第26話 厄介事
「この魔道具はなかなかですわ。もらって帰りましょう」
「ほうエレーナそんなにいいものなのか?よし運ばせよう」
「お客様それを持っていかれると困ります」
「何ー王国伯爵ゲルアク·ド·ロートル様がもらってやろうというのだ!ありがたく差し出せ」
奴隷達に呼ばれて行ってみると絵にかいたようなバカ貴族夫婦に絡まれていた。年は30代後半というところか。
「お客様無理はおっしゃらないでください。商売道具ですので」
「何ー!この大貴族の言うことが聞けんのかー!!」
「クリスタルたち。お客様がお帰りです」
クリスタルガールにつまみ出させる。伯爵は最後まではわめいていた。
「全く朝っぱらから迷惑な奴だ」
俺とリリンは冒険者ギルドに昨日の素材の代金をもらいに行く。
「アイナさん素材の代金をもらいに来ました」
「ナオトさんいらっしゃい。少々お待ちください」
彼女は裏から川袋に入ったお金を持ってくる。
「お待たせしました。全部状態が良いのでキングエイプの毛皮と睾丸と肉で1体金貨5枚になります。30体で金貨150枚です。サイクロプスは目と内臓と肉で金貨45枚です。合計金貨195枚になります」
「素材はまだたくさんあります。今日の分を買い取ってもらえますか?」
「はい大丈夫ですよ。また倉庫にお願いします」
今日はリリンのストレイジから出す。中型魔物30体をお願いする。
その後商会に帰ってみると男たちが大勢で騒いでいた。
食事にケチをつけてきたようだ。ざっと20人の町のチンピラはクリスタルガール達につまみ出されていた。
こんなことは今までなかったな。まさか今朝の伯爵の差し金か?
奴隷たちには毅然とした態度でいるように伝えた。まあこれくらいの相手ならゴーレム達で十分対応できる。
俺たち3人は買い物に出かける。約束の服を買う為だ。
町の中心部にある高級店に到着した。リリンとエレンミアにワンピースを買う。
ブラウスとチュニックも選ばせる。リリンも女の子だ。迷っているようだ。
色々買って2時間後に店を出る。その後宝石店に寄る。
リリンとエレンミアにネックレスとイヤリングを買ってあげた。
「ありがとう。ナオト大好きー」
「あたいにまでありがとうっす」
買い物後商会に帰ると100人ほどの武装集団とゴーレムたちが戦闘中だった。
相手は弓や剣や槍で武装している。
こちらはクリスタルガール10体と仕事から帰ってきた労働ゴーレムが40体、かなりおされている。
俺たち3人はすぐさま応戦する。
「リリン殺すなよ。サンダーを一番弱くして撃て」
「エレンミアもな」
「なんで?みんなを殺しに来たんだよ?お家を壊しに来たんだよ?」
「まだ誰も死んでいない。こんな弱い連中、俺達が本気を出すには値しない」
「サンダー!サンダー!サンダー!サンダー!」
「えい!たー!やー!はっ!」
「サンダー!サンダー!サンダー!サンダー!」
戦闘は5分で終わった。奴隷達に怪我人や死人はいなかった。
こいつらは雇われた傭兵だ。ちょっと頭に手を当て『メモリー』を発動させ頭の記憶を読む。
やはり伯爵に雇われたようだ。全員縛り上げてメイソンたちに騎士団に連れていかせる。
俺は賊の奴隷堕ちの手続きをした後、商会に戻る。
なかなか伯爵も打つ手が早い。たて続けに嫌がらせにくるとは、ちょっと気をつけんといかんかな。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「伯爵様! 差し向けたものどもがあっと言う間に全滅しました!!」
「何ー?100名もの傭兵と殺し屋があっという間に全滅?」
「当初はこちらが押しておりましたが商会長とその2人の女が来るとあっという間に魔法と剣で全滅しました」
「バカな!100名だぞ!100名!!うぬうーどうしてくれようか」
「お館様。あれを相手するのはやめになさったほうがよろしいかと」
「魔法使いの冒険者か。それならそれらしい相手を用意できるというものだ。ふふふふふふ」
俺は今回の件で、もっとセキュリティに力を入れることにした。
クリスタルガールでも大丈夫なのだが建物に防御の魔法を発動できるようにバリアー装置を作った。
大型魔石にバリアー呪文を組み込みスイッチひとつで発動できる仕組みだ。
さらに奴隷達には相手を無力化できるネットランチャーを持たせることにした。
仕組みは筒の中にデビルスパイダーのだす糸を入れ、筒の下に風魔法をセットする。
紐を引くと魔法が発動し粘着ネットが飛び出す仕組みだ。
まあ、いつ何が来ても大丈夫にしておかないとな。
「これならもう何が来ても大丈夫っすよ」
「もしもの時はリリンが頑張るのー」




