第73話 女魔王の宝石作り
イメージすれば出来てしまうから恐ろしい。男から女になってしまった。
今の精神状態では、ちょっと戻れないらしい。まあそれならそれでいいか。
ちょっと格好が変わっただけで···もないな。かなり変わったな。
服はぶかぶかだ。なんか尻の周りはきつくなったような気がする。胸の周りもだ。
「ナオト、ナオトー!女の子になったんだから着替えるのー」
「いいよ面倒くさい」
「ダメなのー。もっと可愛い服を着るのー」
「マスター手伝いますよ」
「いやいい!」
「きゃー、おさえるのー!」
みんなが無理やり抑えるもんだから 結局は裸にひん剥かれてしまった。
ちょっと恥ずかしいかも。何が恥ずかしいって、あれがないあれが。代わりに違うものがついてるし。
下着をつけさせられ可愛いリボンのいっぱいついた服を着せられた。
「似合うっすよ」
「本当ですわ。とっても可愛いですわ」
「あはん。魔王様ステキ〜」
「すごーい!本当にかわいいわー」
「もう女でいいんじゃねえのか」
恥ずかしい。とっても恥ずかしい。顔が熱い!体に心が引っ張られてるようだ!
「今日はどういう予定なんだ?」
「東へ向かってるっす。近くにまた大きな町があるので、そこで一泊するつもりっす」
着いたのはサウスオーアという町だった。
ちょっと小高い所にある町で鉱石宝石の取引が主なにぎやかな所だった。
女の子はみんな宝石が大好きだ。リリン達も早速見に行こうと言っている。
「まず宿を取りたいんで俺とルイーネで宿を探してみる。見つかったらあれで連絡するから」
「わかったのー」
「それじゃあ、ちょっと見に行ってきますわ」
嫁たち3人と従者の3人、計6人は宝石を見に行ってしまった。
「マスター今は女の子なんですから俺じゃダメですよ。私がいいんじゃないですか」
「私ねー」
歩いているだけでいろんな奴から見られる。みんなが好奇の目で見てくる。
うわー鬱陶しい。なるほどなこれ男に戻った時にも気をつけないと。
「ようようお姉ちゃん達この先にいい宝石があるぜ。一緒に見に行かないか」
ナンパかよ。めんどくせーな。
「あー、いえ結構です。今、宿を探してる途中なので」
大通りに大きめの落ち着けそうな宿を見つけたのでそこを手配することにした。
ここに来るまでに10回ぐらい声をかけられた。
「ルイーネ。なぜみんなこんなに声をかけてくるんだ」
「そりゃそうですよ。マスターとっても可愛いですから」
「ほんとかよ」
「私たちも宝石を見に行ってみるか」
「そうですね。おっとその前にリリン様に連絡をしておきます」
俺たちは2人でかなり大きめの宝石店に入ってみる。品揃えは良い方のようだ。
「おう結構いい原石があるじゃないか。これならいいものができそうだな」
「そうですねマスター」
「お客さん達、錬金術師かい?どうだい!いい鉱石だろう。まだまだたくさんある。買っていかないかい」
「うん。いいね。いくつかもらおう」
俺の原石を100個ばかり買った。種類は色々で7種類か8種類はあるようだ。値段もそこそこでお買い得だ。
「ちょっと細工をしたいんで部屋を貸してくれない?」
「ああいいですよ。わきに小部屋があるんで使ってください」
「こんなひらひらしたドレスじゃ仕事はできないな。着替えよう」
ルイーネから作業服を出してもらう。
「なんだいこりゃ。ズボンにはなったけど、これいもなんか飾りがたくさんついてるじゃないか。本当に作業服なのか?」
「私が今日のために作っておいた作業着です。どうぞ着てくださいマスター」
「···いつ作ったの?」
俺とルイーネはふたりでこの小部屋で作業を始めた。原石を磨いてまずはカットをしている。
もう頭にやりたいことは入っているので後は魔法をかけるだけで簡単だ。
