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第7章 龍一の過去(其の二恋愛)


 次の日、龍一は久々に、学校に登校した。

だがすでに昼休みだ。

後ろから静が、龍一に声をかけてきた。 

 「昨日はすごかったね」

 「あの時、ルナさんが止めに入らなければ、勝っていたぜ!」

 「龍一君、昨日の人が好きなの?」

 「お前には、関係ない」

 「……私、龍一君の事が好きなの……だから……」

 「やめておけ、生きてる世界が違う……それにお前の言うとおり、俺はルナさんが好きだ。」

 「そう……そうよね……でも、自分の気持ちが、伝えられたから、なんかスッキリした」

 「お前にはいつか、いい男が現れるさ」

 「だといいんだけどね……」

その時、龍一のクラスメートが現れた。

 「龍一君、ちょうど良かった。ミツオが、マサシさん達に連れて行かれた」

 「何!?場所は?」

 「たぶん体育館裏……」


野田光夫……龍一と同じクラスで、目立たない存在のため、龍一の変わりにイジメられている少年だ。

龍一はすぐに、体育館裏に向かった……


 体育館の裏では、ミツオがマサシ達にイジメられていた。 

 「さっきクソ踏んじまった。ミツオ舐めろ!」

 「やめて……」

 「逆らうのか!?」

マサシ達は、ミツオをボコボコにした。

 「逆らった罰だ!明日までに、五万持って来い」

 「てめーら、何してんだ!?」 

 「りゅ、龍一……」

 「上等だよ!?てめーら……」

龍一は一瞬で、マサシ達を血祭りにした。

もはや、その辺のやんキーたちでは、龍一に勝つどころか、攻撃すら出来ない……

 「てめーら、これから俺とミツオには、敬語で話せよ!」

 「は、はい……」


しばらくして、静が現れた。

 「ミツオ君、大丈夫?」

 「う、うん……」

 「一応、保健室に行こう」

 「(情けない……憧れの静さんに、こんな姿を見られるとは……)」


どうやらミツオは、静に恋をしているようだ。龍一は、それに気づいた。

 「俺が保健室に、連れてくよ……もうすぐ授業が始まるから、お前は教室に戻れ」

「えっ?じゃ、じゃあ、お願い……」


龍一は、ミツオを連れて、保健室に向かった。

その途中、龍一がミツオに尋ねた。

 「お前、静の事が好きだろう?」

 「……う、うん……でも静さんは、龍一君の事が……」

 「俺には好きな人がいるんで、コクられたが、断った」

 「えっ?そ、そうなんだ」

 「お前は、静が好きで、静は俺の事が、俺はある女性が好きで、そのひとは亡くなった恋人の事が忘れられないみたいで……恋愛って難しいなぁ」

 「う、うん」


 授業が終わり、静は同じクラスの、女子生徒達と帰宅した。

 だが途中、静達は三人のヤンキー達に絡まれた。

 「どこの学校?」

 「俺達と楽しもうぜ」

すると静は、

 「皆、逃げて」

 「え?そんな事出来ないよ」

 「そうだ、龍一君を呼んでくるよ」

他の女子生徒達は、龍一を呼びにいった。

 「まあ、ブスはいいや、あんた一人で俺達を相手してくれれば……」

 「くすっ、相手!?いいよ」

「物分りのいい女だ!」

その時、ミツオが近くで様子を見ていた。

 「(ど、どうしよう……静さんが危ない!でも怖い……)」

 ミツオは静を助けたいが、恐怖で動けなかった・・・

だが、自分の好きな人を助けたい、ミツオは勇気を振り絞って、静を助けに行った。

 「や、やめろ!」

 「ミツオ君!」

 「なんだ、お前は?」

 「し、静さんは、僕が守る!」

 「おいおい、震えてるぜ!?」

ヤンキーの一人が、ミツオの顔面を殴った!


