30話
「な!?お前らは何もグフォッッ!」
「そこで止まッッッ!!」
「邪魔だ、どけ!」
轟音に気づいた奴らがどんどんと近づいてきていて邪魔をしてくる。
「レイ!あと少しで着くから状態異常回復の魔法を練っとけ!」
「了解!」
『スキル《高速思考》《並列思考》を使用します』
ナイスだオルタ!
俺は目の前の敵を倒しつつ並列で回復魔法を練る、瀕死だから少し強めに練っておく。
『ちょっ、マスター!強めに練りす』
「カナデ!正面の女の子であってる?」
「あってるぞ!」
何かをオルタが言ってたような気がしたが正面に女の子が見えたのでそれどころでは無い、瀕死だからな。
レイが状態異常を回復するのを見てから回復魔法を放つ。
よし、ドクロのマークと点滅が無くなったな。
『あーあ、もう知らないですからね?』
ん?何がだ?
「ど......して......」
虚ろな目をしていた少女はこちらを見上げてきて何かを言ったのだが直ぐに気絶してしまった。
逆に体力が回復したから気絶したのかもしれないな。
「おいおい、何してくれてるんだ?」
奥からごついオッサンが出てきた。
「んー、襲撃?」
「お前、舐めているのか?」
イラッとさせてしまったようでかなり睨まれてしまった。
「クソが......死ねっ!ファイヤースピアー!」
二本ほど生成された炎の槍を飛ばしてきた、というかそんだけ筋肉つけてるのに肉弾戦では無いのか?
俺はそう考えるのと同時に魔力を練って見よう見まねで水の槍を二本作り炎の槍に向けて撃った。
ドッパァン!
威力が高過ぎたのか炎の槍を一瞬で消して男の後ろの壁を吹き飛ばしてしまった
「な、お前......」
「後ろががら空きだよ?」
唖然として俺の事を見てきた男であったが気づかないうちにレイが魔力を練って後ろに回っていた。
そこで放ったのが風の刃、男は恐らく自分が死んだことに気がつかないうちに死んでしまっただろう。
レイは一瞬うっ......とした顔になったが顔を叩いて切り替えたようだ。
レイのいい所のひとつだな、切り替えればすぐに割り切れるところ。
まぁ、引っ張っちゃう時もあるけどな......
そういう時は俺も手助けしようとは思うが。
「相変わらず2人は規格外、敵が可哀想に見えてくる」
後ろで見ていたシャルルは不機嫌そうにそう評した、どうやら手を出す前に終わってしまったので若干不満なようだ。
シャルルには謝りつつとりあえず女の子を拘束していた鎖を断ち切る。
断ち切ったのだが......
「ここに置いていく訳にはいかないよね?」
「さすがにな」
まぁ、そうだなぁ。
とりあえずおんぶしてっと。
「え、カナデがおんぶするの?そ、それならボクが」
「いや、俺がおんぶしておく、レイには魔法をしっかり撃ってもらいたいからな」
俺は最悪スキルのアシストで比較的集中しなくても魔法が撃てるし。
「そ、そっか......」
渋々と言った感じで頷いてくれた。
「シャルル、背中は任せた」
「ん、でも要らないかもしれないけどね」
「要らないわけがないだろ、信頼してるぞ、頼んだ」
さてさて、それじゃあ親玉のところに行きますか
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