名前......どうする?)

(確かに、ボクはダサい名前嫌だぞ?)

『血〇騎〇団とかどうですか?』


アウトォォォォ!それ、アウトォォォォ!


(流石にそれはダメだよ、うん)

(うーん、難しいな特にこれというものがないからなぁ)

『何か自分たちがのテーマみたいなものはないのですか?暗殺とか』

(暗殺はしないが確かにその路線はありだな)

(異世界から来たからアナザーを入れるとか?)

(別ってことか、クランならそこで仲間が交わるってことだからクロスも入れてみるのはどうだ?)

(アナザークロスってこと?響きはカッコイイな)

(まぁ、意味は別の交差とか別の十字って意味だが)

(んー、まぁ、響きがカッコイイのでオッケー!)

『レイさんっていつもこんな感じなんですか?』

(ああ、どちらかというとアホっぽい感じだな)

(そこ!聞こえてるからな!?)


んー、何か騒がしいなぁ、まぁ書きますかっと。


ちゃちゃっと書いて提出する。


「ありがとうございます、ちょっと待っててくださいね」


また先程のように奥へと走っていき五分くらい待つと戻ってきた。


「はい、ではこちらがお二人のギルドカードです。再発行にはお金がかかるので無くさないように気をつけてくださいね、クエストはここから酒場の方を見たら掲示板が見えると思いますがそこでクエストを見てきて受付で受注すれば大丈夫です、ちなみに報告も買取も受付です。」


あ、買取もできるのか。


「ゴブリンとかウルフとかオークとかその辺のモンスターのクエスト貼ってあったりします?」

「ありますよ?常時貼られていてゴブリン討伐が10匹で銀貨5枚、ウルフが10匹で銀貨7枚と銅貨5枚、オークが5匹で大銀貨1枚と銀貨5枚です。」

「それって今受注して今報告すればクリア扱いなります?」

「自分が討伐したことが証明出来れば可能ですが」

「じゃあ報告できると言うことか、たくさんあるんだがどうすればいい?」

「たくさんですか?」

「うん、いっぱいあるよ?」

「なるほど、では裏手にデカい解体場があるので買取の受付の人とそこに行きましょうか」


買取の受付をしてる男の人と一緒に裏手の解体場へ。


「うっわぁ、でけぇー」

「でかいなぁ」


そこは体育館よりもでかい場所だった。

端から端まで走ったら疲れそうだな。


「それであんちゃん達どんくらいあるんだい?」

「カナデ、どんくらいだっけ?」

「えーと ゴブリン 2500 ウルフ 3500 オーク 700 ですね」

「......は?」

ブックマークとか評価をしていただけると作者が嬉しくなるのでよろしくお願いします!


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