第156話 大魔王対カーリー
「ヴァハグンには俺の下で働いてもらう事になった。今は初任務でミツバチ族の里に行ってもらっている。2週間ぐらいで帰る予定だ」
「へ~すごいわねあのヴァハグンを下につけるなんて」
「んーよく真面目に働く気になったわね」
「彼にぴったりの仕事でしたから」
「あなた本当にすごいわね。私にはとてもできないわガチャガチャ」
「それでこれからどうしますか。予定通り残った3人を攻めますか」
「そうね攻めるなら今ねガチャガチャ」
「それじゃあ行きますか」
いにしえ族の3人とアベイル、ルイーネ、アイを連れて転移門をくぐる。
分身アベイルの報告によると彼ら3人は元の場所から動いていないようだ。
勝った方が戻ってくるのを待つつもりなんだろう。
みんなを連れて島の中央に転移する。
「こんにちは、みなさん」
「お、お前か!ヴァハグンを倒したのか」
「はい、彼は今私の下で働いていますよ」
「すげーなお前。あいつを生きたまま屈服させるなんて。いいね!是非戦ってみたいね!」
「あとの3人はどうしたのバサバサ」
「3人とも最後まで降伏はしませんでしたので倒させてもらいましたガチャガチャ」
「あの3人が揃いも揃ってやられるなんて信じられないわバサバサ」
「いつ 強くなった」
「んーこの前かな」
「話はもういいだろう。誰が誰と戦う?」
「俺はこの兄ちゃんだ!」
「私はアルテミス!バサバサ」
「私、アテナ!」
「何で私じゃないのよ」
「お前、だれ?」
「私はアレースよ」
「うそ、アレース 乳でかい」
「またそれ?新しい体になったのよ!ん、もー」
「相手も決まったみたいだしアレースは従者達とわきで見ててよ」
「ん、もう···私がアレースなんて見れば分かるのに···ぶつぶつ」
3人はそれぞれ離れて戦うことにした。
アテナとアルテミスは離れていく。
「大魔王気をつけてねガチャガチャ」
「んー大魔王なら勝てるよ。頑張ってね」
「ああ頑張るよ」
相手のカーリーと向かい合いお互いに剣を抜く。
相手の剣はでかい!ヴァハグンの剣よりまた一回り大きい剣だ。受け太刀したら一発で剣が曲がるな。
ミスリルの剣はいくつもあるが出すたびにへし折られてるんじゃしょうがないしな。
それに腕は4本あるんだから残りの手にも武器を持っという可能性もあるな。
たぶん今は様子見なんだろう。それにあの三つの目、ただ数が多いだけじゃなさそうだな。魔法も使うだろうし、こりゃ困ったな。
「それじゃあ行くぞ!」
「おうよ!」
カーリーは巨大な剣を振り俺に迫る。俺はその剣の軌道を見切り相手に近づく。
奴の下の左腕を狙う!見事に切り裂く事ができた。
「うぐ、やるねえ」
奴の剣は当たれば大きなダメージを負うが当たらなければどうと言う事はない。
二回三回と切り結びカーリーは左右の腕に傷を負っていった。
俺は上の腕に斬りつけるがなかなか当たらない。突然下の腕から黒い霧のかたまりが俺に向けて発せられた。
「うわ!何だこれ?」
ちょっと腕に触れてしまった。かなり痺れる。距離を取って治療をする。
「エクストラヒール」
何とか治療はできたようだ。カーリーは体全体に黒い霧をまとい斬りにかかる。
どうやらこれは奴の魔力のような気がする。それならこちらも魔力を出せば対抗できるかな。
「ふん!」
俺は全身に魔力を出して相手と対峙する。俺の体には金色の光が付いている。
カーリーの剣は空をきる。ビュ!ビュ!ビュ!ビュ!当たらない。
俺は上の左腕を斬る事に成功した。
「おのれ!」
やつの腹に剣を突き立てるが鎧で通らない。俺は距離を取って魔法で攻撃することにした。
「エクスプロージョントルネード!」
カーリーは防御態勢をとる。大剣を前にして魔力をまとう。
ドッガーン!
かなり服や鎧が飛んでいった。だがカーリーは無事のようだ。
「頑丈な奴!」
「ふははははは、いいねいいねー」
こいつ絶対に戦闘狂だ。
「今度はこっちから行くぜ!はー!」
黒い固まりが飛んでくる。何だあれは?
「バリアー!」
うあ、バリアーが少しずつ削られる!
「ちー!」
少しだが肩がヒリヒリする。おのれ!
「右手からウインドストーム!左手からヘルファイヤー!合わせてヘルファイヤーストーム!」
業火がカーリーを包む!
「どうだ?」
結構効いているのかな?真っ黒なのでよくわからない?
「ぐあああああ」
効いてたんだ。続けて攻撃をする。小転移してカーリーの真上に出て重力魔法グラビティをかける。
「どうだ!動けまい!」
真上からカーリーを斬りにかかる。カーリーも黒いモヤモヤを出す。
「どうりゃー!」
カーリーの上の左腕を落としてやった。代わりに黒いモヤモヤで手足をずいぶん切られてしまった。
「ぐあああ」
「うぐぐ」
とりあえず治療をする。
「エクストラヒール!」
「いやあ、こんなに楽しいのは初めてだよ」
落ちた左腕を拾って腕につけると、何とついてしまったではないか。
「ふん!」
力を入れると体にあった傷も全て治ってしまった。なんてことだ。これじゃまた振り出しじゃないか。