第169話 アジダハーカと根拠地制圧
「でかいなー。こんなにでかいのは フレイムのじいちゃん以来だな」
「貴様が大魔王だな! いかにお前でもこのアジダハーカの前ではどうすることもできまい!」
「この三首竜はアジダハーカっていうのか。お前は誰だ?」
「私こそはこのアジダハーカの主、ダエーワのアカマナフだ。大魔王よ!無残に踏み潰されて死ぬがいい」
「うははははは、エクスペンド!」
俺は40倍の大きさになり三首竜と同じ位になる。
「な、なにー!どういう事だ!」
「ディセイブルマジック!」
「どうだ?アジダハーカ。正気に戻ったか?」
あれ?まだ戻らない?さっきよりいいけどまだ何かあるのかな。奴の言葉が効いているのか暴れだす。
俺はアジダハーカを押さえながら理由を考える。だが解決策はなかなか浮かばない。
そうこう言ってるうちに三つの首からいろんなブレスが飛んでくる。右からは火炎ブレス、真ん中からは毒ガスブレス、左からは冷凍ブレスだ。
一旦離れて様子を見るが理由がわからない。後ろにまわると尻尾から真空波が飛んでくる。とんでもない竜だな。
あれ?背中に何か刺さっているぞ。これが原因か。俺は素早く回り込みその異物を取り去る。
すると突然おとなしくなった。ようやく正気に戻ったようだ。
「我の呪縛を簡単に解くとはお主できるな」
「まあよかったな。もう家に帰っていいぞ」
「なにー俺が助けられたまま何にもしないで帰れると思っているのか」
「いやそんなに手間はかかってないし気にしなくていいよ」
「私に恥をかかせる気なの。それじゃあ契約を結びなさいよ!」
こいつはあれだな。首が三つあるから 人格も三つあるって事なのか。よく喧嘩にならんな。
「うーん。分かったよ。ただし俺は女の時でしか召喚魔法は使えないからな」
「分かった。その姿我に見せい」
「変身!これが女の時の俺だ」
「か、かわいいじゃねえか!」
「そうかな」
「とってもきれいよ」
「ありがとう」
「こら!俺を無視するな!」
「うるさい!」
足先で軽く蹴り飛ばしてやった。奴は地面を転がり城の城壁に激突した。
「ぐべべべべべべべ、ぐえっ!」
「それでは大魔王よ何かあったら呼んでくれ。さらばだ」
アジダハーカは翼を広げて飛んで行った。すごいな!よく飛べるな。魔力で飛んでいるということか。
俺は男に戻り巨大化も解く。
「アベイルたちに感謝だな。アジダハーカを仲間にできたしな」
城の壁にはアカマナフが血まみれで虫の息になっていた。
「これはさっき蹴飛ばした奴。もう死にかけだな。しようがないな獣王のとこに運ぶか」
俺は少しだけアカマナフの治療をする。そして獣王のとこに運んでやった。
「側近の人。こいつをお願いします。もうじき終わるのでまた報告に来ます」
「はい。ありがとうございます」
俺はまた城に戻り戦いを見届ける。もう城からは何も出てきてはいない。
全滅したのかな。しばらくするとアベイルが報告に来た。
「プミー大魔王様、敵の部隊はほぼ壊滅したようです。しかし、首領と幹部は発見できていません」
「そうか。逃げたのかな」
「みんなで探しています。あと捕虜が100名ほどいましたので保護しています」
「そうか分かったよ。アベイルよ、今回はよい働きをしたな。おかげて大きなドラゴンを仲間にできたぞ」
そう言って彼女を抱きしめ頭を撫でてやる。
「プミプミー3人で頑張ったんですよ」
「いや魔獣が操られていたのを発見し正気に戻したのはアベイルだと聞いているぞ」
「プ、プミー、そ、そういうこともしましたね」
「褒美をとらせる。何かいいかな?遠慮なく言ってみて」
「プミ〜、あの、もうもらってます」
「え?」
抱きしめて、なでなでしてるだけだけど。ああそうか可愛がれはいいのかな。
アベイルの全身に俺の魔力を流して全身を撫でてやった。
「ありがとうアベイル」
「プミプミプミ〜、はあん、大魔王様あ、ああん、ありがとうございます·········」
あれ、ぐったりしてる。まずかったかな?いやいいよね?感謝の気持ちを伝えただけだから。
彼女を寝かせて俺は女になり炊き出しをする。100人も人質がいたんならお腹も減っているだろう。
大鍋にお肉の入ったスープを作る。あとはパンがあるからいいかな。
しばらくしてアイとルイーネが捕虜を連れて来た。みんな弱ったいたのでエクストラヒールをかけてスープとパンをあげた。
みんな人心地ついたようだ。全員を獣王のところに運ぶ。
帰って来るとみんなも外に出てきていた。
「幹部は見つけられなかったよ」
「ご苦労さま。やはり逃げたのね」
「そう、らしい」
「あなたたちもスープをどうぞ」
「ありがとうバサバサ」
「宝物庫があったぜ」
「それはみんなで分けてよ」
「んー大魔王はいらないの?」
「私はいいのよ」
「アベイルちゃんとうしたの?横になっているけどガチャガチャ」
「あれ?この娘お腹が大きいわよ?!」
「「「「えー!!!」」」」
「大魔王!従者をはらませるなんて···」
「大魔王、鬼畜!」
「私達が戦っている間に?このスケベ!」
「いや今回のご褒美になでなでしてあげただけだよ。ミスラちゃんもいたでしょ」
「抱きしめてなでなですると子供ができるの?いやー」
「「「「「え?」」」」」
「と、とにかく責任取りなさいよ!このエロ大魔王!」
「大魔王、やるな!」
し、しまった。彼女の事がいまいち分かっていなかった。だが感謝の気持ちに嘘偽りはない。子供ができたのなら俺の子だ。