第2章 スナック王国編 第16話 チップスの町
街に着くと門番の人たちがすぐに出てきた。
「これは何だ。何の行列だ」
冒険者のベルンが答える。
「こちらのナオトさんとリリンさんに助けられました。盗賊に襲われているダーマス奴隷商会の場車を助け盗賊を討伐してくれたんです」
「よし、騎士団を呼んでくる。待ってろ」
その後は事情聴取され解放されたのは3時間後だった。 討伐した盗賊の数が多かったので処理にも手間取った。 リリンは疲れて俺に寄りかかっていた。
盗賊の奴隷としての代金は明日まとめてもらえることになった。
捕まっていた女性は騎士団で一時保護するようだ。
盗賊の持ち物は一時騎士団に預けることになった。盗賊のため混んでいたお金は俺のものにして言いそうだ。ここの騎士団はなかなか優秀だな。
奴隷たちは奴隷商会に届けられた。
遺体は全部騎士団に置いてきた。後は遺族に渡してくれるそうだ。
「冒険者のベルンさん。ちょっと」
「どうしたんだ。ナオト」
「あんたたち今回の依頼は失敗なんだろう?少ないがとっておいてよ」
俺は金貨を30枚ばかり渡した。
「何言ってるんだよ。こちらがお礼をしなきゃならないのに、こんな大金!」
「俺は臨時収入があるし口止め料が入ってるんだよ。それに仲間もなくなったんだろう。これで弔ってあげてよ」
ベルンは恐縮していたが、なんとか納めてくれた。
まだ夕方だがリリンは疲れたと言うか完全に飽きてしまっていた。なので騎士団に紹介してもらった宿にリリンをおんぶして行った。
宿の名は『流れ者の戦士の宿』宿に着くと恰幅のいい女将さんが出てきた。
「いらっしゃい随分仲良しだね」
「2人部屋ある?」
「あいてるよ一泊二食付きで2500エビスだよ」
「朝飯は日の出からしばらく。夕飯は日の入りからしばらく。お湯は30エビスだよ」
しばらくとは何でも半日の半分くらいらしい。2〜3時間ってとこかな。
「それじゃあとりあえず5日お願いするよ」
「12500エビスだね。銀貨12枚銅貨50枚になるよ。すぐ夕飯にするかい?」
「あー頼むよ」
10エビスで銅貨1枚か。銅貨100枚で銀貨1枚というわけか。ふむふむ。じゃあ銀貨100枚で金貨1枚かな
「リリン飯だぞ起きろ」
「もう飽きたのー。むにゃむにゃ」
なんとか起こして夕飯を食べさせる。黒いシチューと黒パンと野菜サラダだった。かなりうまかった。
部屋に入るとリリンはスヤスヤと寝てしまった。寝巻きに着替えさせる。
「もう大きななりして 仕様がないなぁ」
その後で俺は盗賊からせしめたお金を数えることにした。
金貨が185枚、銀貨が531枚、銅貨が1000枚以上だった。これは大金だな。思わぬ収入だった。