第188話 一応決着
「大丈夫かアレース、アナト!」
「いきなり真上からの攻撃でさけられなかった」
「背中、痛い」
「今治療するわ。エクストラヒール!」
「おお、ありがとう」
「よく、なった」
かなり強烈な一撃だったらしい。まあ大丈夫なようだな。
「凶竜逃げちゃったよ。どうするの?大魔王様」
「ああ、ミスラちゃん大丈夫よ。どこに行っても印はつけてあるから分かるのよ」
「えーいつの間にー」
「さっき奴らが逃げた時にねアベイルのかけらをつけておいたの」
私たちが相手にしていたのが5体。助けに来たのが3体。最低でも8体はいるということね。リーダーが動いていないとすれば9体。もっといるのかな?
「相手の居場所は分かるので腹ごしらえにしましょう」
「それがいいのー」
幻獣達には一回帰ってもらった。そしてみんなで昼食にする。
「んー今のところ相手の数も減らせてるしこちらが有利ね」
「そうね。さっきの連中にも手傷を負わせたし、すぐには回復できないんじゃないかしらガチャガチャ」
「そうかもしれないし違うかもしれない。楽観はしない方が良いわバサバサ」
「すぐ治せる 大魔王が異常」
みんなで食事をとる。肉を食べたがるのでみんなに焼いてあげた。本当に肉が好きだな。野菜も一緒に出してあげる。スープも確かあったので一緒によそってあげた。
凶竜たちの動きが止まった。どうやら近くの小島に入ったようだ。ここが奴らの本拠地かな。
あれあれ?反応が薄くなっていく。ひょっとして地下へ潜ったのか。うーん地下まで入るとなると不利になるし厄介だな。上から潰してしまおうか。
「相手の居場所がわかったわ。この島の北西の方角にある小さな島に本拠地があるみたい。地下に潜っているようだな。面倒なので上から潰してしまおうかと思うんだが」
「そうだな。出てきたところを叩いてもいいし、出てこないならそれで終わりだし、いいんじゃないかガチャガチャ」
「よし!それじゃあいってみようか」
円盤に乗って島の上空まで行く。操縦 をアイに任せて私はフライで島の上空に出る。
念のためにみんなにも円盤の外に出てもらって待機してもらう。
島は1平方キロメートルぐらいの小さな島なので上空から大岩を落とせば簡単に潰せるだろう。
「燃える大岩よあれー!」
私は直径50メートルほどの大岩を無数に召喚し島に落としていった。
ズガガガガーン!ドッカーン!ドッカーン!ドカンドカンドカンドカンドカンドカンドカンドカンドカン!
「どうだい?出てきた奴はいたかい」
「いえ全く見えませんマスター」
「そうか。まだ攻撃が足らないのかな」
「いやこれだけやれば足らないっていうことはないと思うけどバサバサ」
「島の形、変わった」
「よし降りて確かめてみよう。何か反応があるかもしれない」
島に降りて探索をしてみたが凶竜らしい影は一つも見えなかった。あたりに動くものも何一つない。
これは全部押しつぶされちゃったのかな?なんてことあるわけがないよね。
私たちと同じぐらいの力があるんだからこんなんで生き埋めになるわけがない。
きっと生きているだろうけどこれで様子を見るって言うのも手だわね。
「よーし今日はこんなもんでいいわね。帰りましょう」
「いいのー帰ってー?出てきて悪さしたらどうするのー」
「そうしたらまたやっつければいいのよ。何も今すぐ皆殺しにしなくてもいいでしょう」
「ナオは相変わらずなのー」
一応探索は終わりにしてみんなで魔国に帰って来た。
「しかし大魔王はもう完全に女だな。 もうそのままでいいんじゃないか」
「いや元にも戻れないと困る」
「そのままでいいと思うのー」
「お前が言うなリリン!」
「んーもうどっちでもいいわね。違和感はないし」
「私もだ。女なら女でそのままでもいいと思うぞガチャガチャ」
「ナオに賛成バサバサ」
「女で いい」
何が何でも男に戻ってやる。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「おーいみんな生きてるか」
「はい、なんとか」
「ただ元々怪我をしていたものは半分以上いけ生き埋めになっている者もいます」
「とにかく掘り起こせ!死んでないのならなんとかなる」
「ゲホゲホ、くそ!ひどい目にあったウォー」
「外には出るなよ!待ち構えてるかもしれんぞ」
「くそう!凶竜ともあろう者がこんなところでこそこそと逃げ隠れするとは」
「仕方あるまい。相手の方が1枚も2枚も上だ。命があっただけ見っけものだな」
「悔しくないんですかい」
「悔しいさ。だが悔しがっても今はどうにもならん。とにかくみんなを回復させるのが先だ」
「俺は絶対に報復してやる」
「その意気だな。またそれについてはみんなで考えていこう」
「ゲホゲホ、ゴホゴホ」