第113話 魔人の受け入れと魔法解析
助けた魔人15人をナチュラルリッチタウンに転移で運んだ。ここに住んでもらい、ここで働いてもらうつもりだ。
「すごく開けたところだな」
「これでも自分の国の首都だからな。それなりの建物はあるさ」
「うん。すごい」
「とりあえず親衛隊の連中と戦ってもらって、どこで働いてもらうか決めようと思う」
「ほうそれは面白そうだな」
闘技場では午前中、親衛隊の連中が毎日訓練をしている。先に召し抱えられた100名が後から召し抱えられた100名を指導している。
後から召し抱えられた者たちもだいぶ強くなったようだ。
俺の見たところ現在の彼女たちの強さは上位50名は並の魔人より強い。次の50名に関してはもう立派に魔人並みの強さがある。
残りの100名に関しては、まだ魔人までは至らない。だがかなりそれに近いものになっている。
「みんなよく聞け!今回この国に住むことになった15人の魔人だ。お前達と戦ってもらう。そして彼らの仕事を決めようと思う。各員頑張って相手をするように!」
「「「「「「おー!」」」」」」
「俺はパズズだ。よろしく頼む」
ライオン頭に、サソリの尻尾、羽が4枚の魔人だ。
「アジダハーカだ。グアー。グガー」
三つ首竜の人型の魔人だ。
「アカマナフだ」
赤い人型の竜の魔人だ。
「サルワだ。ウキィ」
猿の人型の魔人だ。
「クロマーティだ。ヤミヤミ」
影を操る黒い人型魔人だ。
「ザリチェだ。シュルシュル」
植物を操る人型の緑色の魔人だ。
「タルウィだ。シャシャシャ」
トカゲを操り炎をはく赤い魔人だ。
「ユフィールだ。コン」
キツネの魔人だ。
「ユッカールだ。ヒヒン」
馬頭の人型魔人だ。
「エウリノームだ。ギー」
子鬼の魔人だ。
「マルブランケだ。グギー」
大鬼の魔人だ。
「ヘカーテよん。よろしくね」
剣を操る竜人族の魔法使いだ。
「ツィツィミトルよ」
虎族の二刀流剣士だ。
「ワーリーよ。よろしくね」
牛人族の武道家で踊り子だ。
「エンプーサ、よろしく」
剣を使う吸血鬼だ。
まずは下位の100人の中から15人の相手をしてもらった。
結果は5分ほどでヴァルキリーの方が負けていた。やはり新人たちには荷が重いようだ。
次に魔人の力を持つ50番から100番のヴァルキリー達に当ててみた。
10分戦っても決着がつかない場合は引き分けとした。引き分けが多かったが勝った者が何人かいた。
女性魔人の4人とパズズ、アジダハーカ、アカマナフ、クロマーティ、タルウィは勝ちがあったので、上位の50人の中から相手をしてもらった。
ほとんどが引き分けだったがそれでもまだ勝ちがあったのは女性魔人の4人 とパズズとアジダハーカだった。
大体の実力は分かったので彼ら15人を特殊部隊として配置することにした。
普段は国境の見回りなどをやってもらおうと思う。
「すげーな!ここの親衛隊っていうのは。魔人が100人もいるって事か」
「大魔王ナオトよ。これ全部お前の女なのか?グアー」
「いやご褒美で手をつけたのもいるが ほとんどは手付かずだ」
「はあー、羨ましいご身分だね」
「まあ大魔王だからな。だが恋愛は自由だぞ。お互いが好き合ってるなら一緒になっても構わんぞ」
「「「「おおー!」」」」
「ねえねえ大魔王さま。私たちも親衛隊に入りたいんですが」
「まあ君たちほどの実力があるなら入っても構わないけど」
「「では、よろしくお願いします」」
とりあえず俺は15人全員にマジックバッグと金貨、金塊を与えた。まあ契約金みたいなもんだな。
「いいのか?こんなにたくさんもらって」
「だって一文無しじゃ飲みにも行けねーだろ」
「「「ありがとうございます」」」
