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最終章 修羅の者たち

これで最終話です!

神威龍一……小学四年生まで、格闘王の息子なのに、弱という理由でいじめられていたが、瑠奈に助けられ、弟子となる。中学時代は、喧嘩屋修羅と名乗り、紆余曲折を経て、天神流の継承者となる。

そして、今、大切な人を取り戻すため、仲間と共に、伝説の悪魔との戦いが、始まろうとしていた。


 龍一と、トオルが店に着くと、すでに、他の四人は、店の前で、二人を待っていた。

秀一は、Tシャツにジーパン、舞と一は、空手の道着、四郎も柔道の道着を着て来た。

 「時間がない。急ごう!」

そう言って、秀一は単車にまたがり、エンジンを掛けた。

舞と一は、トオルの車の後ろに乗り、四郎は、助手席に乗った。

 「ん?お、おい、これ、龍一の刀じゃないか!?」

 「そうだ、これから始まるのは、殺し合いだ!怖いヤツは、今のうちに、降りろ!」

 「私は、降りません!」

 「僕も、降りる気はないです!」

 「お、俺だって……」

 「フッ、ところで龍一、その阿の山ってどこにあるんだ」

 「ついてくれば分かるよ」

そう言って、龍一達は、阿の山に向かった。


 阿の山……天正伊賀の乱で、生き延びた天神斎が、傷を癒し、二十年以上こもって、天神流を編み出し、その後も、天神流の者たちの、修行の場となった。

そして、武と凍矢の死闘の場ともなった。

だが、その山が、どこにあるのかは、天神流の者たちしか知らない。

阿の山という名前も、天神流の者たちの間で、そう呼ばれているだけ……

阿の山……それは、天神流の者たちだけが知る謎の山……


 そして、その阿の山では……

 

「やっと来たか」

瑠奈が、阿の山に辿り着いた。

 「凍矢、山に隠れている奴らは、何者だ?」

 「気にするな。ただのパシリだ」

 「パシリ!?まあ、いいわ。ここに来る前に、父と母、武の眠る墓に寄ってきた。そして、三人に、凍矢と結婚すると、伝えてきたわ」

 「ほう、それでは、俺の女になるんだな」

 「ああ、私みたいな女は、お前のようなヤツが、お似合いなのかもしれない」

 「そうだ。お前も、俺と同じ人殺し……人殺しの女には、人殺しの男がふさわしい」

 「お前の女になるのだから、リュウには、絶対に手を出さないでよ」

 「フン、お前を手に入れた今、あんな餓鬼を相手にしてもしょうがない。だが、アイツが、お前を取り戻しに来た時は、全力で潰す!」

 「その時は、私が説得するわ」


その頃、龍一達は、阿の山に向かっていた。

その時、向こうから、一台の単車が、逆走してきた。

ギャバババン!

龍一が、単車を止めた!

秀一やトオルも止まった。

 「おい、龍一!喧嘩なんかしている場合じゃないぞ!」

 「インパルスか……」

そう言って、龍一は、微笑んだ。

龍一には、向こうから来る男が、誰なのかが分かっていた。

そして、トオル達にも分かった。その男が誰なのかが……


ギャバババン!

インパルスに乗った男も、単車を止めた。

 「おい、どこに行くんだ?そんなカッコウで……」

 「喧嘩しに行くのさ……お前も来るか?虎次郎!」


インパルスに乗った男は、あの大河虎次郎であった。

龍一は、虎次郎に事情を話した。

だが、虎次郎は、龍一や瑠奈のために動いたりしない。

でも、龍一には、分かっていた。

この男も修羅……

相手が、強ければ、強いほど、戦いたくなる男だということを……


 「フン・・あの女がどうなろうと、知った事じゃないが、ソイツが強いなら、俺が、ぶっ殺す!」

龍一の予想どおりになった。

その時、

プップー!

後ろから来た自動車が、クラクションを鳴らしてきた。

 「お前ら、ジャマだろう!はよ、どかんかい!」

三十代くらいの男性が、車から顔を出し、怒鳴ってきた。

虎次郎が、ガンをつけ、男を威圧した。

 「(な、何だよ。コイツら……)」

 「おい、龍一!後ろがつまっている。急ごうぜ!」

 「ああ、行くぜ!虎次郎!」

 「フン……」


こうして、虎次郎という心強い味方が出来た。

虎次郎が、龍一達と違うところは他にもある。

龍一は、天神流忍術

舞と一は、新戦会空手

四郎は、柔道

秀一は、少林寺拳法

トオルは、ボクシング

だが、虎次郎には、格闘技の経験はない。

彼は、ただ一人、修羅場をくぐって、強くなった男だ。


そして、数時間後……


もはや、車が通れる道ではなかった。


ギャバババン!

