11話
「はいよ、旅人さん」
運ばれてきたのは白身の焼き魚。
魚の種類は分からないが。
それとパンと野菜スープ。
「ありがとうございます」
「久しぶりのご飯だ!」
昨日?ぶりのご飯にレイがテンションが上がっている。
「旅人さんもしかして町を移る時食べ物の持ってく量を間違えたのかい?」
俺らを旅人と勘違い、いや合ってるけど合ってない勘違いをしているおばちゃんがそう言ってきた。
「えへへ、そうなんだ、おまけに路銀稼がないといけないからって倒した魔物も食べなかったんだけどギリギリだったよ」
「水はあったから大丈夫だったけどな」
「ねー」
テキトーに流すぞと目で伝えてそれっぽいことを言っておく。
「はえー、そりゃー大変だったねぇ、まぁ今日はご飯も食って暖かい布団で休みな!」
そう言って次の客の方に行った。
「よし!」
「ご飯を食べるぞ!」
「いぇーい!」
馬鹿騒ぎしているが周りは酒飲んで食って喋ってと周りは周りでカオスなので問題ない。
「「いただきます!」」
まずはメインからと思い白身の魚を食べてみる。
ふむ、この味は......わからん。
なんかの魚の味に似ているかと思ったが分からなかった。
だがまぁ、異世界特有のメシマズは無さそうだな。
「んぐんぐ、味は普通?」
「そうだな、普通だ」
味付けはシンプルに塩、めっちゃ美味い!って感じではなく普通やなって感じ。
全体的に健康的な味付け、ジャンクフードとは違いいい感じって感じ。
まぁ、メシマズテロがなかったので良しとしよう。
「「ごちそうさまでした」」
飯も食って腹を満たしたので、部屋に戻る。
「んー、お風呂がないのがなぁ」
「それなぁ、まぁ仕方ないだろ」
「んー、まぁそうだね」
でもどうするかー、体拭くにもタオルみたいなのないし。
『生活魔法でクリーンという魔法があります、体を浄化するものなので汚れにはそれで対処できますよ』
「へー、そうなんか」
「じゃあ早速!『クリーン』」
するとレイの体の周りが緑色に発光した。
「んー、たしかにスッキリしたかな?みたいな感じ」
「じゃあ俺も『クリーン』」
んー、変わったか?
まぁ、変わったってことにしておこう。
さてそれじゃあ
「寝ますか」
「そうだね」
さっきからずっと素で喋っているレイがベッドへと入り俺は床に寝転がる。
「なぁ、カナデ」
「ん?どうした?」
「なんでお前床で寝てんの?」
あら、素じゃなくなってる。
じゃなくて
「だって同い年の女子と一緒のベッドで寝るとか無いだろ」
「いや、あるでしょ」
「いやねーよ、てか普通に俺と同じくベッドとか嫌だろ?普通に寝てろ俺も普通に床で寝る」
室内で寝れるだけまだマシだし、それで十分だろ。
それに好きな人と同じベッドで寝るとか
「はぁ、体痛くなるでしょ?こっちに来なさい」
そう言って掛け布団をめくって隣をポンポンと叩く。
「痛くなってもいいっつーの」
「じゃあわかった、背中合わせにしようそれならいいだろ?」
「よくねーよ」
そう言ってるのだが黙ってこっちをじっと見てくる。
こいつ昔から譲らねぇからなぁ。
しゃあねぇなと頭を掻きながらベッドへと入る。
レイとはしっかりと背中合わせにして、というかしないと恥ずかしくて死にそうになるが。
「これでいいだろ?」
「うん」
「はぁ、お前は女で俺は男なんだ、しっかりと自分で自分の身は守らないとだからな?」
「分かってる、でもカナデのことは信用してるから」
「そーかよ」
信用してるって言われるのは純粋に嬉しいが好きな人が男に危機感を持ってないって聞くと怖いからちょっと安心できないんだよなぁ。
「まぁまぁ、しょうがないでしょ?一つしかベッドがないんだから」
「だから俺が床で寝るって言ってんだっつーの」
「痛くない方がいいでしょ?」
「まぁ、そうだけどよ、てかこっち来てからずっと素で喋ってるけどいいのか?」
「へ?」
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