一騎当千の強者が15人も補充できたなんて、こんな嬉しいことはない。ぜひ頑張って働いてほしいものだ。
「よし今日新しい仲間が15人も入ったことだし歓迎会にしよう」
「分かりました。大魔王様。すぐに準備いたします」
夕方から始まった宴会は夜中まで続いた。たまにはいいんじゃないかね。
「どうだい?パズズ、調子は」
「いやーこんな国は初めてだ。びっくりしたぜ。戦い以外にも力を入れてるのがよくわかった」
そういえば他の部署の女の子達もみんな呼んだからな。こちらも結果を出してる娘が何人かずつ出てきている。喜ばしいことだ。
「ここの娘たちは色々なことができるのねん。びっくりしたわん」
「なあこれだけ戦力があるんだからアスタロトなんてやっつけちまえばいいんじゃねえか?」
「そうだな。これなら簡単に勝てるだろう。グアー」
「そうかもしれんが侵略ってのはあんまり好きじゃないんでね」
「はー変わってるわねん」
「俺は平和にのほほんと生きてるほうが好きなんだよ」
宴会もお開きになって部屋に引き上げてきた。
「どうしたのナオトー何か気になるのー」
「うん。あのバアルって奴。小国家群の一番北のほうに逃げて行った」
「あの巨大化の魔法を使って攻めてこられたら、ちょっと手こずるな。対策を考えないといかん」
「ディセイブルマジックがあるなら大丈夫なのー」
「うんまあ1回で対策を立ててくるとは思えないが、それでも考えておいた方がいいかな。こちらも巨大化が使えたら便利だろう?」
「リリンも巨大化したらネフィみたいになるのかな」
「え?う~ん。いいかどうか分からないのー」
俺が奴にかけた魔法は2、3日は持つはずだ。その間にこちらは巨大化の魔法についてなんとか解析したいものだ。確かエクスベンドだったな。
一体どうやって巨大化なんてするんだ。巨大化?家にも巨大化する人がいたな。そうネフィが巨大化するじゃないか。自分で言っててわからなかった。
しかしあれは巨人族の血を引いてるからっていう話だったが。それにしてもサキュバスの彼女が大きくなるって言うのは事実だし···。
とにかく彼女に会って聞いてみよう。
「おーい。ネフィ。ちょっと俺の部屋まで来てくれるか」
「え?はあん。でも今日は私の番じゃないんですが〜」
「あー、そっちの順番の話じゃなくてちょっと聞きたい事があるだけだよ」
「はあん。なんでしょう?」
「ネフィが大きくなる時ってどんな風にやるんだ?」
「はん。そうですね〜。全身が伸びろっていう感じですけど〜」
「伸びろか!なるほど」
「ありがとう。ネフィ」
「はあ〜」
彼女の体のひとつひとつが大きくなるっていう感じだから、細胞が大きくなるっていう感じだな。
よし早速やってみよう。俺は闘技場まで歩いて移動した。左手を出して細胞が2倍に大きくなるように念じてみる。
ドン!
「おわっ!」
手が倍の大きさになった。なるほどこんな要領なのか。元に戻すにはどうすればいいんだろう?
伸びろだから反対は縮めか。手の大きさが半分になるように細胞よ縮め縮め!
ドン!
「おお、元に戻った」
よし今度は全身が大きくなるようにやってみよう。ちょっと待てよ。確かネフィは大きくなるたびに服が全部破けて困っていたな。よし裸になって実行してみよう。
「きゃー魔王様が私達の所に来てくれたわー」
あ、夜練習をしている娘たちに見つかってしまった。まあいいか。
「ようし。大きくなれ!エクスペンド!」
巨大化に成功した。俺は約17メートルの大きさになっている。
「アンエクスペンド!」
これでよし。なんとか取得できた。
「大魔王様!立派でしたわ」
「ああ、ありがとう。ふん!」
サービスしてこの子たちにはたくさん魔力をあげた。