第58話 家の様子と帝国侵攻
捕虜と奴隷を連れてリリスの城に着いた。合計で700人の大人数だ。
「おお、ナオト無事か?」
「ああ、大丈夫だ。相手がリリンの幻獣にビビって引いたんだ」
「うむ。それはよかった」
「おとしまえに捕虜と奴隷を連れて来た。明日からでも故郷に帰してやってくれ」
「何?すると、もしかして」
「どうしたんだリリス?血相を変えて」
リリスは外に走って行ってしまった。 誰か知り合いでもいるのだろうか。俺も外に出てみる。
「エウリュアレー!久しいのお」
「おおリリスかー!」
「そっちはネフィか?大きくなったのう!」
「リリスちゃまー!」
「誰なんだい?」
「前に連れて行かれたメデューサの姉とアザゼルの娘だ」
「はー、そうか魔王たちの親族が入ってたのか。それは分からなかった。よかったなあ」
「2人とも喜ぶぞ」
捕虜や奴隷たちは各魔王にリリスが 連絡を取って明日から順次引き取ってもらうそうだ。
俺はリリンとルイーネと共にシードラゴンに帰ってきた。
「まあこれで当分は静かになるだろう。自分の国を良くしていかねば。明日は家へ戻ってみるか」
次の朝みんなを連れて人族領の自宅へ帰ってみる。バイモンが増えたから全部で5人だ。
自宅の方はシルキーさんが綺麗にしてくれてるので、いつもと変わりがない。建物はブラウニーたちが綺麗にしてくれている。
周りの部屋は子供たちがたくさんいるのでとても賑やかになっている。
食堂も空き部屋もケットシー達が管理していて子供たちのためにいろんなことをしてくれている。
孤児院の方が軌道に乗ったと言うべきか。まるで何かの学校のようだ。
家の孤児たちは総数が約1300人になっていた。ケットシー達が拾ってくるようだ。預けに来るものもいる。
男の子が約400人、女の子が900人いる。年齢が上がれば上がるほど女の子が多くなっている。
これも男の方は手段を選ばず生きていく力があるということか。
人種も人間だけでなく獣人もいる。
11歳から12歳は約300人。9歳から10歳は約300人。6歳から8歳が300人。3歳から5歳は200人。2歳から下は200人という内訳になっている。
5歳まではある程度の教育はするが自由に過ごさせている。6歳からは本格的に文字を習わせたり算数を教えたりしている。
職業の適性を見る時期でもあるので色々なことを体験させている。
10歳で大体のものが職業を決めて修行する。13歳で一人立ちでできるようにしている。
まだ始まったばかりだから年上の者たちは成果が出るまではここに置くつもりだ。
本当にケットシーは優秀だ。この施設の名前はエレンミア養成学校にした。
子供達が力をつけて一人前になるための学校だ。
俺が冒険者をやっているせいか冒険者希望は結構多い。なるべく長生きしてほしいのでどの職も厳しく教えている。
お金はたくさんあるのだ。宝石店と商会の売り上げが毎日入ってくる。商品の補充はルイーネが主に行なっている。
だから孤児院を経営するのにも特に 心配はいらない。
果物や穀類についてはほとんど自給自足しているので買う必要がない。
強いて言えば肉や魚だな。これについては仕入れをしている。
エレンミアの希望はほぼかなったようなもんだ。
リリンもこちらに来た時は幻獣達と楽しく遊んでいる。これはやらねばならない神聖な行事のようだ。
シャーロットは自分の修行もしているが子供達に剣を教えたり魔国に行った時は親衛隊に剣を教えたりしている。
ルイーネは午前中は宝石店の方に顔を出すが午後からは俺と一緒に仕事をすることが多い。
もうみんなの願いは叶ってるじゃないか。
俺は家や周りの村を回ってバイモンに見せることにした。
「家の中はさっき見たからわかったでしょう。エレンミアがやってる孤児院になっている」
「すごいですねー」
「外じゃリリンか幻獣達と遊んでいる」
「こ、これもすごいですねー。よそじゃ絶対見られません」
「この先はケットシーの村になっている。300人ぐらいが住んでるんだけど みんな家に来て働いている。もちろん給料も払ってるよ」
「本当にすごいです。うまく機能してますねー」
「この先は妖精たちが住んでいる。 君は親戚みたいなもんだろ?行ってみるかい」
「はい是非お願いします」
妖精たちは森の中に家を作っていた。 森の中を自由に飛び回って楽しく遊んでいる。
「あっ、ナオトだー」
「ナオト、ナオトー遊ぼーよー」
「今日は君たちにお友達を連れてきたんだよ。バイモンていうんだ。よろしくね」
「わーいバイモン」
「バイモンよろしくねー」
「バイモン女王様みたい」
「本当だ女王様だ」
「女王様じゃないんだけどねー。よろしくねー。みんな」
バイモンはここが気に入ったようで、ずいぶん長い間みんなと親しげに話をしていた。
「ここが気に入ったみたいだね。いつでも好きな時に来て過ごしていいんだよ」
「本当ですか?ありがとう。嬉しいです」
「君も好きなことを見つけてやってみるといいよ」
「はい。考えてみまーす」
ウインディーネとドリアードにも会いに行った。
「ナオト。魔力ちょうだい」
「ナオトさん。魔力くださいな」
「ああいいよ」
ふたりは俺からたらふく魔力を吸い取ってホクホク顔で帰っていった。
俺の方は吸われたと言っても5万ずつぐらいなので全然平気だ。
「精霊が住んでるんですねー。やっぱりここはすごい所だわ。でもいいところみたいねー。みんな生き生きしてるし。私もここに住みたいな」
「構わないさ。一緒に住もう。部屋もまだ余ってるし。好きに過ごしたらいいよ」
「ありがとう」
「ナオト様ー!大変ニャー」
「はあはあ···また帝国が攻めて来たニャー。今ジュース領のホールドアウト公爵が対応しているけど苦戦しているニャー。応援要請が来たニャー!」
「また帝国が? しかしどういうことだ。この間あれだけ痛めつけたのに。まだ半年も経ってないぞ。みんなにも声をかけてくれ」




