第48話 バルバトスと女たち
「サタナキア様!アモン様が打たれました。部隊は全滅とのことです」
「なんですって!プルフラスに続いてアモンも?いったい相手は誰なのよー」
「わかりません。魔王リリスの手の者のようですが」
「おのれ、あの蛇女ー」
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戦いが2時間ほどで終了したのでリリスの元に転移した。こちらは魔将軍サタナキアとにらめっこのようだ。
「よー、リリス」
「なんじゃナオト···もしかして···もう倒したのか?!すごいな」
「なかなか固かったがな。なんで攻めないんだ?」
「やつは女を操るのが得意なのじゃ。迂闊には近づけん。虜にされたやつがもう100人以上はいる」
「そんなのがいるのか?うらやましいな」
「ふん」
「お伝えします。バルバトスに副将のココ様が撃たれました」
「何!死んだのか」
「いえ命は取り留めましたが左足と右胸を矢で貫かれて重傷です」
リリスはすぐに転移をしようとするが それを俺は止めた。
「総大将がいなくなっては指揮に関わるだろう。ここは俺が行って治してくる」
「そうか···すまぬな」
リリスの前線の野営地まで転移する。
茶色の髪のスマートな女の子が血まみれで横たわっていた。手当てはしてあるようだが状態は良くない。
すぐにエクストラヒールをかける。 欠損はないが胸がかなりやられている。エクストラヒールを強めにかけて集中していく。折れた骨がだんだん治っていく。
「ふー、これでだいじょうぶだ。少し魔力をやっておくか」
「う、うーん···あなたは···ナオト···治療してくれたの。ありがとう」
「気にするな。今はゆっくり休め」
「はい」
魔族に良い医者はいないのか。どこも手いっぱいってとこか。
リリスたちはお互いの身内を何人かずつ交換しているそうだ。裏切り防止の人質みたいなもんかな。
12人の子供のうち2人ずつそれぞれの魔王のところに置いている。
この間エキドナのとこにいたキキは今はリリスのもとにいるが代わりに他の者が行っているようだ。
結構気を使って大変だな。嫁たちは3人とも疲れたようで休んでいた。
「ルイーネ、様子はどうだ」
「はい相変わらずのにらめっこです。両軍とも一歩も動きません」
「そうか」
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「プルフラスもアモンもやられた。もうちまちまやってたらじり貧よ。そこで戦力を集中して一気にリリスを叩く!兵の数はまだいるから···これしかないわ」
「むうーーーん!お待ちくださいサタナキア様。あの者たちを使って攻めてみてはどうでしょうか。このバルバトス必ずや敵を陥れてみせます。んーーーん」
「そ、そう。大丈夫かしら···試す価値はありそうね。やってみなさい」
「んーー、分かりました。んーーー」
うん···戦力集中の時間稼ぎくらいにはなるかしら。
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「マスター敵が動きました」
確かに敵が動いた。
「あれは何だ?」
先頭は裸の女たちだ。みんな弓や槍や剣を持っている。なんだ100人以上いるぞ。その後ろに敵が300人ぐらい続いている。
「あれはサタナキアに虜にされたものたちじゃ」
「虜?」
「そうじゃ。だからサタナキアの言うことは何でも聞く。死んでも惜しくない者たちだから裸で先頭に出したのだろう」
「うーん。なかなかえぐい手を使うな」
「全員同族じゃ。なかなか手は出せんじゃろう。さてどうするか」
「俺に任せてくれんか」
「あやつられた者を全部殺すのか」
「いやいや、そんなことはしないよ。 全員助けてみせるよ」
「リリン!幻獣たちを後ろに並べて何時でもブレスを打てるようにしておいてくれ」
「わかったの」
「でもどうするんすか?」
「任せておけ」
俺は一人で戦場へ向かう。すると四方八方から矢が飛んでくる。バリアーで 防ぐ。敵の後ろの方から声がしてきた。
「んーーー。私はサタナキア様の側近のバルバトスだ。さあどこからでも打ってこい。んーーー」
「じゃあ行くぞ」
俺は自分の魔力をサンダーに乗せて彼女たちに送り込んだ。みんなバタバタと倒れていく。そしてバリアーを張った。
「よし、いいぞ、リリン!ブレスで攻撃しろ」
「うてーーー!なの」
俺の後ろの敵にブレスが集中する。あちこちで大爆発が起こる。敵の兵士が空中に舞い上がって吹っ飛んでいた。
ブレスの一斉射撃が終わった時、敵は散り散りに逃げ始めていた。彼女たちの前面にバリアーを張る。
そしてサンダーを弱ーくして、みんなに浴びせる。彼女たちの意識が戻った。
「みんな大丈夫か?大丈夫なら味方の陣地まで走れ!」
「素敵ー」
「あなたと共にー」
「抱いてー」
「えっ?正気になったんじゃないの?」
俺は裸の女達数十人に揉みくちゃにされていた。
「ナオトのバカー!!」
「さすがムコ殿じゃ。なかなかやるの」
どうやらサタナキアの支配からは解かれたようだが、それが俺に変わっただけだったようだ。