 その頃、さっきの女子生徒が、龍一とトオルを発見!女子生徒達は、龍一とトオルに事情を話した。 

 「そうか、分かった、お前らは帰りな」

龍一とトオルは、静を助けに向かった。

だが、龍一は急ごうとしなかった。

 「おい龍一、何のんびりしてんだよ!?」

 「ああ、大丈夫だって、あいつは父親からテコンドーを学んでいる」

 「で、でも、あの子は女だぜ」

 「……しょうがねぇな……急ぐか!」


 その頃、ミツオは、ヤンキー達からボコボコに殴られていた。

 「ミツオ君、逃げて!」

 「ぼ、僕、龍一君みたいに強くないけど、でも静さんを守りたい」

 「ミツオ君……」

ミツオは、すでに限界だった。

 「けっ、口だけヤローが、俺達に逆らうからこうなるんだ」

 「おい、クズ共!ミツオ君は命がけで、私を守ってくれた……私はミツオ君みたいに優しくないわよ」

 「し、静さん!?」


テコンドーは韓国の武術で、蹴り技を得意とし、そのために柔軟や身軽さが必要だ。

もちろん、他の武術でも柔軟や身軽さは必要だが、テコンドーはその二つを利用した蹴り技が多い。もちろん手技のほうが多いが、足を自由に使うため、足技が多いと思われているのだろう。


静は、一人のヤンキーにかかと落としをし、もう一人には、回し蹴り、もう一人のヤンキーは、逃げようとしたが、とび蹴りが炸裂!

静は、三人のヤンキーを倒した。

だがその時、ヤンキーの仲間達が現れた!

しかも、八人もいる。

 「オセェーと思ったら、こんな所にいたのか」

 「直樹さん」

 「何、女に負けてんだ!?」

 「す、すいません……」

 「でも直樹クン、いい女だぜ!」

 「ああ」

 「(十一人か……今の私じゃ無理……)」

 「女のくせに強そうだな〜。でも俺は、あの喧嘩屋修羅のダチなんだぜ!」

 「……へー、あの修羅の友達なんだ!?彼、有名人よね。どんな感じの人なのかしら!?」

 「金髪に染めてて、俺みたいにガタイがよくて、メチャ強えんだぜ」

 「クスッ、金髪と、強いのは合っているけど、あなたみたいな体格はしてないわ」

 「ああ!?」

その時、龍一とトオルがやっと到着した。

 「なんだ!?ミツオまで居るじゃん!」

 「なんだ、テメーは!?金髪に染めて、修羅のマネか?俺はその修羅のダチだからよ!」

次の瞬間、龍一は直樹の鳩尾に、蹴りを放った!

 「ぐは〜……ゲホッ、ゲホッ……」

 「ああ!?俺はテメーなんかしらねぇぞ!」

 「な、直樹クンが一発で……」

 「おい、あのリーゼント野郎……白川中のトオルだ!」

 「じゃ、じゃあ、あの金髪野郎が、本物の修羅!?」

 「てめーら、よくもミツオを、ボコリにしてくれたな」

  「龍一、俺にも遊ばせろ!」


数分後……

龍一とトオルは、ヤンキー達を血祭りにした。

 「おいお前ら、今度はこの程度じゃ済まないからな!」

龍一のその言葉で、ヤンキー達は逃げて行った。  

 「ミツオ君、大丈夫!?」

 「へ、平気だよ」

 「トオル、行こうぜ!」

 「ああ……」

龍一とトオルは、その場を離れた。

 「ミツオ君、ごめんなさい。私、三人くらいなら、勝てると分かっていたけど……ミツオ君が、私を守ってくれたから、しばらく黙ってみていたの……でもすごく嬉しかった」

 「……僕は、静さんの役に立ちたかったんだ。ぼ、僕、静さんが好きです!だから、付き合ってください!」

 「ミツオ君……ありがとう。こんな私でいいなら喜んで……」  

こうして、二人は恋人同士になった。

 

 龍一は、「修羅参上」の特攻服を着て、相変わらず喧嘩に明け暮れていた。

だがこの時、真の強さが何かを彼は知らない……








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