鳥
ある時、鳥の死骸を見た。
仰向けになり、足を天に向け、羽をたたみ、嘴は半開き。
小柄な、愛らしい声で鳴いていたであろう死骸は、人通りの多いこの道の中にあっても、誰からも埋葬されることなく、衆目にさらされ、避けて通られ、道路清掃の職員とおぼしき男に拾われ、他の路上のゴミと共に捨てられた。
私はただぼんやりとその光景を見ていた。
気付かず通り過ぎる者。
見て避ける者。
拾い捨てる者。
産まれ、育てられ、自立し、路上に屍を晒す者。
ただ、見ている者。
誰にも、何の影響も与えない生と死が、そこにはあった。
しかし、それは紛れもなく生であり、そして死であった。
偏に風の前の塵に同じ