第153話 アルテミス対モンチュ
島の北側
ここは私白銀のアルテミスとアベイルの分身とが待機している。
「んーねえアベイル?」
「プミーなんでしょうか」
「んーあなた大魔王に可愛いがってもらってるの?」
「プミー、はい。ここのところは毎日。ポッ」
「んー毎日?」
「プミー、探索を命じられると分身しなくてはなりません。そうすると魔力がたくさんもらえます」
「んーああ!あれか!」
「プミー、すごく気持ちいいのです。それも100人分ももらえます」
「んー、あなたいいわね!」
「プミー快楽の嵐です!」
「んー、私も従者やろうかなー」
「プミー、現れましたよ」
「んー、あれはモンチュだな」
「お前はアルテミス!久しぶりだな。お前とはやり合いたいと思っていた」
「んーそれは私もよ」
お互い遠距離攻撃を得意としている。どちらが上なのか決着をつけたいと思っていた。これはちょうど良い機会だな。
しかしモンチュは空を自由自在に飛ぶ事が出来る。私も飛べるが奴ほどではない。
「行くぞ!アルテミス!」
「んー、来いモンチュ!」
モンチュはすぐさま飛び上がった。そして上空から私を攻撃してくる。
「フェザーニードル!」
光の矢か!私は飛ばずに地上を動く。矢を放ちフェザーニードルを打ち消す。
「くそっ!厄介な弓だ!」
んー、私は連射速度を速める。
「んー!はー!」
奴の足に矢が当たった。
「おのれ!」
「ライトニングニードル!」
「んー、痛い!」
私の右足に光の針が刺さっている。私のシールドを抜けてくるなんて何という威力なの。
そうか針だからか。一点に力を集中させてシールドを破ったということか。
私は更に動きながら弓を連射する。まだ、動ける。
「ぐあ!」
相手の足にまた矢が当たった。何とか 奴の羽を狙えないものかな。
「フラッシュ!」
「んー目が!」
しまった!光で目がくらんで見えない。どうしよう。
いや落ち着け。目は見えずとも相手の気配は分かる。
あれ?おかしい? 奴の気配がだんだん増えていく。一体どういうことだ?
足にまた針が刺さった。さすがにこれでは移動速度が落ちる。
もっと気配を感じなければ。攻撃してくるのは一番新しい気配だ。ということは残りは影ということになる。そうか移動しながら自分の残像を残してるんだな。
それなら一番新しい気配を狙えばいい。手応えがあった。奴の背中に当たったようだ。地上に相手は降りてくる。 飛んでいるのがきつくなったようだな。
「中々やるではないか」
「んー、このくらいで私を討ち取れると思うな」
だんだん目が見えてきた。この距離で打ち合ったら致命傷になるな。私ももうほとんど動けない。
いや!まだ羽があった。
「んーモンチュ、降参しないか」
「何を言ってるアルテミス。今はほとんど互角ではないか」
「んーそうかな」
傷は相手が左足に二本背中に一本。私は右足に二本奴の攻撃を受けている。
お互いほとんど距離がないところで撃ち合いを始めた。モンチュは動かない。
私は左に倒れながら翼を使って移動した。相手の全身には私の矢がかなり刺さっている。私の方は右足に一本だけだ。
「んーモンチュ降参しろ!もうお前に勝ち目はない」
「誰がお前などに···降参などするか」
私は特大の力を込めてモンチュを撃つ。奴の腹には大きな矢がささっていた。
「んーこれで終わったようだな。モンチュなぜ降参しなかった」
「なに···言ってる···最高の···勝負中に」
「んーまあ確かにな」
「···」
モンチュは息絶えたようだ。私は大魔王にもらったポーションを使う。
「んー、このポーションは中々いいな。痛みがなくなった」
「プミーお疲れ様でした。アルテミスさん」
「んー、ああ、終わったな。もっとギリギリだと思っていたが少し余裕があったな」
「プミーそうですか」
「んーさてこれからどうしたものかな」
「プミー、アルテミスさん大魔王様に毒されましたね」
「んーそうかもな。私も···んー、他の2人は大丈夫かな」
「大丈夫ですよ。2人共健在です」
「んー、そうか」
私は弓をマジックポーチにしまい。岩に腰掛け休憩をとるのだった。