第168話 蛇人ドゥルジ
朝になり昨日の森に転移する。するとそこは墓場だった。
周りは猿や馬の死体で溢れゴーレムの残骸もあり血の臭いでむせる程だった。
「3人ともご苦労さん。しかし派手にやったね」
「はい。途中で魔獣が出てきたので苦労しました。しかし魔獣は操られていてディセイブルマジックで正気に戻すことができました」
「召喚ではなく魔法で操っていたのか」
「はい、ですから正気にもどるとみな走り去って行きました」
「それはいい発見をしたね。大手柄だよ!これからの戦いに役に立つと思う。みんなありがとう。魔力はいるかい」
「はい、お願いします」
3人に魔力をあげてから城をどう攻めるかを考えた。従者たちのおかげで 大分城も穴が開いていた。大岩を落とせば潰せるかな。
「さてどう攻める?」
「また大岩を落とせばいいんじゃねえの」
「んー人質がいたらどうする?」
「多分ここにも捕まってる人がいっぱいいるだろうなあ。それじゃあ岩で潰しちゃうのもなあ」
「正攻法で攻めますかガチャガチャ」
「それじゃあゴーレムを出しますので盾にして後ろから魔法で攻撃しましょう」
「魔獣が出てきたら魔法を解除します」
ゴーレムを100体出す。そして後ろから魔法で攻撃を開始する。
「エクスプロージョントルネード!」
ドッカーン!ドッカーン!ドッカーン!ドッカーン!ドッカーン!
「おや?何か出てきた。魔獣だな。魔法を解除して!」
従者たちが魔法を解除する。
「ディセイブルマジック!」
出てくるたびに魔法を解除する。20体出たところで終わりになった。
「何も出てこないんならこれでいい。 城を攻撃しよう」
すると突然声が鳴り響く。
「そこまでにしてもらおうか!それ以上やるならこいつらを殺す!」
見ると獣人の男女が20人ほど縛られて繋がれていた。
「ミスラちゃん!何人連れて飛べる?」
「近くなら10人が限界です」
「よし!君は人質を助けろ。俺はあいつを殺る」
「はいいー」
空に向かってエクスプロージョンを放つ。その後相手が空を見てる間に転移で近づいた。
ガキン!
「おお!よく止めたな」
「このやろう!このドゥルジ様がそんな簡単に殺られるかよ!」
ガキン!ガキン!ガンガンガン!
「だ、大魔王様ーみんなつながってて運べませーん」
「ミスラちゃん。ナイフあるでしょ」
「ああ、そうかー」
「よくも俺様の魔獣を逃したな」
「何言ってんの。ちゃんと契約しとかねーから悪いんだろう」
「うるさい!」
ガキガキガキン!
こいつは蛇の種族じゃないかな。やけにしぶといな。
ガキン!ガンガンガン!
人質はミスラちゃんが助けたので大丈夫だ。あとはこいつを倒せばいいだけだ。
「はー!」
剣からウインドカッターを無数に出す。
「むう!」
ドゥルジは全部はじき飛ばした。
「サンダーストーム!」
バリバリドシャーン!
「ぐああ」
「エクスプロージョントルネード!」
ドッカーン!
「ぐああああああ」
もうふらふらだ。小転移して相手の胸を貫きとどめをさす。
「ふん!」
「ぐはっ!」
あれ?まだ力を感じる?何で?ドゥルジは皮を脱ぎ始めた。脱皮?!
「俺は蛇人だ。脱皮すればまだ戦える」
「はーすごいな。そんな事ができるんだ!」
「エクスプロージョントルネード!」
「サンダーストーム!」
うわ!また脱皮した!うーむ。これはどうするか。そうだ!
「グラビティキック!グラビティパンチ!」
そして真上から全力でグラビティをかける。
「ぐ、ぐああああああああ···さすがに···つぶされたら···」
どうやらまた一人倒す事ができた。他の者は城の中に入っていく。その時地鳴りがして山が動いた。
「ついに切り札が出てきたか」
谷の方を見るとその巨大な生き物が首をもたげてこちらを見ていた。でかい!100メートルはある。高さは70メートルってとこかな。
四足で巨大な尾と首が3つもある竜だ。背中には羽が生えている。
「でかい!こんなのどうやって戦えばいいんだ」
俺はしばらく途方にくれていた。