第37話 掃討戦と報奨金
戦いは1日で大勢が決したが、逃げた帝国兵を掃討する掃討戦がその日のうちから開始された。
これには俺も関係者も参加した。『サーチ』を使って帝国兵を見つけ出す。
チップス領にもまだいるようだ。おそらくケガをして動けないものたちだろう。
最初5人のようだ。洞窟に隠れているので投降を呼びかける。
「いるのは分かっているぞ。投降するなら命の保証はしよう。降伏しろ」
「わ、分かった。降伏する」
「よし、武器を捨てて出てこい。ゆっくりだぞ」
やはりほとんどのものが怪我をしている。満足に動けないようだ。
最低限の治療だけしてしばって後はゴーレム達に連行させる。
次だな。次もまたチップス領で結構いるな。今度は河原に潜んでいるようだ。
同じく投降を呼びかける。まあここら辺に残ってるのは怪我人だろうから、あまり向かいもしてこんだろう。
同じような要領でチップス領内をまずしらみつぶしに探す。これでもうほとんどいないはずだ。
騎士団の連中は先にジュース国の方へ向かった。俺達も明日になったらジュース国へ入る予定だ。
「みんなお疲れさん。大丈夫だったか」
「はい大丈夫ですわ」
「ほとんど手向かいはされなかったっす」
「マスター完璧に掃討してきました」
「リリンも頑張ったのー」
「あー、ご苦労様。飯にしようぜ」
「しかし戦場だっていうのに豪華なご飯ですね」
「まあいいじゃないの」
「そうっすね」
「お風呂にも入れるなんてすごいですわ」
次の日の朝、俺達もジュース国へ向かう。ジュース国は酷い有様だった。
帝国の食料の調達とかで荒らされた跡がたくさんある。人々の表情もとても暗い。
この国の中にも帝国兵が潜んでいるので俺たちは掃討を行った。
色々調べて俺たち冒険者が掃討を終えるまでに1週間かかった。
今回の戦いの結果として俺たちが把握している帝国と王国の損害は次のようになっていた。
まず帝国側は魔物やアンデッドは全滅。10000人いた兵隊のうち死亡は約 6500人。捕虜になったもの約2300人だった。
これがもし事実ならば国へ帰れた帝国兵は約1200人ということになる。
これに対して王国の損害は冒険者死亡75名、騎士団死亡23名だった。 勝ち戦でも死ぬやつはいるんだ。
帝国兵の死亡者数のうち5000人近くは俺がやったことになる。
ちょっと気が滅入ってきた。大量虐殺者の気分だ。
俺たちは久しぶりにチップスの町に帰ってきた。
功績のあったものが領主の館に呼ばれている。とりあえず俺たちは全員呼ばれているので行ってみることにした。
「冒険者ナオト、リリン、エレンミア 、シャーロット、ルイーネ、ギルドマスター·グレート·ホーキンスご苦労だった。おかげで帝国との戦に勝利することができた。これは領主として お前たちへの働きへの礼だ。受け取ってくれ」
「はい、ありがとうございます」
俺とリリンは金貨1000枚、エレンミアとシャーロットとルイーネは金貨300枚をもらった。
ギルドマスターはなぜかわからんが辞退をした。これなにかあるな。
「そうだお前たち、2週間後に王都で今回の戦いの報告会がある。そこにはぜひ参加してくれ」
「伯爵とギルドマスターだけではダメなんですか」
「そりゃだめだろう。今回の戦いはナオトとリリン、エレンミア、シャーロット、ルイーネ、お前たちのおかげで勝ったようなもんだ。来なけりゃ格好がつかんだろう」
「わかりました。それでしたら王様への謁見の一日前には着くようにしますので」
「あー、それでいいよ」
その後食事会になった。みんなでゆっくり飲んで食って一時を過ごすことができた。
その後やっと俺たちは商会に帰ってきた。もう夕方だったが、みんなが出迎えてくれた。
「みんな元気だったか。心配かけたな。約束通り勝って帰ってきたぞ」
「お疲れ様です。旦那様、信じても待っていました。商売の方はちょっと売り上げは落ち込みましたがなんとかなっています」
「そうかご苦労さん」
その晩は教会のみんなも招待して飲み食いをして過ごした。
マーガレットも無事だったようだ。
なんでも一般の冒険者がもらったお金は金貨2枚だったそうだ。
安いなー、命をかけて戦ったのに···でも彼女も町が守れてとても嬉しそうな顔をしていた。
彼女が無事でよかった。リリンが一番喜んでいた。
久しぶりに楽しい時間だった。




