第158話 町での一時
次の日の朝
エヌルタさんとアナトさんの部屋に行き朝食に誘う。
「口に合うかどうか分かりませんが朝食を用意してあります」
「ありがとうバサバサ」
「うん。食べる」
アテナたち3人も来ていた。
「よう、エヌルタ、アナト」
「ああ、アレースもどきかバサバサ」
「私はれっきとしたアレースだ!」
「新しい体、すごい」
何か気拙いながらも6人で食事をした。アレースたちはここに住むことに決めているんだがエヌルタとアナトはどうするんだろう。
まあすぐに決めなくてもいいことだが。しばらくここで暮らしてもらって身の振り方を考えればいいさ。
「それはそうとお前たち3人は急に強くなったな。なぜだ!目覚めた時期も我らと変わらんはずだろうにバサバサ」
「んーふふふ。それは秘密があるからよ」
「いったい、なに」
「それはそこの大魔王に魔力をもらったからよガチャガチャ」
「なに?そんなことで?信じられないバサバサ」
「んー私たちも信じられなかったけどね」
「あなた達も負けそうだったから分かるでしょうガチャガチャ」
「む、バサバサ」
「う、······」
結局2人の他に、みんなにも魔力をあげることになった。
「な、何これー、ああ〜ん。だめ〜んバサバサ」
「あん、んん〜ん、はあはあはあはああ〜ん!」
「あん、これあとどれくらいかかるのはあ〜んバサバサバサバサ」
「そうですね。朝ごはんを食べ終わるくらいの時間ですね」
「そんなに、もたない。ああ〜ん」
30分位悶え続けて彼女達はみな倒れていた。もちろん全身ぐちょぐちょになって。
しばらくしてからエヌルタさんとアナトさんには当座の資金を渡した。
金貨100枚を渡し、しばらくはここで過ごし考えてもらう事にした。
「この町でかい。大魔王来て」
「それがいいわバサバサ」
「それじゃあ私たちはヴァルキリー達の訓練に行くわ」
「ありがとうアレース」
「んー私たちは町は分かってきたからね」
「エヌルタとアナトを案内してあげてくださいガチャガチャ」
3人は闘技場の方へ向かって行った。俺たち3人は町に向かう。
「そうだ。これは俺が作ったマジックポーチです。便利なので使ってください」
剣でも槍でもしまえるし、買い物をしてもかさばらないからみんなに高評価を得ている。
「ありがとうバサバサ」
「ありがと」
町の中は最近は色々な施設がどんどんできている。もうほとんど地球の町と変わらないくらいだ。
「どこに行きましょうか」
「大魔王のおすすめでいいわバサバサ」
「うん。おまかせ」
俺たちは最初に劇場に行ってみた。いろんな話を演じているが今日は恋愛物のようだ。
2人は結構感動していたようだ。劇場を出て喫茶店に寄る。
飲み物もたくさんの種類がある。彼女たちはやはり甘いのが好みのようだ。
「平和で活気のある町。いろんな種族がいるわバサバサ」
「みんな、楽しそう」
「戦争がなくなったからね」
この後は買い物に出かけた。2人に服と靴を買ってあげた。
適当な店に入りランチを楽しむ。
「昼から俺は島の探索に行くことにするよ。2人はこの後も町を楽しんでくれ」
「うん。ありがとうバサバサ」
「ありがと、大魔王」
午後から俺は従者達と島の探索に来ている。
「まだ棺が出てくるかもしれんがもうカーリーの一味はほとんどいないし、 残りは開けても大丈夫な人達だな」
「話によればそうですねボス」
「もし見つけたら開けていきましょう マスター」
「うちの町に住んでもらえれば助かるしな」
「アベイル魔力を渡そう」
「プミーありがとうございます大魔王様!」
新しい島の探索はアベイル中心に行っている。いにしえ族の棺を見つけたら知らせるように言ってある。
「しかしこの南の方の島ではそんなにポンポン見つからんだろうなぁ。むしろ北の方の島の方がいる可能性が高いな」
「プミー大魔王様!」
「おお!棺が見つかったか」
「プミーいえ大きな洞窟がありました」
「洞窟?」
俺たちはみんなで洞窟の探索をすることにした。