第148話 アテナの力
昨日は4人で夜中まで飲み明かしたのでちょっと眠いな。
しかし、あの3人はなんだかんだ言っても仲良しなのがよく分かったよ。
出会えたのがあの3人でよかったよ。もし別の誰かと先に会っていたらどうなっていたか。
「さて今日は何をしようかな」
あれ闘技場の方が騒がしいな。確か今はヴァルキリーが訓練をしているはずだが。
「さあどこからでもかかって来なさい」
「んー頑張って一本取ってみな」
「約束は必ず実行されますよ。みんな頑張ってねガチャガチャ」
上位の者に訓練をしてもらうのは有難く大変力になるのだが何故あれほど必死に食らいついて行くのだ?
「やあ、みなさん稽古をつけてもらいありがとうございます。しかしこの必死さはどうした事ですか?」
「ああ、簡単な話だ。あの子達はお前を慕っているようだから一撃入れられたら抱いてもらえるって言ったんだよガチャガチャ」
「何ですか。それは」
アレースは木の棒で相手をしている。
アルテミスは矢ではなく魔力の小さな塊を相手に弓で当てている。
アテナは木刀で相手をしている。初めて彼女の剣技を見たが速い。ものすごく速い!
「これじゃあ。中々一撃は入れられないな」
1時間ほど訓練をしたら休憩になった。その時アテナの方から勝負を申し込まれた。
「大魔王!手合わせをしてもらえるかガチャガチャ」
「いいけど普通にやったら殺し合いになるから、何か制限をつけたほうがいいかな」
「うーん、それでは剣だけの勝負ではどうだ?」
「いいだろう」
俺たちはお互いに剣を抜いて構えた。俺は二刀流、アテナは長剣を 構えている。
何と彼女の方から間合いに入ってきた。彼女の踏み込みは速いが全く見えないわけではない。
俺は短い方の剣でそれを受け止め長い方の剣で彼女に切りつけた。だが難なくよけられてしまった。
彼女の全力の落ち込みが続く。俺は2刀で受けに徹していた。だから一本も当たっていない。逆に俺の打ち込みもすべてかわされている。
フェイントを入れても残像を入れてもお互いに一本も有効打を与えることができなかった。そうして10分が過ぎた。
「なぁこれじゃあお互いにずっと一本も取れないんじゃないか」
「そういう気がしてきましたね。これじゃ面白くありませんね。条件を変えませんかガチャガチャ」
「どうするんだ?」
「剣の他に体も使っていいことにしたらどうでしょうガチャガチャ」
「うん。それがいいだろう」
彼女は左手を剣から離してしきりに腕を振り始めた。一体何をしているんだ。
そう思った瞬間俺の右腕と右肩が切れた。まさか真空波を起こしていたのか。不覚だった。
「最初のダメージを与えるというのは私が撮ったわガチャガチャ」
「なんということができるのだ。さすがだね」
俺はお返しとばかりに2刀で切りかかる。そして相手が受けに回ったところで回し蹴りを下半身にお見舞いした。アテナが後ろへ吹っ飛んだ。
「どうだ。こういうのは」
「チッ」
彼女は手数で押してくる。もうほとんど見えないほどだ。だが俺は何とか防ぐことができていた。
その度に回し蹴りをお見舞いする。だが相手もそれをかわすことができるようになっていた。
お互いもう決定打がなくなってきている。すでにルールを改正してから10分が過ぎていた。
「そろそろいいのではないか。もうお互いにだいたいに分かっただろう」
「うん。そうだな」
「うーん。確かにガチャガチャ」
「それじゃあこれは引き分けということで終わりにしよう」
「いやこのまま続けていたらやはり私の負けだなガチャガチャ」
「なぜそんなことを思うんだ。今の状態を見たらほとんどダメージも五分で引き分けだろう」
「いや大魔王の方が応用力がある。対応力も上だ」
「そうかなーアテナさんはまだその身につけた人工生命体だって使ってないだろう」
「いやそれを入れてもやはり大魔王の方が上だろう」
「それは買っていただいてありがとうございます」
「お前はそうやって女をみんな落としてきたのか」
「いやそんなつもりはないですよ」
「何を言っている周りを見てみろ」
ヴァルキリーたちがうっとりしてみんな俺の方を見ていた。
「え?あーそうかもしれませんねーあははははは」
「あきれた奴だなガチャガチャ」
「あのひとつ聞きたいんですが。あなたたちの時代にあなた達より強かった人はまだいたんですか」
「ああいたなー私たちとは敵対する者達だが腕は確実に私らよりは上だったガチャガチャ」
「そんな人がいたんですか」
「今はどうしているのかわからんがな。私たちは眠りにつけたがあの者たちはどうなったのかガチャガチャ」
「そうですか。出会えたのがあなた達で良かったです」
「んーまあ、あいつらが目覚めたとしたらすぐにそこらの国を攻め始めるだろうな。そして各地を侵略するのさ」
「だから大魔王の親衛隊を鍛える のも悪くないなと思ったんだ」
「まるでそいつらが出てくるみたいなこと言いますね」
「だって私たち3人が生きてたんだ。あいつらが生きてても不思議じゃないだろうガチャガチャ」
「あいつらってその頃一体何人いたんですか」
「んーそりゃあを私たちと同等のものから上のものまで入れれば10人はいたような気がするが」
この3人と同等かそれ以上が10人。冗談じゃない確実に国が滅ぼされるレベルじゃないか。緊急に対策を練らねば!