第80話 魔人プルトン
「ウコバクの奴がやられたので俺のところまで出番が回ってきた。カタカタカタカタ」
「あの真っ向勝負バカがやられるとなると相当な手練だな。カタカタ」
「だが気をつけていけばなんとかなるだろう。こちらの数は5000以上だ。カタカタカタカタ」
しかし足取りがないな。全く手がかりがつかめない。部下たちに偵察はさせているのだが。
ゴーストやレイス達を待つしかないか。戻ってきたな。
「何?遺跡の町にそれらしいものたちがいる?うんなるほどな。待ってろよ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
俺達は相変わらず西に向かっている。
「この辺りに町はあるのかい?」
「はい。古代遺跡の町ハヌマーンがありまーす」
「何か特別にあるのかい」
「いえ、遺跡はもう古すぎてただの観光地です。この町も鉱石で成り立っているような町ですね」
「そうか。それだとまたゴーレム作りかな。戦力が多いに越したことはないからな」
町に着くと俺たちは適当な宿を取った。それぞれ午前中は自由行動とした。
もちろん俺とアイとルイーネはゴーレム作りだ。今日も俺は魔力を50万ずつ2人に分けている。
もうほとんど魔力はないが予備の鉱石に閉じ込めた魔力なら50万ずつ10個以上ある。いつ敵が来ても大丈夫だ。
フレイムちゃんは毎日シードラゴンに 訓練に行かせている。勝率も5割を超えてきている。いい傾向だ。
お昼はバイキングとなった。そんなシステムはないから、頼み放題ということだ。
食ってるのはフレイムちゃんばっかりだけど。本人は楽しそうだからいいか。
みんな適当に食って午後からは遺跡を見に行くことにした。
「あれー?何か霧が出てきましたねー。おかしいなあ。特に天気の変化はないんだけどなー」
うん確かにおかしいな。自然現象でこんなに急に霧が出てくるなんてありえない。
「まさか襲撃か?みんな気をつけろ!何か来るかもしれんぞ」
『サーチ』
「俺たちの周りは囲まれた!やはり敵襲だ。数は約5000?5000のアンデッドだ」
「アンデッドは汚いからいやなのー」
「浄化できるのはナオトさんとリリンさんだけですわね」
「そうっすね。あとは力でねじ伏せるだけっすね」
ネフィちゃんは最大限に巨大化して20メートルになっている。フレイムちゃんも竜になった。
アイも5メートルになる。バイモンさんは空から音波攻撃の準備をしている。
エレンミアとシャーロットは自分の武器を構えている。
相手はスケルトン、ゾンビ、グール、 ゴースト、レイス。大体こんなようなものだな。下級のアンデッドが多いな。
どうやら相手はアンデッド使いのようだ。しかし5000体も出せるとなると油断はできんな。
「みんなかかれ!全部叩き潰せ」
「はいなのー」
俺とリリンはハイレーザーをアンデッド軍団に叩き込む。1000体以上が浄化されていった。
みんなも攻撃を開始する。エレンミアは大鎌から炎を出してアンデッドたちを次々と焼いている。
一振りで10体以上は吹っ飛ぶので、ものすごい威力だ。
シャーロットにも同じようなことが言える。2人してどんどんどんどん道を切り開いていっている。
昨日作った巨大ゴーレムも少し使ってみた。なかなかの突進力だ。
フレイムちゃんは炎のブレス対応している。
ネフィちゃんはハンマーで相手を叩き潰している。
アイも本領を発揮した。強い!ただ殴っているだけだが本当に速くて強い。
疲れを知らないからな。あっという間に100体以上分解してしまった。
それはルイーネとて同じだ。トゲトゲで相手をバラバラにしていく。
バイモンさんの音波攻撃もすごい。相手が端からだんだんと崩れていく。これは強力だ!
30分ぐらいで5000体のアンデッド軍団は全滅した。
「さあどうした。もう終わりか?」
すると今度はフィルダーリッチが10体出て来て攻撃を開始した。
「今度はリッチか」
俺とリリンはレーザーで一発で相手を貫いた。エレンミアとシャーロットも 炎と風の攻撃で一瞬で相手は消滅した。
残りはネフィちゃんのハンマーでたたき潰されていた。
「いい加減に出てきたらどうだ。いるのは分かっているぞ」
「カタカタカタカタ。何なんだお前たちは!5000のアンデッド軍団が全滅だとー。カタカタカタカタ」
「いい腹ごなしにはなったよ。俺は魔王ナオト!お前はどこの誰なんだ」
「俺は魔王ベルゼブブ様の部下プルトンだ!弱いウコバクに代わってお前達を倒しにきた。カタカタ」
あーやっぱりウコバクを倒したのは バレてるんだ。誰か見届けた者がいたのか。それともあいつ自身が生きてるのか。
「9対1だぞ。まだやるのか」
「当たり前だ!カタカタ」
「まだやるってさ。どうする?誰が相手する」
「ボス、私にやらせてください」
「うん。わかった。それじゃあアイに任せよう」
プルトンは何か精神攻撃のような魔法を使っているがアイには全く効果がない。
全力で体当たりをして相手は近くの 岩山に叩きつけられた。
「ぐはっ!おのれー。カタカタ」
何やらでかい恐竜のようなゾンビを呼び出した。約10メートルはあるな。
アイは手から剣を出して恐竜ゾンビに切りかかる。切って切って切りまくる。
再生しているようだが間に合わない。 最後はアイの体当たりを食らってバラバラになってしまった。
プルトンは召喚も終わりのようで今度は魔法を使い始めた。しかしアイには全く効果がない。
全部はじかれている。相手にとっての 相性は最悪だな。
「どうだ。もう引いたら?ベルゼブブに伝えよ!これ以上やるんなら戦争だ!魔王ナオトが相手になるとな」
その時アイの体当たりが炸裂してプルトンはバラバラになって飛んで行った。
「ボス!追いますか」
「いや、いいだろう。あれで主人の元に帰って報告するはずだ。もう一度来たら戦争になるけどね。多分来ないと思うよ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「くそ俺ともあろうものがなんてざまだ。ゴーストたち俺の体を集めてこい」
強い!たった9人で5000体のアンデッドを全滅させ俺の切り札も通用しなかった。
魔王ナオトとリリンはほとんど本気を出していなかった。まだ余力があるようだった。
あんなのが攻めてきたら大変だ。ベルゼブブ様に報告だ。
「ベルゼブブ様ただ今戻りました。カタカタ」
「どうしたのだ。その格好は?ボロボロではないか。ブブブブブブ」
「何だお前!偉そうなことを言ってやられてきたじゃないか」
「黙れ!ウコバク」
「なるほどな。お前達がこてんこてんにやられたということはそれだけ強いということだろう。詳しい話は後で報告書にまとめて出しておけ。もう下がって良いぞ。ブブブブブブブブ」
「もう魔王ナオトに手を出すのはやめておけ。ブブブブブブ」
「はい、わかりました。ベルゼブブ様 カタカタ」
「今はアスタロトとの戦いに集中するのだ。ブブブブブブ」
「「ははっ」」
「バーカ。やられやがって。まにゅけ」
「うるさい。カタカタ」




