第97話 合体魔法と釣り
「アベイルおいで」
「プミ、なんでしょうかご主人様」
「お前がどれくらい戦えるか見たいんだ。ちょっと戦ってみてもらえるかな」
「プミ、わかりました」
まずはヴァルキリーでも下位の娘と当ててみた。
アベイルが魔法で攻撃する。俺が教えた魔法はほとんど使うことができた。
一番驚いたのは魔法が2種類でも3種類でも一緒に使えるというところだ。
もう魔法が合体してると言っていい。こんなのは絶対にできない。2人,3人といれば別だろうが。
アベイルは分裂できるので一個一個の個体が別のことができるのだろう。
だが面白いものを見せてもらった。これは俺も練習したらできるようになるかもしれんな。後でやってみよう。
合体して飛んでくる魔法はヴァルキリーの娘たちもかなり苦労していた。
避けきれずにあたって負ける娘もいた。魔法をかいくぐって剣を振って当ててもアベイルは2つに切れるだけで ほとんどダメージは受けていない。
この辺はルイーネと似ている。そして相手を包み込んで気絶させるのだ。
苦手なものはやっぱり温度変化のようだ。高温の炎や低温の氷魔法などは苦手なようだ。
ヴァルキリー達相手には毒攻撃は使っていない。
「よし!もういいぞ。だいたい分かった。本番ではこれに毒攻撃が加わるわけだな。魔法も毒を使った攻撃をこれに加えるわけだな」
「プミ、そうです」
体の一部が残っていれば俺の魔法で増殖して復活させることができるわけだ。
バイモンさんのようにスパイ活動にも適しているな。
弱点は温度変化だが、これについては 体の一部分をどこかに残しておけば 死んでしまうっていうことはないだろう。
しかし、何か対策はないものかな。 高温の時は体を霧のようにして逃げればいいだろう。
問題は低音の時だな。凍らされたら身動きが出来なくなってしまう。
「凍らされそうになったら体を温めて 対抗するしかないな」
「プミ、私もそう思います」
戦いが終わると丸くなって俺にひっついている。本当に甘えっ子だな。
ネフィちゃんにもひっついている。気を使っているのかな。
さっきアベイルがやっていた魔法を合わせる技をやってみよう。
右手てファイヤーボール、左手でウインドカッター合わせて発射してファイアーボールカッター!かな。
「なるほどこれ面白いな。威力が倍増する」
同じものを合わせる技は既にできるので省略する。
右手からレーザー、左手からサンダー、合わせて発射してレーザーサンダー!
「なるほど。こりゃあ面白い」
「そんなのできるのナオトだけですわ」
「そうかな。属性を持っていれば連続発射するようなもんだからできるだろう」
「私は風ひとつしか持っていませんわ」
「そうっすね。あたいは火しかないっす」
「じゃあ覚えれば」
「どうやって覚えればいいんですの」
「魔法まともにくらえば覚えられるだろう」
「まともにもらったら死んじゃうっすよ」
「じゃあ弱くしてさ。覚えられるかもしれないよ」
「やってみて欲しいっす」
ウィンドカッターを無数に出す。そして俺の魔力で包んでエレンミアに当ててみた。これで大怪我はしないだろう。
「どうだ覚えられたか?風をイメージしてみろ」
「やってみるっす」
ビュー
「で、できたっす!」
「しばらく練習したら技を合わせてみたら?できたら面白いぞ」
「私にもお願いしますわ」
こうして嫁と従者に相性のいい魔法 教えた。ヴァルキリー達も新しい魔法が欲しいと言うので同じようにして 教えてみた。
みんな若くて発想が柔軟なのですぐ覚えてくれた。これは思わぬ戦力アップになったな。
俺はルシファーの国のベルフェゴールの言った言葉を思い出した。
あいつがスパイできたら面倒くさいな。よしポスターを貼って皆に探してもらおう。
ベルフェゴールの顔をイメージする。 そしてそれを魔力を通して紙に転写する。
後は文字を入れないとな。この顔にピンときたら大魔王まで。有力情報には金貨100枚進呈。
こいつはルシファーの犬です。私たちの生活を脅かす極悪人です。みんなでとらえましょう。
後はこれをコピーして国のあちこちに貼ってもらおう。抑止力になるだろう。
待てよ···俺の頭の中に焼き付いてるものだったら、リリンたちのあんな姿やこんな姿もみんなポスターにすることができるじゃないか。
いやこれはやめとこう。ぶっ飛ばされるのがオチだな。
大体の準備が終わったので町へ出てみることにした。
例によって女性版ナオトで散歩する。 女性だからナオトではなくてナオにしよう。
自分の町ながらずいぶん栄えてきている。人通りがかなり多い。
ここは自分の町だから何がどこにあるか分かりきってるので面白くない。
そこで地方の町に行ってみることにした。転移門があるほうに行ってみる。 ここは門ごとに都市とつながっているのだ。
特にあやしくなければ通行料を払いさえすれば誰でも通れるようにしてある。
ノースビーチか。海の近くだったな。 後は特に覚えてないや。とにかく入ってみよう。
さすがに北の海で泳いでる人はいなかったんだが魚釣りを楽しんでいるようだ。
これは面白い。俺も参加してみることにした。釣竿を借りてえさを買ってきた。一体どんな魚が釣れるんだろう。
周りを見ると普通の魚はつり上がっている。じゃあ何でみんなこんなに一生懸命になってるんだ?