石と台座、他の物との組み合わせも考える。
彼女の頭の中にも地球での情報がたくさん入っているのでアイデアには事欠かない。
地球で出しても一級品なものができた。これはなかなかいいな。後で嫁たちにもひとつずつやろう。
「それはすごい品ですね!ちょっと見せていただけませんか!失礼しました。私はこの店の店主でソネリオンと言います」
「ああ、はいどうぞ」
このソネリオンという店主とってもノッポさんだ。ひょろひょろした感じだ。なんかちょっと邪悪な感じもするが、まあそんなに俺に対して害意はないようだ。
「ぜひこの何点かあるセット物を売っていただきたいのです。これほどのものは見たことがありません!」
「あーそう?別に売っても構わないけど、どうすんだい」
「店先に並べてみんなに見てもらうんです。とても良いものですので」
「ディスプレイ用か。構わないよ」
「ちょうどできた冠とティアラとネックレスのセットがある。腕輪と指輪なんかもつけてこの人形の模型につけて飾ればなかなか見栄えが良くなるよ」
「おおおーー!素晴らしい!」
気に入ったのはわかるが随分高い値で買ってくれた。こちらとしては文句はないのだが···不思議なやつだ。
リリン達と合流して宿ヘ入った。みんなやっぱり宝石の原石を買ってきたみたいだ。俺に何か作ってもらおうと思ってるんだろう。もう作ってあるけどね。
「ナオトーお風呂へ行こうよ。大きいのがあったよ」
「そうか。それじゃあ行ってみよう」
途中から俺一人になってしまった。あれいつも通りに男湯に来てしまった。
「孃ちゃんここは男湯だぜ?いいのかい」
「ああ失礼」
かといって女湯に行くのもなぜか抵抗がある。今は女の身なのだが···
風呂の前でもじもじしているとリリンが素っ裸で迎えに来た。
「もう何やってんのナオトー早く来るのー」
なぜか犯罪者の気分だ。特に犯罪ではないのだが。いやむしろこの魔国で魔王でこんな事したって別にどうということもないのだが。
しかしうちの子たちはみんないい体してるね。ルイーネは子供だけど。
次の日もう1日ここに滞在することにした。みんなに要望のものを作ってあげるためだ。
昨日のお店に作業場を借りに行ってみると、たくさんの人で店の前はごった返していた。そして、なんと店主は太っていた。
「店主さんどうしたの?急に太ったみたいだけど」
「いやーあなたのおかげで、たくさんの人が集まりましてね。みんなそれはもう羨ましがって」
「人が羨ましがると何であなたが太るんですか」
「私はね。人が羨む気持ちを食べてエネルギーにして大きくなれるんですよ」
「はー、それは珍しいですね」
「はい!あなたとは今後も是非仲良くしていきたいですね。今日はどうされましたか」
「もう半日ばかりをこの作業場を貸して欲しいんだけど」
「いいですとも。どうぞどうぞ使ってください」
よしこれで全員分できたぞ。そろそろいいだろう···帰るかな。
「この女だぜ。表にある宝石を作ったのは」
「よし連れ出せ」
「なんだ?」
などと言ってる間に袋に被せられてぐるぐる巻きにされて連れて行かれてしまった。
しばらくして、どこかに降ろされた俺は袋から出される。
「おい、錬金術師!俺達の為に宝石を作れ!」
「何で?」
「お前!自分の立場がわかっているのか?お前に仲間がいることはわかっている。今頃宿では大変なことになってるぞ」
「リリンたちを襲ったのか?かわいそうに」
「悪いがお前達には付き合ってられん 俺は帰らせてもらうよ」
サンダーを連発して適当に気絶させて転移で帰ってきた。
案の定、宿の前にも男たちのが山のようになって倒れていた。
「さて宝石もできたし次の街にいこうか」
「わかったのー」




