第117話 捜索と戦後処理
俺とリリンは1階まで降りて周りを見まわす。さっきまで戦っていた魔人たちは倒された者もいるが姿が見えなかった。
撤退したのか?みんなに様子を聞くとネビロスもサルガタナスも見ていないとのことだ。
部下は何人かいたようだが主だった者はほとんど姿を見ていないとのことだ。
俺たちが倒したグラシャボラスが一番上位だと言える。
俺が勇者に勝った時点でもうここを捨てて逃げ出したということか。何とも 用意がいいことで。
しかしどこに行ったんだ?敵が見えないのでどうしようもない。一旦ナチュラルリッチタウンに戻る事にした。
全員を連れて首都まで戻ってきた。その後で俺はもう一度アスタロトの首都グレートアスタロトに飛ぶ。
何か情報が聞ければ奴らの居場所が分かるかもしれない。俺は透明化の魔法かけて姿を消す。気配を消して兵士たちに近づいた。
「いや、すげー戦いだったな。女ばかりだったが強えな、あいつら」
「俺達見捨てられたんだな」
「まあそういうことだな。下っ端はいつもこんなもんさ」
「みんな一体どこに行ったんだろう」
やっぱりこいつらはどこに行ったか分からないようだ。もう少し探ってみるか。
「嵐のような連中だったな。ただ一般市民は全く被害を受けていない。徹底してるな」
「アスタロト様達はどこへ行ったんだ」
やっぱり分からないようだ。これは困ったな。何か手がかりがつかめると思ったのだが···。仕方がない、一旦帰るか。
「ナオトおなかすいたのー。ごはんにしようよ」
「そうだな。みんなで一緒に食うか」
「今日のお肉は絶品すね」
「本当においしいですわ」
「はあん。みんなで食べるからですね〜」
「みんなで食べると楽しいですねー」
「いけるぜ。まだまだ食えるな」
「マスターどんどん焼いて行きますよ」
「ボスに食ったらまた戦いますよ」
「美味しいプミー」
「み、み、みなさん!とっても美味しいですね」
そうだな。みんなでやるか。ちょっとリーダーを意識しすぎてたようだ。
飯を食ってから4魔王とアンドロ·マリウス、アマイモンに声をかけに行った。あと、ムルムルとベリトにも声をかけておいた。
ナチュラルリッチタウンの会議室に集まってもらった。
ムルムルは手を貸してくれるということでここに来てくれた。ベリトはがらじゃないそうでだめだった。
「こちらは我が友のネクロマンサームルムルだ」
「ムルムルです。みなさん、どうぞよろしく」
「ああ大魔王が認めた者なら文句はねえよ。よろしくな」
信用があるな、俺。
「それにしても、自分から攻める事はしないんじゃなかったのか?」
「いや相手が勇者っていう召喚者を使って攻めてきたんで、すぐさま反撃に出ただけだ」
「ほう、勇者かえ」
「それは大変でしたわね。それでどうなりましたの」
「勇者は撃退した。あと主だったものは首都にはほとんど姿が見えなかった」
「勇者を殺さなかったのか?」
「何で?」
「それはちょっとな」
「女がらみか」
「···」
「それにしても逃げちゃったの?アスタロトともあろうものが」
「だからみんなに協力してほしい。町をしらみつぶしに探して奴らを倒すか捕えるかしたい」
「そうかわかったぜ。やってみよう」
「僕も了解したよ」
「シャー、分かったぜ。シャーシャー」
みんなの手を借りて町をしらみつぶしに探すことにした。
もちろん向かってくるようなが攻め滅ぼすが手向かいしないのならば手は出さないことにしてある。
ムルムルを加えた8つの軍団で各町を回った。
1週間程かかったが全部の町を回ってもアスタロトたちは発見できなかった。
いったいどこ行ったんだ。見落としがあったのか、それともどこが山の中にでも根拠地があるのか。
とりあえずこの土地をどうするか8人で話し合うことにした。
「どうするって俺達で治めるしかないだろう」
「しかし治めるといっても手が回らないだろう。自分の領地もあるし」
「それでは自分の部下の中から信用のおけるもの、使えるものを領主にしてはどうだ?」
「うう〜ん、それしかないわね〜」
「そうだの」
「領地は8つに分けるのでそれぞれ治める者、補助するものを選んでおいてくれ」
「「「わかった」」」
一応一段落はしたがまだアストロとたちの行方が分からない。突然攻めてこられてはたまったものではない。
急いで転移門を設置した。8つの領地とこの首都を結ぶ転移門だ。これでどこで何があってもすぐに駆けつけることができる。
ルシファーの国にプレッシャーをかけるの忘れてはいけない。南側の方にも戦力を配置しておく。これで一通り大丈夫なはずだ。