第174話 女性化する大魔王
「あなたたちは傭兵ですか?それなら私に向かってくると損をしますよ」
「まあ金はもらってるんでな仕事はしないとな」
「こんないい女がたくさんいるのに何もしないのは失礼だよな!」
「うふふふふ、後悔しますよ」
「なあ大魔王、今度は私たちにやらせてよ」
「いいけど。あんまり派手にやらないでよ」
「んーこの人数だと一人でも相手できるけどどうする」
「せっかくだからみんなでお相手しましょうガチャガチャ」
「それ、いい」
「な、なめやがってみんな殺れ!」
やはり5分程度で決着がついた。相手を一人も殺すことなく無力化することができた。
「ぐはっ!くそう。なんて強いんだ。信じられん!」
「みんな手加減が上手になったわね」
「そうね。あの程度ならね」
しかし3回も襲ってくるとはしつこいな。これじゃ埒が明かないので伯爵の所に挨拶に行ってくるか。
「アベイル。伯爵の家はどこかな」
「はいそれなら町の人に聞いてわかっています。この町の南側、一番大きな建物だそうです」
「そりゃあ分かりやすいわ。私はちょっと伯爵の所に挨拶に行ってくるわ。みんなはどうする」
「面白そうだから見に行ってみる」
みんな一緒に行くということだ。本当にトラブル好きな連中だな。
「ミスラちゃんはここにいる?」
「いいえ。一人では怖いのでみんなと一緒に行きますー」
カストール伯爵の家にはすぐ到着する ことができた。門から入り護衛を蹴散らす。
建物の中にも護衛はいる。全てぶっ飛ばし伯爵の部屋までたどり着くことができた。
「ああ〜ん伯爵様もうお許しください」
伯爵は女をたくさんはべらして、お楽しみの最中だった。
「ゲス!殺す!」
「待て待て!アナトさん早まらないで」
「何だお前らはどっから入ってきた」
「3度も襲撃してくださってありがとうございます。今日はちょっとお礼に来ましたよ伯爵」
「誰かおらんか。ええい!役立たずどもめ!」
ボカ。伯爵は気絶した。
「逃げるわよ!、みんな」
伯爵に弄ばれていた女たちが逃げようとする。このまま逃げたら損だからもう少しここにいるように彼女たちに告げた。
みんなさらわれて来たり脅されて連れてこられたようだ。伯爵の深層意識に語りかける。
「伯爵心正しく生きよ!」
「起きろ伯爵!」
「うおっ、これは?」
「さあお前が弄んできた女たちだ。どうする伯爵」
「大変申し訳ありませんでした。ですが謝って済むことでもありません。死んて詫びをしましょう」
「いや死ぬのはダメだ。伯爵生きてずっと罪を償うのだ」
「わかりました。ではせめて宝物庫にあるものをお持ちください」
女達に服を着せ宝物庫に行く。そこには金銀財宝多くの宝が眠っていた。
「これを好きなだけ持って自分の故郷へ帰りなさい」
「ありがとうございます」
20人以上いた女達はそれぞれに財宝を持ち自分の故郷へ帰っていった。
「大魔王この後はどうするの」
「そうだね。その4凶竜というのに会ってみたい気がするな」
「んーなんでそんな危ないのに会おうと思うの」
「なんかその辺が一番怪しいような気がするんで。王様に会うのはその後ね」
「もうじき日が暮れるわよ。また魔国へ帰るのガチャガチャ」
「いや今日は帰らなくても大丈夫だ。嫁たちは里帰りして今ほとんどいないしね」
「じゃあ今日はこっちで宿をとらないといけないわねバサバサ」
「今日は伯爵の所に泊めてもらいましょう」
「大魔王、大胆」
「部屋はたくさんあるようだから、それぞれ分かれて休むことにしましょう」
「その前に運動したから何か食べたいしお風呂も入りたいわ」
「なるほどね食事は伯爵に出してもらいましょう」
「いいの?大魔王」
「いいのよ。迷惑はいっぱいかけられたんだからこれくらい」
伯爵は快く食事を振る舞ってくれた。 その後お風呂に入ることになった。
「それじゃあ、みんなは先に入ってきて。私は後でいいわ」
「何言ってるんですか。大魔王様一緒に入りましょうよ」
「ミスラちゃん。今は女の形をしているが元々の男だぞ。そうもいかんだろう」
「男に戻ったら困るけど女の姿ならいいんじゃない」
「大雑把な連中だな」
従者達には留守番をしてもらい7人で入る事にした。お風呂はとてもきれいだった。
「大魔王様とっても綺麗」
「そうかな?自分ではわからんが」
「鏡を見てくださいよ」
「そんなにみんなと変わらんと思うが」
「そりゃみんなも綺麗ですけど。私ももう少ししたら大魔王さまみたいになれるかしら」
「大丈夫だろう」
「ずいぶん仲良しだな大魔王」
「アレースか前より体が大きくなっているな」
「ふふふそうだ。この体にも慣れてきたし力も随分使えるようになったのだ」
「んーでもミスラちゃんの言うとおり大魔王は本当に綺麗ね。ちょっと触っていいかな」
「えっ?」
「あ、あんまりにぎにぎしないで」
「ほう。本当に美しいな」
「アテナもやめんか」
「大魔王、羨ましい」
「そうねあなたもう女でいいと思ってるんじゃない?だから男に戻れないんでしょうバサバサ」
「そうなのかな。確かに嫁たちに触られたら気持ちが良かったが···」
まあいいか。そのうち必要になれば男に戻れるだろう。明日になったらその4凶竜とやらに会いに行ってみようかな。
風呂から上がりみんなそれぞれの部屋に分かれて休むことになった。
「あれミスラちゃんどうしたの」
「大魔王さま一緒に寝ていいですか」
「うーん。何度も言うけど私はもともと男なんですよ」
「今は大丈夫ですよ」
「まあいいか。おいで」
ベッドに入れて腕枕をして頭を撫でてあげた。
「大魔王様いい香り」
「特に何もつけてないんだけど」
彼女はほどなくして眠りに落ちた。明日はまた忙しくなりそうね。