第88話 首都炎上
ベルゼブブの首都はビッグフライと言うそうだ。確かに大きな都市だ。
中心の高い建物にはおそらくベルゼブブがいるのだろう。周りは住民が住んでいるのか。
周りは3メートルほどの壁で囲われている。各魔王と嫁と従者たちにゴーレムを出してもらう。
1300体のうち1000体は首都の周りに待機させる。もしベルゼブブ軍が来たらここで殲滅するつもりだ。指揮はアイに任せる。
残った300体で首都の高い建物を責めるつもりだ。指揮はルイーネに任せる。
ただし周りに住んでいる住民には手を出さないように言ってある。城壁の外に逃げてきても殺さないように十分注意させる。
俺たちがこの土地を支配する以上は住民を敵にしてはならない。ベルゼブブ軍だけを叩くように言ってある。
簡単に言えば向かってくるものは殺し逃げるものは追うなということだ。
まあ、軍の者かどうかは見れば一目で分かるので大丈夫だろう。
バイモンさんには、もし捕らえられている者がいたら救出するように命じてある。
大体こういう首都には拘束されているものが多いはずだ。残りの者で魔人を倒す。
「ルイーネ、攻撃を開始して」
「はいわかりました。マスター」
攻撃開始とともに4人の魔王達は高い建物に入っていった。
俺達は魔人たちに対応するつもりだ。 一般兵や魔人がすぐに外に出てきた。
ゴーレム達に相手をさせる。魔人は嫁や従者に任せて俺は様子を見ている。
早速魔人が出てきたがエレンミアとシャーロットに切り捨てられていた。
この戦いは1対1の決闘ではないので、今彼女達は2人がかりで1人の魔人に対応している。
1人でも魔人より強いのに2人でかかったらひとたまりもないだろう。あっという間に勝負は終わってしまった。
ネフィちゃんは巨大化して建物を壊し始めた。フレイムちゃんもドラゴンになって炎を吐いている。
リリンも召喚を始めた。
「フェンちゃん、グリちゃん、ケルちゃん攻撃を開始して」
幻獣達のブレス攻撃が始まる。あっという間に中心の建物は炎に包まれた。
「ネルガルよ一体何事だ。ブブブブブブ」
「はいどうやら連合軍が攻めてきたようです」
「計算が狂ったな。連合軍は南から順々に責めのぼってくるのではなかったのか?ブブブブブブ」
「誠に申し訳ありません。まさか一気に首都に来るとは思いませんでした」
「どうするか。あの4人の魔王が来ているのか。いや4人ではなくて6人か。ブブブブブブ」
「多分来ていると思います。敵はゴーレムで攻めてきていますので魔王ナオトは必ず入ってると思います」
「しかしあの者ども全員相手にして勝つのはさすがに難しいな。ブブブブブブブブ」
「ここは一旦引いて他の都市で体勢を立て直してはどうでしょうか。私に考えがあります」
「今魔人はこの首都に何人いる?ブブブブブブ」
「はい15人ほどです」
「それではきついのではないか?さすがのお前でももたんだろう。ブブブブブブ」
「大丈夫です。転移アイテムがあります。ベルゼブブ様が逃げ伸びれば、まだ先はあります」
「そうか、分かった。では頼むぞ。ブブブブブブ」
「はいお任せを」
何人か魔人は出てきたがその後は一般兵ばかりで、あまり歯ごたえがある相手は出てこない。
何か企んでいるのだろうか。4人の魔王達から連絡もない。ベルゼブブとは会えたのだろうか?