龍一達が止まった。

 「ルナさんのフェラーリだ!これで、間違いなく、阿の山にいることが分かった」

 「じゃあ、この辺が、阿の山か?」

 「ああ……」

 「龍ちゃん、一つ聞くけど、この前とか、どうやって、ここまで来たの?」

 「歩いたり、走ったりしてきた。それも修行の一つさ」

 「そ、そう……」

 「とにかく、ここからは、歩いていこう」

龍一達は、単車や車を置いて歩き始めた。


しばらくすると、龍一が止まった。

 「(一、二、三……十四人か……)隠れてないで、出て来い!」

その時、龍一達に向かって、手裏剣が飛んできた!

だが、それを全部、龍一が刀ではね返した!

 「いいかげんに、出てきたらどうだ!」

「さすが、天神流の継承者……」

そう言って、ついに、凍矢の影の者たちが現れた!

影の者たちは、黒い忍びの装束に、覆面をしていた。


 「覆面をしているから、顔が分からんが、どうせ、ブサイクな顔をしているんだろ!?」

トオルが、挑発をした。

 「ここから先は、通さないわ」

 「女?なんだ!?女もいるのか?」

 「女は私だけ、でも、戦いに男も女も関係ないわ」

 「俺達は、ルナさんのところに行きたいんだ。すまないが、退いてくれ」

 「それは、出来ないわ。ここを通すなと言われている」

 「凍矢を倒せば、アンタらは、自由になれるんだろう」

 「私は、凍矢様のためなら、命をも捨てられるわ」

 「命をも捨てられる?お前らは、アイツに負けて、命欲しさに、アイツの影になったんだろう」

トオルが、再び挑発する。

 「他の者は、そうかもしれないが、私は違う!」

 「そうか……どうやら、戦いは避けられないみたいだな」


他の影の者たちも、凍矢の強さと恐怖を知っている。凍矢の命令に従わなければ、殺される。自分達が生きるためにも、龍一達を始末しなければならい。

そして、ついに、影の者たちと、龍一達の戦いが始まった!


 その頃、瑠奈と、凍矢は……


 「フン、始まったか」

 「凍矢、お願い……あいつらには、帰るように言うから、手を出さないで……」

 「さっき、言ったはずだ。お前を、連れ戻しに来たら、ぶっ潰すと……それに、あの餓鬼の強さは、本物だ!アイツを、俺のパシリにしてやる!それが、出来ない時は、殺してやる!」

 「凍矢……リュウたちに、手を出すというのなら、私は、アルテミスとして、お前を殺す!立て、凍矢!」

瑠奈が、ついに構えた。

 「俺が、優しくしてやれば調子に乗りやがって……この馬鹿女が!」

凍矢も立ち上がり、そして構えた。

先に攻撃を仕掛けたのは瑠奈だ。

瑠奈が跳んだ!天誅だ!

瑠奈のかかと落としが決まった!

そしてもう片方の足で、凍矢を蹴り飛ばした。

だが、凍矢は、吹っ飛んだが、倒れなかった。

更に、攻撃は続く、今度は、双龍、そして、奥義龍神を使った。

再び、凍矢がふっ飛んだ!

それでも、凍矢は倒れない。

 「どうした瑠奈!お前の力は、その程度か?」


再び、瑠奈が龍神を……

だが、凍矢も龍神を使ってきた。

今度は、瑠奈が、ふっ飛んだ。

瑠奈は倒れたが、すぐに立ち上がった。

今の瑠奈では勝てない。それは、瑠奈自身が、一番分かっている。

だが、それでも、龍一を守るため、再び構えた。


 その頃、龍一達も、影の者たちと戦っていた。

影の者たちも、凍矢から、天神流を叩き込まれていた。

しかも、相手は、十四人……

だが、龍一達も、この一年でかなり強くなっている。

龍一達は、血だらけになりながらも、七人まで倒した。

残りは七人……

これで、七対七の戦いになった。

激しい戦いが続く!

そして、ついに、あと一人……

凍矢のためなら、命をも捨てられると言った女だけとなった。

龍一が関節を決めた。雷鳴だ!

関節を決め、投げ、そして、相手の喉に、かかと落し!

