21話
あの後宿屋へと向かい部屋を取ったのだが残念ながら二部屋しか空いていないということだった。
まぁ、二人と一人で別れればいいか、という話になったので問題は無いが。
「さてと、そんじゃ行きますか」
「え、今から?」
「まぁ、走れば1時間もかからないんじゃないか?」
『まぁ、マスター達の速度なら行けるんじゃないですか?』
だよねー、マップで敵の位置が分かるしすぐに終わるんじゃないか?
あ、そういえばシャルルは俺らの速度じゃ無理じゃん......
んー、まぁ、抱えればいいか。
「そんじゃあシャルルさん、失礼して」
「ちょちょちょ!?なんでお姫様抱っこするの!?」
あ、シャルルが焦っとる。
ん?レイが睨んできてるんだけどなんで?
『アハハ』
おい、オルタ、アハハじゃねぇんだぞ?アハハじゃ。
「こうした方が早くつくんだ、我慢してくれ」
そう言って魔力を練ってから空気抵抗を無くす例の魔法を使う。
「よし、レイ!行くぞ!」
「............まだボクですらしてもらったことないのに」
?
なんか言ってたけど......ま、いいか。
「ウニャァァァァ!!!!」
全速力で走り始めるとあまりの速さからかシャルルは絶叫している。
というか猫みたいな叫び方するやん。
「舌噛むぞー」
「ングっ」
シャルルは焦ったように自分の口を手で押えたようだ。
物理的ね〜。
走り始めて1時間ちょっとだろうか、予想通りそこまで時間がかかることなく森が見えてきた。
分岐点となる道のところで急ブレーキをしてシャルルを下ろした。
「ハァハァ、なんなのよ!あの速度は!?」
素の状態だとわりかし淡々と喋るシャルルでもキツイところがあったようで叫ぶように話してきた。
「え?ちょっとスピード出しただけだぞ?」
「ちょっと?あれが?」
「まぁ、カナデはボクに速度を合わせてくれてるからね」
「は?」
信じられないという目を俺に向けてきた。
まぁ、実際そうなんだがなぁっとしか言い様がない。
「そんなことよりカナデ」
「どうしたんだ?レイ」
「抱っこして」
「いや、なんで?」
「シャルルズルい、ボク抱っこしてもらったことない」
「いや、でも」
「抱っこして」
ハァ、なんかこいつなぁ......
まぁ、いいんだけどさぁ、なんで俺に抱っこしてもらいたがってるんだよ......
仕方なく抱っこしてやり森の方へと歩いていく。
門番みたいな人がいたので声をかける。
「依頼を受けてきたんだが、ここがワイバーンが出てる森で合ってるか?」
「ああ、合ってるぞ、ギルドカードを出してもらえるか?」
「はいよ」
俺はレイを抱っこしたまんま時空魔法でギルドカードを出して渡す。
三人とも渡すと何かの機械でスキャンしている。
多分帰ってこなかった時のための身元確認とか色々とあるのだろう。
「はい、ありがとうございます、ところで......」
門番の人はレイのことをチラッと見ると。
「怪我でもしているのですか?」
「気にするな、こいつはこういう奴だ」
「そ、そうですか......ではお気をつけて」
そう見送られたので入ってはいったが俺らの背が見えなくなるまで門番の人は俺とレイのことを見続けているのであった。
今日から二日おきの投稿?になると思います、もしかしたら一日おきにポン!と現れるかもですが基本的に二日に一話にします!
遅くなってしまうので申し訳ないですが応援お願いします!
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