第120話 アスタロトとルシファーの最期
「みんなに集まってもらったのは他でもない。ルシファーの国をどうするかだ」
「さきの戦いでアスタロトたちは逃げたが兵の方はほとんど全滅している」
「そんなものぶっ潰すに決まってるだろう。恨み重なるルシファーだ。1人も生かしてはおかん」
「いや、そこまでやることもないじゃろ」
「もう相手にならんし〜降伏勧告でもしたら〜?」
「そうだな。ルシファーは倒すべき相手だがな」
「シャー、あのルシファーが降伏などするとも思えんが、全部殺す事もないだろ。シャーシャー」
「僕も降伏勧告に賛成だ。一魔王としてあるなら、助けてもいいんじゃないかな」
「降伏勧告は必要だと思う。それを受け入れない時に戦えばいいことだ」
「わかった。降伏勧告をしてみよう」
連合軍はルシファーの国の北側に陣取った。大型ゴーレムを各魔王たちに 配布してあるので一般兵の数はかなり少なくなってきている。それでも全部の軍団を合わせると2万を超える。
「ルシファー、アスタロトに告ぐ。無駄な戦いはやめて降伏せよ。お前たちが一魔王としてあるなら生命の保証もしよう!どうだ?返答はいかに?」
俺は戦場で降伏勧告を何度か繰り返した。向こうも偵察がいるだろうから こちらの意図は伝わるだろう。
「ルシファー様。魔王ナオトは降伏を呼びかけています」
「何、我に降伏せよというのか。うーむ」
「もう打つ手がありません。新しい手がない以上無駄な戦いは控えるべきかと思います」
「ヒヒーンメエメエ。ルシファー様が戦うのなら私はお供します」
「私もです。ギョロギョロ」
「ううーむ······」
「ベルフェゴールよ。この国のことを頼む」
「ルシファー様!どうなさるつもりですか?」
「私は今更奴らの下には付けん」
「私も行こう」
「アスタロトか。ともに参ろうぞ」
「他のものはついてきてはならんぞ! この後を民のために」
「頼んだぞ」
降伏勧告を受諾したがアスタロトとルシファーは戦いを申し出てきた。今更こちらの下にはつけんのだろう。
戦かって死にたいと言うのか?相手は何人でもいいということだ。
「みんなどうする?袋叩きにするか?それとも一対一でやるか?」
「戦うのは構わんが袋叩きはちょっとなー」
「それじゃあアスタロトは俺が相手をしよう。ルシファーはどうする?」
「元々いた四人の魔王が相手をしよう」
「わかった」
アマイモンたちにはルシファーの兵を 武装解除させ一時拘束させた。
更に国の首脳と話をつけてもらっている。俺たちはこの平原で戦いをするだけだ。
「アスタロトよ、勝負だ!」
「おう!」
4魔王の方は前にベルゼブブを倒した時の陣形だ。
俺はいつもの通り剣を2本抜いて二刀流の構えを取る。アスタロトはでっかい四足のドラゴンにまたがって槍を構えてこちらに突っ込んでくる。
左腕から蛇を飛ばしてくるが俺は難なく毒蛇をかわす。
アスタロトは槍を大きく振り回して俺に襲いかかる。ドラゴンは口から火を吐くし尻尾から毒をばらまいてくる。
とんでもない奴だ。さっき放った蛇も俺の方につきまとってくる。
右手からエクスプロージョン。左手からはヘルファイア。合体させてエクスプロージョンファイヤー。
これを空間魔法を使ってアスタロトの横からぶつける。
「ぐあー!」
エクスプロージョンを連発する。そして空間魔法を使ってアスタロトの周りから当てるようにする。
「ギャー!ぐあー!」
アスタロトもドラゴンの方もだいぶこたえてるようだ。それでも槍を振ってくる。蛇も近づいてくるので空に逃げる。
アスタロトも炎の魔法を放ってくるので魔法を封じる。
「ディセイブルマジック!」
レーザービームを無数に打ち込む。もちろんアスタロトの周りからだ。
もうやつはフラフラだ。最後に正面から槍を投げてとどめをさした。
「ふう、何とかなった」
4魔王の方はまだ戦ってるようだ。あの様子ならあと30分もあればうち取れるだろう。
俺はリリン達の元に戻った。
「何とかアスタロトを倒したよ」
「よかったのー」
「いや圧勝だったっすよ。すぐに終わりましたし」
「そうですわ」
これで魔国での争いは終わったな。平和になるな。
しばらく休んでいるとルシファーを倒したという知らせが入った。
「よし行くか」
「わかったのー」
俺たちはルシファーの国へ向かった。