第18話 奴隷たち
宿に帰ったら俺にダーマス奴隷商会から客が来ていたと連絡があった。
一度商会に来てほしいということだった。 まだ日も高いのですぐさま商会に向かった。
「ごめんください。ナオトと言います。私に会いたいと聞いてきたのですが」
「ああすまないね。呼び出して」
店主他多くが亡くなってしまった商会は息子のヤーマシが後を継いでいた。
しかし明らかに力が落ちていた。話というのは町に入る前に店の者が全滅した時点で奴隷の所有権がなくなってしまったということだった。
冒険者ギルドから奴隷商会ギルドへ連絡が入ったようだ。
そこで60人の奴隷を俺に引き渡したいということだった。
「なんで私に引き渡さないといけないんですか?」
「それは店のものが全滅した時点で、あなたが奴隷達を助けたからです。だから所有権はあなたにあるわけです」
「当商会としても残念なのですが決まりなのでどうにもなりません」
「そんなもんですかね。しかしそんなにたくさんの人をもらっても生活が立ち行きませんよ。そちらで引き取ってもらえませんか」
「残念ながら当商会の力もかなり落ちておりそれもかないません」
なるほど要するに規模を縮小して窮地を脱する気なんだな。
「分かりました」
契約書にサインをする。奴隷の内訳は女40人、そのうち子供が20人、男20人は全員成人だった。
皆借金奴隷だが,さてどうするか。とりあえず奴隷の引き取りは明後日ということになった。
ひと通り奴隷たちを見て奴隷のリストをもらって帰ることにした。
しかし奴隷っていうのは初めて見たけど男も女も皆光を失った目をしているな。
まあ借金で奴隷になったんだからそういうふうになるか。
気になる子を見つけた。褐色の肌に白い長い髪、茶色の瞳で耳がとがっている。これはエルフいやダークエルフか。なんでこんな子がいるんだ?ええと···年齢は15歳···名前はエレンミアか。魔力が多いな覚えておこう。
さてどうしたもんかね。こんなにたくさんの人を。一つ商売を始めているか。元々商人だしな俺は。
不動産屋を訪ね空き地を買おうと思い交渉した。町外れの土地が安いのでそこを金貨100枚で買うことにした。
あーなるほど日当たりが悪いから安いのか。20メートル×50メートルの土地が金貨100枚なんて安すぎると思った。
まあ塀に近いから日当たりが悪いが反対側日が当たるから大丈夫だろう。
「もう夕方か宿に戻るか」
「ここにお家を建てるのー」
「そうだよ。家だけじゃなく商売も始めてみようと思う」
「お店屋さんだね」
「まずはみんなが住める家づくりだな」
宿に戻り夕食を食べ、リリンが休んだ後魔物の森に転移する。
崖の前に立ち『ライト』で周りを明るくしウインドカッターで上質の土を採取する。
ストレージに入れて建設予定地に転移し土台を作る。
1階の部屋を作っていき超硬質化する。1階の部屋数は30だ。1つが六畳一間ぐらいの大きさだ。
その他に食堂、お風呂、トイレ、倉庫がある。
次に2階を作る。やはり部屋数は30で大部屋も5ある。商店用の部屋も作った。
3階には俺とリリンの家を作る。これで大まかなところはできたので明日は細かいところを作ろう。
さすがにちょっと疲れたな···もう寝よう。