第39話 日常運転
「皆さん良いですか。私が皆さんの教育係を任されたルイーネです」
「サワタリ宝石店のスタッフとして皆さんはマスターのために頑張らなければなりません」
「商会の権威を保ち信用される行動を取り熱意をもって仕事にあたりましょう」
「お客様が何を求めているのか。どんなことで困っているのかが分からなければなりません」
「お客様に宝石をつけていただいて、そのその良さをイメージさせることも大切です」
「一人一人の悩みや欲求を理解してこそ、よき商売ができるのです。さあ皆さん頑張りましょう」
「「「「はい」」」」
「それでは私がお客になりますのでアルファから売ってみてください」
「わかりました」
「アルファの次はベータ、ガンマ、デルタ、イプシロンの順でやってみてください。データとイータとシータとイオタとラムダは商品を並べてください」
「わかりました」
「ねえねえイオタちゃん、このダイヤモンドっていうのすごく綺麗だね。一個もらえないかな」
「何言ってんのラムダちゃん、そんなことしたらマスターに怒られるよ!」
「2人とも無駄口叩いてないでどんどん商品に並べなさいよ」
「シータちゃんは欲しくないの」
「そりゃ欲しいけど、その前にルイーネお姉さまに怒られるわ」
「でも頑張ったら1個もらえるかもね」
「イータちゃん、そう思わない?」
「ゼータちゃん。こんなでっかいのもらえるわけないじゃない」
「そうかな?」
「さすがはマスターの魔力ですね。 ある程度は物が考えられるようになっています。これは頑張って教えて行かねば」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
俺は3日経ったので王都に行って店長募集の様子を見てくる。全く応募がなかった。
「いやー困ったな。どうしよう」
店員は揃ったんだが店長がおらん。自分でやるわけにもいかんし。そうだ!いいのがいた。ルイーネにやらせよう。あの子ならなんとかなるだろう。
募集を取り消しにして転移でチップスに帰る。
「ルイーネ、お前宝石店の店長やらんか?」
「え!私がですか?」
「そうだ。お前しかおらんだろう。お前ならできる!ちょうど妹たちも10人いるし」
「やってみろ」
「あ、はい、わかりました。期待に応えてみせます」
王との謁見までまだ10日もある。俺は魔物狩りをしてレベルを上げることにした。もちろんリリンとエレンミアとシャーロットも連れて行く。
ルイーネにはお店を任せるので、残ってもらう。
いつも魔物の森ではAクラスの魔物を狩るのだが、今回はもうちょっと魔国よりに進んでSに近いAクラスモンスターを狩ることにした。
さすがにこの辺の魔物は同じAクラスでもなかなか骨がある。サンダーストームを5、6発当てないと倒れてくれない。
これはなかなかいい修行になるぞ。シャーロットがへえへえ言っていたが、まあ、なんとか慣れてきたようだ。
増えたストレイジの魔物を処分したいのだが全部は捌けない。順番にある程度、少しずつ売っていくしかない。
あーそうか。王都のギルドに持っていけば売れるかな。
「リリン。今日は王都の冒険者ギルドに行ってみよう」
「わかったの」
やはり王都のギルドの方が需要が多いようだ。今度からはリリンに2人を連れて来させて、こちらで魔物を売りさばこう。
そうだ、謁見前に服を新調しておくか。ルイーネも呼んで4人を連れて高級服店に入る。
ドレスを2着ずつ作らせる。俺も新しいのを作っとくか。よし、これで謁見の準備はできた。
細かい作法とかはギルドマスターに聞いておくか。
商会に帰ってきて子供たちを奴隷から解放する。
この間戦争に勝ってお祝いだと言って子供達に金貨をあげた。
そしたら自分を買い戻したいという子がほとんどだった。だから今日は全員を奴隷から解放しようと思う。
「これでよしと。みんな今日からは 一般市民。給料もこれまでのものとは変えていく。1月に1人金貨1枚だ」
「え、そんなにですか!」
「そうだ。お前たちはもうサワタリ商会の貴重な従業員だ。これくらいもらって当然だろ」
「ありがとうございます」
「あー、そうだ自立してどっか他で働きたいっていう人がいたら言ってくれ止めはしないぞ。自由にしていい」
「いいえ、そんなことは考えていません!」
「そうか?ではこれまで通り頑張ってくれ」
「「「「はい!!!」」」」
みんな尊敬に満ちた熱い眼差しで俺を見てくる。
うん。みんなが幸せになるんだ。いいことだ。
こんなことをやってるうちに謁見の前日になった。
商会の3階は俺たちの家になっている。部屋は7つあって1人1部屋ずつ使っているがまだ空きがある。
リリンは俺が寝ていると朝には一緒のベッドにもぐりこんで来る。
「リリンもう起きろよ朝だぞ」
「うう~ん、にゃおと~、だ〜いちゅき〜」
「はうー、リリンどこ触ってんだよ。もう」
「今日は王都へ行く日だぞ」
身支度を整え用意をした俺たちは王都に転移した。




