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見感語  作者: 紀希
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住職の異変



ここいらでは有名な、大きな寺があった。


敷地は広く、それら全ての管理を、


一人のある住職が管理していた。


その住職は皆に優しく、


とても良い人で、皆に慕われて居た。



この寺に入る者。又は、その際には、


きちんとした格好をしなければいけない。



それ程。この寺は神聖な場所であり、


それだけの"力"があった。



ある時、修行で来た者達がその寺を訪ねた。


だが、そこは聞いていた場所とは


あからさまに違って見えた。



まるで違う所かの様に、荒れ果て、


所々。朽ちてしまっていた。


「はて、、これは、


一体。どうしたものか、、」


年輩の修行僧はただ、茫然と見つめる。


若手の修行僧は堪らなくなり、口を開く。


若手「本当にここなんですか?



こんな、果てた場所、、?」


年輩「これっ!


口を慎みなさい。」


そう言うと、頭を叩く。


若手「いってえ、、」


年輩「そもそも。私達の様な存在が、


この様な神聖な場所に入れる事に、


心から感謝すると共に、


自らを低くしなければならないのです。」


若手「そんな場所なのに、これは、一体。」


独特の嫌な雰囲気が辺りに漂う。



年輩「とりあえず、住職に会わなくては、」


2人は手入れのされていない墓石に、


手を合わせながら、ゆっくりと通る。



奥へと進むと、ようやく建物に着いた。


建物も掃除はされておらず、


蜘蛛の巣が張り、扉が外れていたりと、


杜撰な姿容だった。


年輩「もし。旅の僧侶でありまするが、


住職はいらっしゃいますか、、」


返事は無い。


この御寺に入った時から、


誰かに見られている様な気がして、


更には天候まで悪くなってゆく。



若手「一雨来そうですね、、」


年輩「上がらせて貰いましょう、、」



若手「すいませーん、、」


年輩「どなたか、、」



扉を開けてまわるが、誰も居ない。


そして、奥まった部屋の扉に手をかけると、


5畳ぐらいの部屋に、住職が居た。


若手「住職が居られました。」


住職は見るからに衰え、


何かに怯える様に小さくなっていた。


年輩「住職。


どうなされましたか?」


若い僧侶が扉を閉めようとすると、


建物が大風に揺れて、軋む。


すると、住職は声を出す。


「うわあああ、、、」


若手「住職、?」


住職は私達に気付くと震えながら話す。


「何で、来てしまったんだ、、、



ここには何かが居る、、



私には、、


どうにもできない、、」


屋根を鼠が走ると、住職は顔を隠す。


若手「どうしましょう、、」



年輩「結界は、、?」


住職「門はきちんと閉めた、か、?」


震える声で会話をする。


年輩「何があるか分かりません。


用心して、住職を護って下さい。



私は結界を見て回ります。」


若手「分かりました。」


雨音と共に風が強まる。



静まり返った部屋には"ナニカ"が存在する。


若手「お前だろう?元凶は?」


何も無い壁に話しかける。


すると、笑い声と共に、


ゆっくりと面が姿を表す。



「くははははは、


よく、見付けたな?



こやつは怯えるだけだったのに、」


それと同時に面は私の方へと突っ込んで来た。


私は寸前で交わし、仏具を取る。


若手「御借り致します。」


住職は床に倒れている。


きっと、面の妖力にやられたのだろう。



面「貴様ごとき若僧に何が出来る。」


面は禍禍しいオーラを放つ。


若手「私だってね、、好きでこんなん


やってるんじ無いんですよ、、



でもね。やっただけ、


加護はきちんと現れるんですよ!



お願いします!!」



みるみる光にまみれ、


面は悲鳴を上げ、地面へと落ちる。


面「ぎゃあああえああ」


すかさず、仏具で面を刺す。


動く面を身体で抑え付けながら、


仏具で弱らせる。



すると、後少しの所で、


扉が開き、外から面を着けた、


女性が入って来た。



「うぎゃあああ」



人間の声とは聞こえないその声は、


面を逃がし、私に襲いかかる。


「きぃああああ」


私は仏具を体へと刺す。


すると、面は外れて、女性は倒れる。



もたれかかる様に私の方へと倒れると、


バランスを崩し、一緒に床へと倒れる。



がらがら、、



年輩「何を、やって、いるのですか?」


そう、低い声がすると同時に、


棒で私は叩かれる。



年輩「穢らわしい!!!」



若手「どうして、、



こうなるのーー!!」
































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