何かよっぽどいい商品でもかかってるのかな?
「ねえねえ、おじさん。一体何でこんなに一生懸命にやってるの」
「なんだじょうちゃん。知らねーで参加してるのかい。みんな幻の名魚を釣り上げようとしてるのさ」
「名魚?名魚って何?」
聞いてみると3メートル以上もある藍色の魚なんだそうだ。それがとってもうまくて滅多に手に入らないんだそうだ。
どうしても食べたい領主が賞金をかけてみんなに頼んでいるんだそうだ。
「なんだ。そういうことか」
俺はそんなことはどうでもいいんだ。単に釣りを楽しみたくなった。
さっきまで寝ていたアベイルが目を覚ましたようだ。ずっと俺の肩に乗っていたんだが変身して大きくなる。
「おお起きたかアベイル。今な魚釣りをしてるんだ」
「プミ、ご主人様、魚釣って何」
「この釣竿の先に餌をつけて魚に食べさせてそれを吊り上げるんだ。みんな藍色の魚を狙ってるみたいだぞ」
「私もやりたい。プミ」
やり方を教えて俺の釣竿貸してやる。
俺はまた新しいのを借りてくる。
ここは岸璧になっているけどそんな3メートル以上もあるでっかい魚が寄ってくるとも思えないけどな。
まあこっちは1メートルくらいの魚も釣れたりしてとっても面白かった。
アベイルも魚釣り初参加にしてはなかなか鋭く、大物をたくさん釣り上げていた。
「プミ、ご主人様、私を餌にしてください。その藍色の魚を捕まえてみせますから」
「餌にするって、どうやってやるんだい」
「こうやって」
アベイルは自分の体をちぎって手のひらぐらいの大きさを俺の方によこす。
これをつけろというのか。
「プミ、ただし魔力を込めてくださいね」
「わかった。こうかな?」
「プミ、 もう少しですよ。もう少しで戻ってきますから」
「そんなもんかい」
そう言ってた矢先釣竿にものすごい力がかかる。とてもこれは1人で支えられるような重さじゃない。
俺は魔力を込めて釣竿をコントロールする。そして一気に釣り上げた。
藍色のキラキラした3メートルはある 魚を釣ることができた。
「こりゃすごい」
「すげーなじょうちゃん!これを釣り上げたのか」
「いやー大したもんだ。領主様も喜ぶだろうよ」
「そうか領主にあげちゃうのか。自分で食いたいんだが」
「プミ、そしたらもう1匹捕まえてきますよ」
「できるのかい?」
「プミ、大丈夫です」
5分後やはり4メートルはあるような藍色の魚を釣り上げることができた。
「すごいよ、アベイルは。びっくりしたよ」
1匹はここの村の人たちが釣り上げたということで領主様に献上することにした。
そしてもう1匹はみんなで食べることにした。料理が上手い人がいるそうでそこでご馳走になる事になった。
魚を釣っていた人たちは100人あまりいたけど、みんなに行き渡る分はあると思う他の魚もあるし、よし嫁たちを呼んで食べさせてやろう。
「姿が見えないと思ったらこんなとこにいたんですの」
「この魚はすごく珍しいやつっすよね」
「すごく美味しいのー」
嫁と従者たちも満足してくれたようだ。自分の持ってきた酒を振る舞ってみんなでそこで大宴会になった。




