第5話 魔法
気が付くと山の頂上にいた。後ろを見ると 魔国領が見えるのでこの先が人族領か。
下を見ると森の中に大きな生き物がひしめき合っている。体長はどう見ても5メートルはあるかな。
一つ目巨人や大蜘蛛、ツノのある鬼や翼竜が飛んでいる。何あれ?ほとんど怪獣じゃない?
「あんのクソリリスー!こんなとこに送りやがってー!!」
なんとかここを突破して人間のいるところに行かねばならないが今の力では無理がある。
俺はとりあえず拠点となる場所と食べ物を求めて山を下って行った。
足速えー、やはり相当強化されているな。
でかいやつはやり過ごしひたすら走る。 もちろん気配は消して気付かれないようにして、こそこそこそこそ走っている。
1日かけてでかい魔物がいないあたりまで進むことができた。
「はー疲れた。あれ、でっかいうさぎだな」
腹が減ったので1メートルはある巨大な角ウサギを剣で倒すことにした。
やれるかな?それにしても食えるのかな?よーくうさぎを見る。すると目の前に情報が日本語で浮かんでくる。
鑑定 ビッグホーンラビットレベル12
武器は頭の角、肉は柔らかく美味
「へ~、これは便利だね。これが魔法『鑑定』か」
剣を抜いてうさぎに切りかかったら 難なく倒せた。やっぱり俺速くなってるなー。
リリスが魔法はイメージが大切だと言っていた。
火があるといいのだが、集中して炎をイメージすると手のひらから炎が出た。
「これも魔法!」
血抜きをして皮をはぎ炎であぶって兎を食べる。
「肉は食えるが塩気がないなあ。どこかに塩はないかな?塩を探せ? う〜ん?あるぞ!あの岩肌が岩塩だ」
これは便利だな。何があるのかわかる魔法か。『サーチ』だな。早速岩塩を採取した。
水が欲しい。俺は綺麗な水をイメージして集中する。すると指先から水がチョロチョロ出る。
「何か器が欲しいな」
近くの土に手をかざし集中する。固いお椀ができた。表面をツルツルにする。色々使えるもんだな。
「しかし、こんなには食えんな。とっておきたいものだな。確かリリスは空間から何か取り出してたな」
「空間て開けるの? おっ!開いた。すげーなこれ。保存ができるかな。 時間はストップしてるといいな。入り口を固定しよう。この皮袋でいいか。うわこれは疲れるな。無理があるのか」『ストレイジ』だな。
ツタを風の刃で切る。近くにある巨木の枝につたのロープでハンモックを作る。
木の周り100メートルに魔除けの膜を張る『バリアー』かな。
「ああ疲れた。魔法は便利だけど疲れるなあ」
そして俺はぐっすりと眠るのだった。