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見感語  作者: 紀希
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九桜の涙



彼女達は泣いていた。



「どうしたの?」


彼女達は皆。


腕が片方無かった。



彼女達「あのね、、」



気が付くと夢は覚め、


僕の頬には涙があった。



よく分からない夢。


僕にはどうしようもない事。



たまに、そんな夢を見るんだ。



ふとした日常の切り抜き。


それが在るのか。無いのか。


それに、、何の意味があるのか。



何も。


僕には分からなかった。



日常をただただ繰り返す。


それが、本当に正しいのかも分からないまま。


言われた事が。


まるで、、それが【正解】かの様にこなす。



そうじゃないと。


僕達は弾かれてしまうのだから。



遠回りする道には結局。意味が無い事を。


大人達は、知っている。


だから遠回りを教えようとはしない。



キィー、、


錆びた自転車のブレーキの音は悲しげに響いた。



見上げた桜並木。


そこは、僕の現実逃避をするお気に入りの場所。



「ぁぁ、、」



目の前には。


枝を切り揃えられてしまった桜達があった。



とても綺麗な桜達。


手を伸ばせばもう少しで届きそうな儚い想いは。



大人達の勝手な都合によって。


切り刻まれ。


地へと落とされてしまった。



『落枝による怪我等に配慮し、又、


安全面を十分に考慮した上。


園内の桜の木の枝を、伐採しました。』



掲示板には冷たい文字で端的にそう、書かれていた。



「可哀想な事をしたね、、」


いつの間にか隣に居たおばあさんが、そう呟いた。


僕の目には涙が溢れた。


おばあさん「あらあら。


大丈夫かい、??」


僕はその場に踞った。



「うっ、ぅっ、、」


おばあさん「よしよしっ、、」



僕が泣き止むまでの間。


おばあさんはずっと背中を擦ってくれていた。



「夢を見たんです、」


僕はおばあさんに話した。


"変な子"だと思われるだろうか。


そんな事も考えず、口から言葉は出た。



おばあさん「、、そうだったのかいっ。


きっと桜さん達はあなたに伝えたかったんだろうね。」


「僕はどうしたら、?」


おばあさん「そうだね、、



どうしたら?よりも。


あなたが、



どうしたいか。



じゃないのかねぇ?」


「どうしたいか、、」


おばあさん「もう遅いから。


お家に帰ってゆっくりと考えると良いよ。


子供には、【大人には無い時間】があるからねぇ。」


僕はおばあさんにお礼を言って帰った。



おばあさん「


『世間の目がそうだから』



今の世の中は正にそうさね、、。


大人達はそれにただ流される様にするしかない。


何故なら。大人達は、、


"世間体に縛られてしまった"


から。


けれど、子供達はそれに。


【理不尽な当たり前】に。


真っ向から、ぶつかる事が出来る。


どうしてか。


それが、


【若さ】


だからだよ。



大人達は、その"若さ"が悪い方に行かない様に。


程好い距離から見守ってやんなきゃならない。


場合によっては衝突もしなきゃいけないんだ。



果たして【今の大人達】のどのくらいが。


"大人の役目"を果たす事が出来ているんだろうね、?



それに、あの子は。



気付く事が出来るだろうか、、



ねぇ。?


桜さん達。。



えぇ。きっと。大丈夫よ、ね。」



誰かの為の。誰かの為の優しさで。


何処かの誰かは傷付き、涙を流すのでしょう。



そんな理不尽な世界でどうやって生きて行くのか。


誰と共に乗り越えて行くのか。


どんな道を歩むのか。



彼女達は一年に一度の華を咲かせ。


私達を見守って居るのでしょう、、




















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