第3話 魔王リリス
とても逃げられそうにない。片手剣を抜いて全力で踏み込むがリリスは全く動かない。片手で剣を弾いてくる。 何か壁のようなものがあり体には当たらない。
「ガンガン! ガンガンガン!! 」
10回以上攻撃したが全く当たらない。
くっそー丸腰なのに なんて強さだ。 まるで鉄壁だな。 剣速を増しても簡単に返される。スピードに耐えきれなくなった剣がバキッと折れた。
俺はリリスの手とうをかいくぐり鳩尾に拳を当てた。 いやガードされている。 しかしリリスを3メートルほど後退させた。
「ほうなかなかやるではないか。これではどうじゃ」
リリースの右手の人差し指から雷がほとばしる。 バチバチバチバチ
「うあー!」
俺はその場でばったり倒れ動けなくなった。
「ぐぞ〜 体が痺れて動けね〜」
「まだ生きておるのか 面白いやつじゃのう。 ふーん、 魔法は使えないようじゃな。いや魔力はあるのか? う〜ん、どうじゃ妾に使えんか」
「い〜や〜だ〜帰る〜」
「なんじゃとー!力を授けてやると言っておるのじゃ。ほれほーれ」
リリスは俺の体をくすぐってきた。
「あははははー!待ってー!クハハハハー!待ってー! だははーー!! わかりましたーーー!!!」
「最初からそう言えばいいのじゃ。 それじゃあ···」 そう言ってリリスは空間から白く光るソフトボール位の球体を取り出す。
「何これ?」
「これはきっかけじゃ。これで魔法も使えるようになるじゃろ。おっとそうだ!お主面白いのでこの腕輪をやろう。ちょっと血をもらうぞ」
「うぐー勝手に決めないでよー」
俺の左手の小指の先を切って腕輪に血を垂らす。リリスも同じことをする。
「一体何のおまじない?」
「ふふふ···今にわかる。妾達は今別の魔王と戦っておる。それで戦力を求めておる」
「魔王が二人もいてまだ足りないのかい」
「あちらの方が戦力が上じゃからの。 まあ妾もいつまでここにいるかはわからんがな。今はまだいい。何年か先、もう少し強くなったら手を貸せ」
「俺なんて役に立つの?」
「今はまだまだじゃの。しかし修行すれば強くなる」
「本当ですか?」
俺そんなに強いのかね? まあここで死ぬよりはましかな。確かにコロシアムでは戦えてたからな。
「強くなったら自分の国に帰れますかね?」
「なんとかなるじゃろ。お主の魔力次第さ」