 「ゴホッ……」

 「ハアハア……悪いな……俺達は、どうしても、ルナさんのところに行きたいんだ。」

 「龍ちゃん、急ごう」

龍一達は、瑠奈と凍矢のいる場所に向かった。

 「ま、待て!」

女は、フラフラになりながらも、龍一達を追った。


龍一達が、瑠奈のところに着くと、そこには、今まで見たこともない、血だらけになった瑠奈の姿があった。

 

「ルナさん!」

 「リュウ……みんなを連れて逃げな」

 「俺のパシリ共を倒すとは……ますますお前を、俺の影にしたくなった」

 「ああ!?ふざけるな!お前は、俺が倒す!」

 「倒す?面白い!やってみろ、コゾー!」

 「(うっ・・な、何だ!?アイツの凍りついた瞳は……)」

龍一達は、昔の瑠奈のように、凍矢の凍りついた瞳を見て、動けなくなった。

 「どうした?俺が怖いか?」

その時、

 「凍矢様!」

フラフラになりながらも、あの影の女が現れた。

 「フン、役立たずが、よく俺の前に顔を出せたな。お前らは、後で始末してやる」

 「凍矢様に殺されるなら、悔いはありません」

 「凍矢!」

瑠奈が再び、凍矢に攻撃を仕掛けた。

だが、凍矢の方が強い。

凍矢の容赦のない攻撃が続く!


 「(俺は、何しにここに来たんだ?大切な人を取り戻すために来たんだろう……)」

凍矢の龍神で再び、瑠奈はふっ飛んだ。

瑠奈は、倒れたが、再び立ち上がり、構えた。

 「クソ、俺の龍神を、二度も喰らって、まだ、立ち上がれるとは、だが、次こそ……」

その時、

 「凍矢!俺の大切な人を、絶対にゆるさねぇ!」

龍一が、凍矢の恐怖に勝ち、そして、構えた。

 「リュウ!」

 「ほう……さすがだな。それでこそ、天神流の十八代目だ」

 「(ハヤト、お前の技を借りるぞ!)」

龍一は、ハヤトが編み出した抜刀術、不知火をする気だ。

 「(殺す、殺さない、などという雑念は捨てろ……何も考えぬ事……無念無想……)」

龍一が、正面から突っ込んだ!

 「(な、何だ!?)」

龍一が、刀に手を……

 「(そうか、抜刀術か!)」

凍矢は、本能的に避けようと、右後ろに跳んだ。

龍一は、凍矢の動きを読み、そして、凍矢の背後を取った。

 「(くそ餓鬼が!)」

龍一が、抜刀しようとした。

だが、凍矢は、刀の柄を左手で鞘に押さえ込んだ。

そして、凍矢の後ろ回し蹴りが炸裂した!

 バシッ!

龍一はふっ飛び、そのまま倒れた。

 「コゾー、俺は、世界を相手にしてきたんだ。お前らとは、くぐった修羅場が違うんだ」

 「(ダ、ダメだ……勝てない……)」

龍一に、再び恐怖が襲う

舞達も恐怖で動けない。

だが、もう一人、凍矢の恐怖に勝ったヤツがいた。

虎次郎だ!

虎次郎は、拳を強く握り、凍矢に殴りかかった。

だが、勝てるはずがない!

それでも、虎次郎は、戦った。

それを見ていた舞、一、四郎、秀一、トオルも、恐怖に勝ち、凍矢に立ち向かった。

 「クズ共が!」

だが、次々に、龍一の仲間が倒れていく……

 「みんな!」

 「リュウ!」

 「ルナさん!大丈夫ですか?」

 「私はいいから・・お前は、アイツらを連れて、ここから逃げるのよ」

 「そ、それは出来ません!」

 「これは命令よ」

 「俺は……出来の悪い弟子です……だから、俺には、ルナさんが必要なんです!」

龍一が立ち上がった。

 「アイツに勝てる方法が分かりなした……神技一天波……」


神技一天波……天神斎しか使えなかった幻の技……


 「リュウ……そうね。お前なら出来るかも……」

龍一は、右の拳を強く握り、気を一点に集中し始めた。

 「リュウなら出来ると、信じるわ!」

そう言って、瑠奈も再び凍矢に立ち向かった。

 「(あの餓鬼、何をする気だ?まさか!あの技を?)」

 凍矢がそう思った瞬間、瑠奈の天誅が炸裂!

