第76話 不死身のウコバクと錬金術開花
次の日の朝、新しい町にいこうと車を用意していた。しかしそこへベルゼブブ軍の攻撃がまた始まった。
昨日あれだけ叩いておいたのにまた攻めてくるとは何てしつこい連中だ。
ひょっとして何か感づいたかな。ちょっと様子を見てこよう。
「あれは昨日逃げていったウコバクっていう魔人じゃないか?なんかすごい声で怒鳴っているが」
「昨日炎の大岩を降らせたやつ出てこい!このウコバク様が相手をしてやる!出てこーい」
「あはははは···怒ってる怒ってる」
「マスターすごい勢いで怒ってますよ。あの様子だとこっちへ来るんじゃないですか」
「そんな気もするけど。でもあいつ飛べないんじゃない?溝は10メートル以上あるから、なかなかこっちには来れないんじゃないかな」
ウコバク軍は魔法で攻撃をしてくる。 100メートル以内の距離だから魔法なら十分届く。城壁にあたって城壁が崩れ出している。
一番溝の狭いところで10メートルぐらいだ。そこのあたりから集中攻撃が来る。
よし俺たちの旅行の邪魔をしやがって思い知らせてやる。
「この城壁の影から攻撃するから俺がやったとはわからんだろう。あーでもやはり魔法はまずいか」
やっぱり昨日の手で行くしかないか。俺は女に変身する。そして炎の大岩を30ほど降らせてやった。
ウコバク軍は散り散りになって、すっ飛んで逃げていった。しかしウコバクはまだ頑張っている。
「くそう!でてこい!影からしか攻撃できんのかー」
「あいつあんなこと言ってるっすよ。ここはあたいが出てやっつけでやるっすよ」
「いやちょっと待って。俺達がリリスの軍の関係者だってわかるとまずいんじゃないの。ベルゼブブ軍とルシファー軍の2つの国と戦うことになるかも。それはちょっと面倒だな」
「やはりここは誰がやったかわからんようにしないと」
「ほら出てこい卑怯者!」
「もう我慢できないっす」
「どうしても行くのかい。しようがないなあ。じゃあこの仮面をつけてって。エレンミアでいいかい?みんな」
「いいえ、私が行きますわ」
「シャーロット、風と炎じゃちょっと相性が悪いよ」
「相性なんて関係ありませんわ。必ず倒してみせますわ!」
シャーロットの勢いに押されてエレンミアは勝負を彼女に譲ってしまった。
「お前があの炎の大岩を降らせたやつか」
「いいえ。違いますわ」
ウコバクは10メートルの溝を一気にジャンプしてこちらに飛んできた。
「俺はベルゼブブ軍の魔人ウコバクだ。お前を倒せばお前の仲間が出てくるわけだな」
「そんなことにはなりません。あなたはここで終わりですわ」
お互いに剣を抜く。ウコバクは赤い髪の2メートルぐらいの魔人で体の周りから炎が出ている。
シャーロットはいつもの大剣を構えている。シャーロットが剣を振るうごとにウィンドカッターがいくつも飛び出す。
ウコバクはそれを巧みにかわして炎の塊を打ち込んでくる。
シャーロットはそれを剣で切ったりかわしたりしている。合間に短剣をいくつか投げるがほとんど当たらない。
だんだん近づきお互いの周りで斬り合うようになる。剣技ではシャーロットの方が上のようで少しずつウコバクは押され始めていた。
10分ぐらい切りあっただろうか。完全にウコバクの方が押されていた。
そしてシャーロットの一つの太刀が決まる。ウコバクは右肩から胸にかけて大きな傷を作り片膝をついている。
すかさずシャーロットの横なぎのウィンドカッターが無数に飛んでくる。どうやら勝負はついたようだ。ウコバクは完全に動きが止まった。
「くそ、この俺が遅れをとるとは。だが1人では死なん。貴様も道連れだ」
ウコバクは自分の身の回りの炎を最大限にして次の瞬間大爆発させた。
これには俺も驚いた。まさか自爆するとは。
「シャーロット、大丈夫か?」
シャーロットは大剣でとっさに爆風を防いでいた。細かい傷はあるが大きな怪我はないようだ。すぐにエクストラヒールをかける。
「お疲れ様。無事で良かった。もう次の町に行こう」
俺たちは城壁付近から車のあったところまで転移した。
ウコバクはバラバラに吹っ飛んで燃えていたが、それがだんだん一つの所に集まり始めていた。
そしてひとかたまりになる。ひとかたまりになって子ども位の人間の形になっていた。
「くちょー、ましゃか俺が負けるとは···あいつら一体何者だ···今は休養ちないと···覚えてろよ。ちくちょうめ···」
フレイムちゃんをシードラゴンのヴァルキリー隊に預け俺たちは車で北上して次の町に向かっている。
「バイモンさん次の町は何て言うの?」
「地図によるとオーレという鉱石が多く取れる町でーす」
「鉱石か。それはちょうどいいな。錬金術の練習になる」
俺はルームでザガンさんと錬金術の練習を始めた。ザガンさんも俺と同じような能力があるようだ。
精神を集中させて水をワインに変えるころからやってみる。液体を液体に変えるからさほど難しくはないと思う。
ワインは飲んだことあるし大好きだし イメージはしっかり出来ている。
うんできる···できるぞ。魔力を通しながら自分の気持ちも通していく。おおできた!
「あなたさすがですね。やはりすぐできましたね」
次はこの鉄から金を作ってみる。金属から金属ならなんとかなるはずだ。
俺は精神を集中させる。金のイメージもあるから大丈夫。どうだ、どうだ、どうだ!よしこれもできる。見事な金の塊ができた。
「あれ、でもザガンさんは水ら金を作っていたよね」
「コツさえつかめば簡単ね。君ならできるね」
液体を固体にするイメージが浮かばない。まず水から鉄を作れるかどうかだな。やってみよう。
鉄のイメージ、鉄のイメージ、なんかできそうだ。水をまず鉄に変えて、そして硬くしていく。この順番だな。
よしこれもできた。次は水から金を作る。まず水を金に変える。そして硬くしていく。うんこれもできた!
「やっぱり君はすごいね。できたね。 後はアレンジしていけばいいだけだから自分で研究してみてね」
「あ、はい、ありがとうございます」
「ナオトさん。オーレの町につきましたよー」
「それじゃあ私はここでおいとまするね」
「ああ、ザガンさん。ストレイジを持っている?」
「小さいものならあるね」
「それなら、これは私が作ったものなんだけど使ってください」
「これはすごいね。ありがとう。使わせてもらうね」
ザガンさんは街中に消えていった。
みんなは早速宿を探し始めた。適当なのを見つけたので一泊契約した。
私はルームに入って早速覚えたばかりの錬金術を磨くことにした。
これなら宝石の類も作れると思う。まずはダイヤモンドを作ってみよう。前に炭からダイヤを作ったことがあったが今度は水からダイヤを作る。
これも前と同じだ。できたぞ! 大きな拳ことのダイヤモンドがゴロゴロゴロゴロたくさんできた。よーし他の宝石も作ってみよう。
しばらくするとルームは宝石でいっぱいになっていた。




