第12話 約束そして町へ
次の日の朝リリンが俺に話しかけてくる。
「何でも言うこと聞いてくれるんだよね?」
「おおいいぞー 食べ物か?服か? アクセサリーか?」
「ナオトのお嫁さんにして」
「嫁なんて言葉いつ覚えたの?」
「ナオトが寝てる時に言ってた。嫁さん欲しい言って」
「何〜!そんな恥ずかしいことを俺が喋っていたのか?」
ここには俺たちしかいないし、いや〜恥ずかしいーー!!!
「うほん!俺はお前が生まれた時から知ってるんだぞ」
「関係ないよ。なんでもって言ったよー」
「どっちかって言うと親子じゃねーの」
「なんでもって」
「あーわかったわかった。 だ·け·どー。体は立派になったけど中身がまだまだだな。中身もレディーになったら結婚しような。約束は絶対守るからさ」
「えー!リリンはレディーだよー」
「それじゃあ町に向けて出発しょう!」
「ナオトーおんぶー」
「お前レディーじゃねえのかよ」
「明日からー」
これは、結婚なんていつのことやら。
俺たちは荷物をまとめて川沿いに沿って下って行く。
荷物と言っても俺が作った鉱石や生活用具などがあるだけなんだけど。全部ストレージに入るから、ほとんど手ぶらだ。
リリンはワンピースでは動きにくいので白のシャツと青のショートパンツ姿だ。
一応革鎧をつけさせて腰には短剣を装備させている。リリンは防御はうまいから体に合った短剣で十分だろう。
今日は赤いリボンでおさげを止めてあげている。リボンと服は草木染めで色をつけた。赤は桜に似た木から取ったものだ。
いつまでも真っ白い服ばかりじゃ困るからな。うまくいってよかった。
さあ行くか。まあそのうちに町に着くだろう。