第157話 戦い終わって
何て言う再生能力だ。あれだけついていた傷が全部治ってしまった。
まあいくら再生が優れていても再生が間に合わないくらい破壊してしまえばいいのだ。または再生できないくらい 削り取ってしまえばいいのだ。
うわ、この野郎!体の周りに黒い球を浮かしている。触ると体が切れるやつだ。
なるほど、これで接近戦を有利にようっていうわけだな。
遠距離攻撃でも奴を削ることはできる。魔法をたたき込んでやる。
「エクスプロージョントルネード!」
ん?狙いがそれた?なんで?
「うはははははは、どこを狙っている」
「何かされた。何だ?」
考える暇もなく相手の巨大な剣が飛んでくる。斬りつけるが当たらない。
あーこれは感覚自体がおかしくなっているのか。とりあえず時間稼ぎだ。飛び退いてさける。
「左手からアイスダスト、右手からウインドストーム、合わせてアイスダストストーム!」
これなら多少方向が間違っていても、この辺一帯は吹雪で凍りついていくだろう。
奴の動きがだんだん悪くなる。これで時間がかせげる。
とりあえずアンチドーテをかけて状態をよくする。
「アンチドーテ!」
だいぶ良くなったかな。しかしいつ仕掛けられたのかまるで分からなかった。
先手を取ろう。後手に回ってはやられる一方だ。攻めて攻めて攻めまくってやる。
「エクスペンド!」
俺は5メートルほどに巨大化してカーリーをぶん殴りにかかる。
「うおお、何だ!」
「おりゃー!」
ガンガンガンガンガン!ドコッドコッドコッ!ドコッ!ガツン!ガツン!
「どうだ!」
「ぐはぁ」
ん?真ん中の目が光った!あれか!俺のパンチが外れた。そうかあの真ん中の目だったのか。
「アンチドーテ!」
「アイスジャベリン!」
無数のとがった氷の槍が奴に刺さる。ちょうど真ん中の目を潰してくれた。
俺はまたカーリーを殴りにかかる。
ドカドカドカドカドカ!バキッ!バキッ!バキッ!
蹴りも入れておく。ドガン!ドガン!ドガン!ドガン!
「ぐはぁ!ふん!」
大分治ったようだがまだ治っていないところもある。どうやら回復が間に合わないようだ。
「エクスプロージョントルネード!」
ドッカーン!
「ハイレーザー!」
ボガン!
「ファイヤーストーム!」
ゴオオオオオオオ
「サンダーストーム!」
ガガガーン!
「とうだ?ちょっとはこたえたか?」
「うおおおお、ふん!」
どうやら体力の方が尽きてきたようだな。治っていないところが多い。半分ぐらいだ。
「くそう。だいぶ削られちまったぜ」
もう30分は戦い続けている。こっちも少し疲れてきたな。だがもう一息だ!このまま攻め切ってやる。
相手の魔法を封じておこう。
「ディセイブルマジック!」
これでカーリーは魔法を使えない。
続けて殴りにかかる。ボガッ!ゴン!ドカッ!ガンガンガンガンガン!
「グラビティパンチ!」
「グラビティキック!」
相手はもうふらふらだ。
ミスリルの剣を10本ばかり出す。全部を操ってカーリーにぶつけてやる。 7本命中して相手に刺さった。
「ぐあああああああ」
もう一息だ。
「エクスプロージョントルネード!」
ズガガーン!
「ハイレーザートルネード!」
ズバン!奴の体を突き抜けた。
「サンダーストームトルネード!」
グジュグジュ!ドサッ!
ようやく相手を倒すことができた。どうやら死んだようだ。
「ふう。終わったか」
「プミーお疲れ様でした」
「お見事な勝利ですボス!」
「これまで取得したものを全部使った感じでしたねマスター」
「す、すごいな。あのカーリーを一方的に破るとは!」
「アルテミスとアテナはどうなりましたか」
「まだ戦っていますよマスター」
「それなら降伏を呼びかけてみるか」
「プミーはいそれがいいです大魔王様」
「カーリーは討ち取ったぞ。無駄な 戦いは終わりにしろ!もう勝負はついたぞ!」
4人とも傷ついていたがまだ健在のようだ。エヌルタとアナトが走ってこちらへ寄ってくる。
「カーリー様がやられるなんて!バサバサ」
「うそ!信じられない」
2人とも膝をついてへたり込んでしまった。こうして全ての勝負は終わりになった。
カーリーの死体はみんなの意見で燃やす事にした。
「ヘルファイヤーストーム!」
「さて町に帰るか」
エヌルタとアナトは素直についてきている。まあ今はそっとしておこう。
ナチュラルリッチタウンにすぐに着いた。
「私たちは投獄されるのかバサバサ」
「いや2人とも部屋を用意したのでそこで一晩これからのことをよく考えてください」
「武器、取り上げ?」
「いや武人が武器を取り上げられたら しまらないですから持っててください。あなた達は捕虜じゃありませんので」
「いいのかバサバサ」
「でも暴れないでくださいよ。取り押さえたりしたくないので」
「いまさら、しない」
「出来れば今までのことは水に流してこの町に一緒に住んで欲しいです」
「···」
「ヴァハグンさんも仕事してますから」
「信じられないバサバサ」
「あの、スケベが」
「強さを求めるならそれもいいですし。仕事をするなら世話もします。悪さをしないんならここに住めますよ。よく考えてみてください」
こうして俺は夜のお努めに行くのだった。