 「クソアマー!」

 「みんな、下がっていなさい」

 「瑠奈さん!」

 「リュウが、気を集中している間、お前の相手は、私がするわ」

 「フン、あの餓鬼に、あの技が出来るわけがない」

二人が、三度目の龍神を使った。

今度は、凍矢がふっ飛び、倒れた。

 「凍矢様!私も……」

影の女は、凍矢を助けようとしたが、

 「クズの力などいらん!」

そう言って、凍矢は、立ち上がった。

激しい戦いが続く

 「(まさか、この俺が負ける!?)」

凍矢も瑠奈も、限界を超えていた。

 「クソアマー、これで死ね!」

凍矢が、四度目の龍神を使おうとした。

だが、

 「な、何だ?この気は?」

凍矢の動きが止まった。

 「あのコゾーが?まさか……」

凍矢が、龍一に恐怖を感じた。

 「凍矢(アンタの怯えた顔、やっと見られたわ……リュウ!今よ!」

瑠奈が、その場を離れた。

 「う、動けん!」

今度は、凍矢自身が、金縛りにかかった。

影の女は、凍矢を守りに行こうとするが、彼女の体も、思うように動かない。

 「くたばれー!凍矢―!」

ついに、龍一が一天波を放った!


神技一天波……全身の気を一点に集中し、その時に放たれた衝撃波で、相手に触れることなく、相手の全身の骨を砕き、確実に相手を殺す!まさに神の業だ!


凍矢は、吹っ飛び、そのまま、動くことはなかった。

 「凍矢様―!」

影の女が、泣き叫んだ。

 「龍一、殺ったのか!?」

トオルが叫んだ。

龍一は、そのまま、後ろに倒れそうになったが、瑠奈が抱きとめた。

 「リュウ!」

 「ルナさん……人を殺すって、イヤなことですね……俺は、その罪を背負って、生きていかなければならない……ルナさんも、この苦しみを、ずっと背負って、生きてきたんですね……俺もこれから、一人で、この苦しみを背負って、生きていくのか……」

 「リュウ、お前一人、苦しませたりはしない……これからは、私と二人で、その苦しみを背負って、一緒に、生きていこう」

 「ルナさん……」

 「リュウ……愛しているわ!」

 「ル、ルナさん……お、俺も……俺も愛しています!」

二人は、そのまま熱いキスをした。

 「龍ちゃん……良かったね」

その時、影の女が覆面を取った。


黒い髪に、ショートヘアー……

顔は、瑠奈に負けないくらい、綺麗な顔立ちをしている。

 

「へー、すげー美人じゃん!」

四郎の心が、一瞬、ときめいた。

 「もう、私は、凍矢様の影じゃない……私の名は、春麗、生まれは、中国北京……」

 「春麗か……いい名前だ」

 「四郎、どうしたの?」

 「な、なんでもない」

 「私は、他の影の者たちと違って、凍矢様と戦ったことはない……七年前のある日、私は、三人組の男性に、犯されそうになった。その時、私を、助けてくださったのが、凍矢様……」

 「七年前!?俺が、ルナさんに助けられた時だ」

 「その時、凍矢様は、お前を助けたわけじゃない、ただ、イライラしていたから、腹いせに、虫を殺しただけだ……そうおっしゃっていたわ。でも、私にとっては、命の恩人、だから、凍矢様の影となり、凍矢様に恩返しがしたかった。でも、結局、なんの役にも立てなかった……」

春麗は、そのまま、凍矢の亡骸を抱いて、崖の方に向かった。

 「凍矢様……私も、そちらの世界に行きます。今度こそ、凍矢様の役に立てる女になります」

春麗は、凍矢を抱いたまま、崖から飛び降りようとした。

その時、四郎が、

 「待てー!」

と叫んだ!

 「お前が、本当に、凍矢のことを思うなら、お前は、凍矢の分まで生きるべきだ!」

春麗の足が止まった。

 「お前にとって、俺達は敵かもしれない。けど、俺は……お前に……一目惚れした……お前は、美人だし……だけど、それだけじゃない!お前が、凍矢を思う純粋な心に、俺は、俺は惚れたんだ!」

