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~青き空の中の紅き炎~  作者: 鈴原ミオ
第1章・セイウの街
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1-7


鼻歌が聞こえてくる。透き通るようなソプラノの歌声。ずっと聞いていたくなるような聴き心地偉く心地よい

「ミミ」

モプがそう呼ぶとミミと呼ばれたピンク髪の子は満面の笑みで振り向きながら走ってくる

「モプ!!」

ミミと呼ばれたその子はとてとてと走っていきモプに飛びつく

「わー!モプだー!」

「はいはい。モプだよ……ミミ、お前どこに行ってたんだ……」

モプがミミにそう言ったらミミはニコッとして

「うーん。計画を実行しに行ってたんだ!ブラックくんに頼まれたの!」

ああ…そうか今回はこいつも入るのか

あまり関わらせたくないのだけど。いつまでも守れないか。

「そうか。ありがとう。無茶していないか?」

「うん!してないよー!大丈夫!」

ミミはキラキラとした瞳でモプをみてまた笑う

「そうか…。また頼むな」

「うん!任せて!」

私はミミの手を持ち

「行くか」

そして2人で歩き出す


「そろそろ時間です」

そう呟いた屋根の上にいるメガネの男いやブラック。

モプとミミはブラックの持っているものを後から見る

ブラックが怪しげなスイッチを取り出す

「さあ。始まりです」

その男ブラックがボタンを押すと一斉に街にブザーが鳴り響く

「これからのショーをお楽しみ下さい。

"正義の味方.紅のミオ・イレイスさん"」

そう言って彼らは街を眺めた





ブーっと辺りに鳴り響くブザー。

どこからなっているのかも分からない。

ただ音が鳴り響いただけだった。

「えっ?ブザー……?」

ミオが放った言葉が反響して聞こえるほど辺りは音が無くなっていく

そして静かになっていた時間が止まりまた話し声が聞こえ始める

今のは何だったのだろうか

どうせ誰かが間違えて鳴らしたものだろうそんな声が聞こえるのだ

間違えにしては大規模すぎる、そう思った

ただのブザーのはずだが何故かどことなく嫌な予感がした




そしてその予感は外れなかった





私はレハナルで後から来る3人の分の部屋を追加で2つ借りようと思い

カウンターに居るレナのところに向かう

さすがにコウト君が来るのに女3人と一緒には出来ないしビビット怖いし

「レナ、部屋ってまだある?もしあるなら後二部屋ほど借りたいんだけど」

私がそういうとレナは意味が分からないという表情を浮かべたがすぐに元に戻り、二部屋で大丈夫ですか?と聞いてくれた

「うん、二部屋。友達がこっちに来るんだって、それで部屋とっといてーって」

あーなるほどっと言ってレナは宿泊の紙を見てこことここなら空いてますよと言う

じゃあそうしようかなと言ったらミオさんもお部屋一緒にしますか?友達なら同じ方がいいですよね。と聞いてくれた

せっかく勧めてくれたのでお言葉に甘えようと思いじゃあ私も移動していいかなと聞いた。

「はい、じゃあまた1度荷物をまとめてここに来て下さい。案内します!」

レナにそう言われ私はうんっと答える


荷物をまとめまたカウンターに向かうと私は自分の使っていた部屋の鍵レナに返す

「ミオさん!案内しますね!」

レナはニコッと笑い荷物を持とうとしてくれるが自分で持つよと言ったら分かりましたではこちらにと言われレナの後ろを着いていく

案内された部屋は一人部屋にしては大きく二三人で泊まれるような所だった

「あれ?言ってた部屋より大きい気がする…」

私がそう言ったら3人泊まれるような部屋は今はここしか無くてと言われ納得

「無理言ってごめんね!ほんと!」

「いえいえ!!あっ!これがこの部屋の鍵です、後隣の部屋の。隣の部屋は一人部屋なのですが大丈夫でしょうか?」

そう言われながら二つの部屋の鍵を渡される

「うん。むしろその方がいいや!ひとり男の子だから!流石に相部屋はね」

そういいにこっと笑う

それは確かに一人部屋の方が良いですねとレナは話し

じゃあ失礼しますそんな挨拶を込めてレナは出ていく


今日中には着くはずなんだけどなぁそんなことを思う。

新たに移動した部屋からみる外は夕焼けで

綺麗な色をしている

最初いた部屋より眺めがいい。ほんとこんな部屋借りてよかったのか…

私がぼーっと空を見上げていた時だった




空を割くような大きい音が聞こえてきた



破裂音が聞こえた後も色々な所で爆発が起きているようで花火が上がるかのように次々と音が聞こえる

私は自分のポケットに武器が入っていることを確かめた後連絡機器を持ち部屋から急いででる

レハナルは町外れの方にあり人通りの少ない

だけど今は逃げ惑う人々がレハナルの前を通る通る通る

「ちょっとこれほんとどうなってるんだろ」

そんな言葉がポロッと出る


さあてどうしたものか

とりあえず私は街で初めに爆発が起こったと思われる場所に向かう

向かっている間も人は私とは逆方向に逃げる

どうやら本当にめんどくさいことになってきたかもしれない

そんなことを思いながら走る

逃げてくる人達を避けながらその中心らしき所につく


「なに……これ……」

どうやら爆発したのは飲食店のようで瓦礫が沢山ある

その瓦礫の下に挟まる人や物があり助けようとする人、痛い!助けて!と叫ぶ人そんな人を捨て逃げる人


どんな状況よこれ!!

大鎌(サイザ)……」


無意識に武器名を呼び、巨大化させる

「皆さん!!私は紅の魔法使いです。すこしどいて下さい!瓦礫をどけます」

私がそう言うと助けようとしてた人達は退く

「瓦礫の下にいる人達!少し辛いと思いますが頭を出来るだけ守って体を地面に付けてください!」

私は武器を横に向け前に回しながら手に魔力を込める


吐息(ウィンド)(・ブレス)


そう叫びながら大鎌を前に回す

大鎌から放たれた吐息(ウィンド)(・ブレス)は上に乗っていた瓦礫だけをはねのけ飛ばす

技が終わった後、救助が始まる

次々と人々が助けられていく


他にもなっているはずだ、私が見た限り何10箇所も…

これ昨日の黒髪の女の仕業なのかな…一体何のために


ふっと空を見ると本来赤いはずの夕暮れではなく別の赤が空を染める、炎の赤が。

この風景見たことがある……確かあれは……

ズキっと頭が痛む

なんなのこれ…どうしてこんなに懐かしいんだろ…

思い出すことの出来ない思い出

なにかもわからないただ黒くもやもやしたものが浮かぶ

違う!と言うかのように頭を振り

「今はこんなこと考えてる場合じゃない……助けに行かないと……」



私は武器を握りしめてまた走り出す

自分自身に思い出しては行けないと話しかけるように忘れるかのように走る

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