1-9
痛い
なんだこれ
わかんないや
あれ動けない?どこだここ
よく分からない感覚が体を包む。それはとてもフワフワとしていて不思議な感じがするのだ
遠くの方に何かが光るのが見える
なんだろう?あれは
なぜだか分からないが行かないといけない気がした
その光は私が進んでいるのかどんどん近づいてくる
そして私は手を伸ばしその光を捕まえようとするが掴もうとした時にその光は弾け辺りが明るくなる。その明るさの中に現れた一人の少女にひどく見覚えがあるが誰だか分からない
その少女は私に振り向き笑顔で何かを話す
「・・・・よ。ミオ、だ・・・だから。また二人で・・・に・・・こうね。」
貴方は誰なの?!聞こえない!!聞きたいのに聞こえないよ!!
彼女はまた何かを話す
「どうして?・・し・の??・・・だったのに。ゆ・・ない、あなたを・・・」
何を?!何を言ってるの?どうして聞こえないの?私は!!
その彼女はとても悲しそうな顔をしてこう答える
「家族を・・・・をあ・たたちの・たことを
絶対に許さない!!!」
そう言って彼女は歩き始める
まって!何を許さないの?!教えて!!私は何を!!貴方は!!
「誰なの?!」
視界がはれて周りが見える
私はどうやらベットの上に居るようで
体の至る所に包帯が巻かれているのがわかる。すこし動きにくい
「ミオさん!!目を覚ましたのですね!!良かったです!!!急に叫ぶからビックリしたのです……」
「プル…メリアさん??私は……」
プルメリアさんが私に駆け寄ってくる
「ミオさん魔力切れ起こして倒れたのです。今ここはミオさんが泊まっていたところですよ」
慣れてきたのか体の痛みが薄くなってくる
そして周囲を見渡すとレハナルの中だと言うことが分かる
"ミオ・イレイス。貴方は何故か覚えてないみたいだけど一つだけヒントをあげる"
「………プルメリアさん。あの子は……」
"私の名前はモプ。モプ・アーレス。次に会うまでには思い出しといてね?"
「モプ・アーレス……どうして私のことを…私の本名を知っていたんだろ…」
わたしがそう言って顔をあげるとすこし辛そうな顔をしたプルメリアさんが
「わかりません……ただ……あの女性がみおさんに関わりがあるのは確かです。
私達しか知らないことを知っていましたから…」
そう言い切った後、プルメリアさんはミナさんやコウトさんを呼んできますね。といい部屋を出ていく
ベットの端にある淵にもたれかかり窓を見る
わたしは少し上にある窓から見える景色をみて見たことがあると思った
思い出したくないよ。
そんな言葉が頭に響き渡る
*
「ミオ、体は大丈夫?かなり強めの回復魔法かけておいたのだけど……」
ミオはベットの上で座っている
「うん。大丈夫!ありがとうね。ミナちゃん」
ぼーっとした顔でそんなことをいうミオ。
「ミオ。あなたが戦っていた女性の言っていた名前のことについてね少し調べたわ。」
私がそう言うとミオは目を見開く
「えっ?!」
「モプ・アーレスは分からなかったけど…アーレスについては分かったわ。アーレスは数年ほど前まで残っていた、十家のうちの一つよ」
「……十家?!!」
「ええ。十家の一つよ。
アーレス家は滅んだとされる家系」
「どうして十家なのに私の覚えてないんだろう…」
"それは"と言いかけて私は言えなかった
"アーレス家"は昔滅ぶまで"イレイス家"ととても友好的だったという
そしてその彼女が名もなき組織だった事
イレイス家は名もなき組織に殺された……とされているならモプ・アーレスという子も確実にそれ(殺したの)だろう
そしてそれを目論んだのは彼女だろう
名もなき組織は十家には確実に関わることは今まで無かったのだ
なのに関わった。それ(滅ぼし)は彼女の敵討ち(復讐)だった
「ミオ、あなたは幼少期の事を覚えていないのでしょう?だったら分からなくても当然だわ」
「そうだけど……」
ミオは下を向き何かをゆっくり上を向くと誤魔化すかのようにヘラりと笑い
「……彼女たちと戦った時に見たことあるような感じがしたの。
景色がすごく…懐かしくて……
どうしてなんだろうね…」
ミオはまた下を向く
「ミオ……」
「大丈夫だよ!ミナちゃん!それに私は探し物(記憶)のために旅に出てるんだもん!仕事もついでにしながらね」
ミオがまた無邪気に笑う
「そうね……。早く見つかるといいわね」