 「……!」

春麗の心が揺れ動いた。

 「べ、別に、付き合ってくれとは、言わない……ただ、生きてほしい」

春麗の目から、涙が流れた。

 「フッ、敵か……そうだな。お前達は、凍矢様の……私の敵……凍矢様の仇を討つためにも、私は生きる!」

彼女は死ぬ事より、生きる事を選んだ。

そして、凍矢を抱いたまま、山を降りていった。


人は、生まれ、そして、いつか死んでいく

だから人は、今を、一生懸命、生きるのだろう


 「四郎君……」

 「瑠奈さん、みんな、いいんだ……彼女が生きていてくれれば……さあ、帰ろうぜ!」


山を降りた時、すでに、他の影の者たちの姿はなかった


そして、七年の時が流れた……


龍一は、プロの格闘家となっていた。

彼は、七年の間に、表だけでなく、裏で、生と死を懸けた戦いをし、全て、勝利している。

もちろん、相手を殺したりはしない。

彼が殺したのは、凍矢だけ……

一天波を使ったのも、あの時だけ……

また、六年前に瑠奈と結婚して、五年前に、娘も生まれている。名前は、聖華……


龍一は、めったに、弟子を取らない。

現在、彼の弟子は、娘、聖華と、弟の龍之介、そして、大空達也だけである。

かつて、南が、命を犠牲にしてまで、助けた時の子供……それが、大空達也である。

達也は、南の分まで、一生懸命生きたい……その熱意に応えるため、龍一は、達也を弟子した。


瑠奈は結婚後、喫茶店は、経営しているが、裏世界は引退した。

また、七年前に、メジャーデビューしたプレシャスの、ニューアルバム「レ・ジェンド」の、最後の曲に、龍一はピアノ、瑠奈はヴァイオリンとして参加している。

曲名は、「Rest In Peace」意味は、安らかに、眠りたまえ……

北斗の妹、南のために、作られた曲である。


また、龍一や瑠奈と共に、凍矢たちと戦った修羅の者たちも、それぞれの道を歩んでいる。


新戦会の四天王の一人、沖田一は、舞と、四年前に結婚し、後藤家に婿入りした。 

彼は、沖田一から、後藤一となった。

二年前には、息子も生まれた。名前は、後藤誠……

また、新戦会は、東京と大阪に、支部を作った。

東京には、土方が、大阪には、永倉と原田が任された。


四郎は、実家が、中華料理店を経営しているので、彼は、店を継ぐために、中華料理の修業をしている。

そして、最近、この中華料理店に、一人の中国人女性が、お客として現れる。

女性の名は、春麗……

凍矢の影だった女……

二人は、付き合っていないが、それに近い存在だ。


秀一は、大学を卒業後、北斗や南の父、杉原グループの会長に見込まれ、養子となっている。彼が後に、杉原グループを背負っていくのであろう。

また、結婚はしていないが、恵とは、今でも付き合っているようだ。


トオルは、プロボクサーとなり、異種格闘技戦で、龍一と再び戦うが、敗北……

また、彼は、現在、アリスのリーダー麻奈美と付き合っている。

アリスも、三年前にメジャーデビューして、活躍している。


虎次郎は、現在も無職で、相変わらず、強いヤツを求めて、喧嘩をしている。

龍一とは、裏で、生と死を懸けた戦いをするが、ついに、龍一が勝利し、虎次郎は、敗北した。


神威 龍一……

かつて、いじめられていた少年だが、瑠奈の弟子となり、この時から、彼の戦いは始まった。

そして、これからも、戦い続けるだろう……

強いヤツを求めて……






ご愛読ありがとうございます^^

これからも病気に負けないで、頑張って生きて行きたいと思います!


平成21年5月 生時!押忍!


参考資料

秘伝             BABジャパン  

武術ウーシュウ      福昌堂

山崎照朝の実戦空手      池田書店

少林寺拳法奥義        東京書店

喧嘩芸骨法          二見書房

忍者のすべて         新人物従来社

格闘新書           ベースボールマガジン社

新格闘教書          三天書房

修羅の刻パーフェクトガイド  講談社

など


おまけ

天神流の技紹介!


天誅……相手の頭上より高く跳び、一回転してかかと落とし、さらにもう片方の足で相手を蹴り飛ばす。


双龍……後方宙返りと同時に顎に蹴りを、さらに体をひねらせ、こめかみにもう片方の足で蹴りを放つ。


雷鳴……関節を決め、投げて、地面に叩きつけた後喉にかかと落とし。


鉄槌……足払いをし、相手が倒れそうになった瞬間、顔をつかみそのまま地面に頭を叩きつける。


閃光……神速で相手に袈裟斬りをし相手を瞬殺する天神流の剣術。

だが、この技をかわされた時、突き又は薙ぎなどに変換し、第2の攻撃を行うことを「雷」と呼ぶ。

素人なら最初の一撃で瞬殺、玄人さらに達人でも第2の攻撃「雷」で勝負が決まる。


龍神……天神流の奥義。

龍神は水神……降りしきる大雨を、避けるのは不可能……まさに奥義龍神は、降りしきる大雨。

常識を超えるスピードで相手の急所を確実に攻撃する。あまりの速さで数秒の間、相手を宙に浮かし動きを封じる。これが龍神である。


一天波……本来天神流の継承者は全ての技を会得しなくては継承者にはなれない。

だが、開祖の天神斎を含め、誰も極める事が出来なかった技。

そのため天神流では「神技しんぎ」と呼ばれている。

全身の気を一点に集中し、その時に放たれた衝撃波で、相手に触れることなく、相手の全身の骨を砕き、確実に相手を殺す!まさに神の業だ!


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