「魔王様、魔王ナオト様、こちらバイモンでーす。 収容所を見つけましたー!」
「あー、はいはい、こちらナオト。ご苦労様です。人質は救出したら一ヵ所に集めといてください」
「わかりましたー」
バイモンさんには前にエレンミアたちが使っていた小型のゴーレムも持たせてある。まだ100体はいるはずだ。十分収容所の制圧ぐらいはできるだろう。
収容所の制圧は30分ほど出てきたようだ。中には2000人の者たちが働かされていた。
俺はリリンにここを任せて、バイモンさんが制圧した収容所の方を見に行くことにした。
「俺たちはアマイモン様の部下だ。 ここで戦わせてくれ」
「まあ待て。アマイモンは戦いは嫌いなようだったぞ。西の方で今は他の部下たちと暮らしている。よければそちらへ連れて行こうか」
「何?アマイモン様に会えるのか」
「是非お願いしたい」
結局アマイモンの部下は1000人はいた。さすがに多いので3回に分けて転移で運ぶことにした。
俺はアマイモンが住んでいたあの綺麗な丘を思い浮かべる。そして転移を開始した。
かなり魔力は使ったが全員を丘に運ぶことができた。
「アマイモン久しぶりだね。今日は 君の部下たちを連れてきたよ」
「ど、どうしたんだ。これは?魔王ナオト」
「今故あってベルゼブブの首都を攻めているところだ。収容所を見つけたのでとりあえず君の部下だけ連れてきた」
「おお、みんな不甲斐ない僕を許してくれ」
「何をおっしゃいます。アマイモン様!アマイモン様は最後まで戦ってくださいました」
「そうです!俺たちの為にいつも体を張ってくださいました」
こいつ、やっぱりいい奴だったんだなあ。部下にこんなに慕われて。
「魔王ナオトありがとう。この恩義には恩義で報いさせてもらう。僕たちにできることがあったら何でも言ってくれ」
「ああ、そうしたらベルゼブブの首都は落とせそうだがその他の都市をなんとかしなくちゃいけない。その時になったら手を貸して欲しい」
「わかりました。今から準備をしておきます。多分兵の数はこの者たちを合わせれば4000名にはなると思います」
「それは頼もしい。是非その時はお願いします。いずれ連絡をしますので」
転移でビッグフライまで帰ってくる。 かなり魔力を使ってしまった。
だが魔力に関してはストックがある。宝石の中には俺の魔力が何日分も入っている。まだまだ戦える。
収容所で働かされていた残りの者は 同じ西の小国家群の者たちが多かった。行ったことのない土地もあるのでしばらく待ってもらうことにした。
ベルゼブブはまだ見つからない。ネルガルも見つからない。
いったいどこへ行ってしまったんだ。転移が使えるのか?それならば逃げられたというのはわかるが。
転移能力はないはずだが転移アイテムを持っていたということか。それとも姿を変えて逃げたのか。または地下にまだ潜って隠れているのか。
結局その後数時間探したがベルゼブブとネルガルは見つからなかった。
「転移して逃げたな。そうじゃなきゃ見つかってるはずだ」
「どうやらそのようですね」
「でも首都が制圧できてよかったじゃな〜い」
「ベルゼブブを倒せなければ終わりにならんの」
「うーん。全部の都市を回ってたら一体どれくらい時間がかかるんだ」
「大変だな。人手が足らんな」
「人手ならなんとかなるぞ」
「どういうことだ」
「ここに捕えられていた者たちを解放した。その中にアマイモンの部下がたくさん入っていた」
「あのアマイモンか」
「西を旅してる時に知り合ったんだがなかなかいいやつだぞ。元々奴の土地らしいし手伝ってもらったらどうだ」
「それはそうだが···せっかく俺達だけで攻めたのに分け前が減っちまうなあ」
「しかしこのままだとベルゼブブは見つからないし、ずっと手を焼くのも困るじゃろ」
「分かった。西の連中も加えようか」
「それなら俺の知り合いにもう1人いいのがいるんだが」
「今度は誰だ」
「アンドロマリウスって言うんだ。なかなか使えるぜ」
「あーアンドロマリウスなら知ってるわ〜」
ということでこの2つの勢力を使うことが決定した。ベルゼブブをあぶり出して何とか捕らえたいものだ。
「なあ俺たちはいつまでこんなところで隠れていなきゃならんのだ!」
「奴らが全部なくなるまでだろうぜ。カタカタ」
「死体置き場だぜ。ちくしょう」
「嫌ならすぐ出て行け。そしてやられちまえ。カタカタカタカタ」
「何だと、このやろう!しかし···みじめだ」




