第11話 レベリング
「ねえねえナオトー何するのー?リリンおなかヘったのー」
「狩りだよ狩り。このままだとリリンは危ないんだよ。レベルを上げるんだよ」
「えーー、生き物殺すのーーー?いやんこわいーー」
なんだこの喋り方は体の成長についていけてないな。まあ生まれて一週間だしなあ。そのうちなんとかなるかな···はははは
「ナオトー疲れたーおんぶー」
「もうちょっとだから我慢我慢リリンはいい子ねー」
頭をなでてやる。こんなやり取りをしながら大型の魔物がいる山の麓へたどり着く。
転移で来れば簡単だがそれじゃあ全く体力がつかない。だからわざわざ歩いてきたんだ。
いるいる、でかいのがゴロゴロしている。まずあのビッグゴリラにしよう。
例によって電撃を食らわす。
「サンダーストーム!」
これでヘロヘロだ。
「いまだリリンとどめを刺せ」
「召喚」
リリンは召喚魔法を使った。本人が言うには召喚魔法が一番得意らしい。出てきたのは可愛い犬の魔物で炎を吐くが全然効かない。
「お前も雷魔法が使えるだろう」
「えー、サンダー」
「もう1回」
「サンダー」
「もう1回」
「サンダー」
なんとか倒したが、リリンは苦しみだした。急にレベルアップしたからだ。
俺にも覚えがある。10分くらい休むとリリンはすっと立ち上がった。
さすがだな···もっと回復に時間がかかると思った。すっ飛んで走って逃げていく。
「え?こらリリン待てー」
「いたいからいやー!」
なんとか捕まえてリリンをあやす。
「そうだリリン、今日1日頑張ったら何でも言うことを聞いてやるぞ」
「本当?」
「ああもちろんだ。美味しいものでも服でもなんでもだ」
「じゃあ頑張るー」
それでも半日と少しがやっとだった。あとは本人が飽きてしまってどうにもならなかったのだ。
仕方がないから転移で根拠地に帰ってきた。近くで果物を調達する。
「リリンおやつにしよう」
「わーい。これ甘いんだよね。リリン大好き」
青いがりんごに似た果物、赤いひょうたんのようなぶどう味の果物、白いみかんの味の果物、どれも熟したものを取ってきたのでとても良い香りがしてうまい。
さっきまで泣いたり騒いだりしていたリリンも幸せそうに食べていた。
ステータス
リリン レベル20
体力11000
魔力53000
力 12000
俊敏23000
耐久力22000
魔法
雷魔法レベル3 光魔法レベル3 召喚魔法レベル3 時空魔法レベル2
スキル
魅了レベル5 防壁レベル5
リリンの今のレベルはこんな感じか。 これならまあ大丈夫だろう。