第183話 新装備とリリンの参加
武器や防具といってもサイズが分からなければ作りようがないわ。
とりあえず自分の分を作りますか。10メートル、20メートル、30メートルと大きくなった時の武器を作ればいいかな。
とにかく私の場合、相手をぶん殴ればいいんだからトゲトゲナックルを作ろう。
オリハルコンでトゲトゲナックルを3つ作った。これは簡単だった。
次は防具だけどどうしよう。大きさを自由に変えられる鎧なんてできないし。
あっそうだアテナの真似をすればいいんだわ。だけど人工生命体なんてできないし、どうしましょう。
「プミー大魔王さま私の体を使ってください」
「私の体も役に立ちますよマスター」
「悪いわね」
彼女たち2人の細胞を私の魔力を使って培養してミスリルの金属に混ぜ合わせていく。
これである程度大きさの調節がきく金属が出来上がった。試しに自分が巨大化して使ってみることにした。
「自分の魔力で操ることができる自分だけの鎧ができたわ」
身長10メートルの時はほとんど全身を覆うことができるが20メートルになると手足の方は覆うことはできない。30メートルになると胸やお腹を覆うことができるだけになる。
「我ながらいいものができたわ。アベイル、ルイーネありがとう。助かったわ」
「プミプミーお役に立てて嬉しいです大魔王さま」
「良かったですマスター」
あと鎧だけ5人分作ってみんなのところに様子を見に行ってみよう。
お昼近くになってしまった。アベイルとルイーネに協力してもらい、お弁当にサンドイッチを作って様子を見に行くことにした。
「みんな巨大化はできるようになったかな?」
「それは大丈夫よ。全員できるようになったわ」
「さすがですね皆さん」
「んーだけど大魔王みたいにあそこまで大きくはなれないわ」
「いやそれでも十分すごいと思うわ」
巨大化して鎧をまとってもらうと使える魔力に限界も出てくるので彼女たちの大きさは10メートルほどに落ち着いた。
それに合わせてみんなの武器を作ることにした。金属は前に採掘してきたのがたくさんあるので心配いらない。
こうして夕方には武器も揃って戦える準備が整った。
「しかし大魔王は錬金術師としてもすごいわねバサバサ」
「人は見かけじゃない」
「失礼な言い方ね。男の時はともかく女の時は見かけは悪くないと思うわ」
「そうだなガチャガチャ」
「んーそれにしても大魔王はもう女そのものね」
「えっ!」
「そうだな話していても何の違和感もないし」
「私はこのまま男には戻れないのだろうか」
「もうそのままでいいんじゃないかガチャガチャ」
「このままじゃ男としてエッチなことができないじゃないか」
「いいじゃない。女として男に抱いてもらえればガチャガチャ」
「えーそれはなんか元々が男だから嫌だわ」
「贅沢大魔王」
あれリリンが来た。どうしたんだろう?何かあったのかな?
「どうしたのリリン何かあったの」
「報告なのーエレンミアとシャーロットに子供ができたのー」
「知らせに来てくれてありがとう。それはめでたいわね。後でお祝いをしてあげましょう」
「二人も喜ぶと思うのー。それでナオト体の調子はどうなのー」
「まだ男には戻れないよ。もうほとんど女になってしまった。みんなはこれでいいんじゃないっていうけど」
「すごいききめなのー」
「何?ききめ?」
「いえ何でもないのーこちらの話なのー」
「ちょっとリリンさん!お·は·な·し·しましょうか」
「リリンは何も知らないのー」
「それじゃあこの攻撃を受けても黙っていられるかしら」
「いやーはっはははははは。やめてなのーくすぐったいのー」
「どう?言う気になった?」
「はあはあはあ、恐ろしい攻撃なのー」
結局私の浮気防止にリリンがリリスに作ってもらった薬のようだ。まさか寝てる間に一服盛られたとは知らなかった。
だが私に女の仲間がどんどん増えるのを見て心配したのだそうだ。そう言われると何も言えない。
この薬は私が強い意志を持って頑張りぬけば男に戻れるそうなのだ。よくわからんが薬だからだんだん効力は弱まってくるのだそうだ。
「どうしたんだリリン」
「心配だからリリンもついて行くのー」
「何も心配はいらないよ。大丈夫さ」
「不安のかたまりなのー!国は他の者に任せてきたのー」
「はい分かりました」
今回はリリンも加えて冒険に出発することになる。魔国で今夜休んで明日の朝出発するつもりだ。