天使は天使でも堕天使
そうと決まればすぐに部屋を出た。
階段を降り。ドアを開けると砂嵐のテレビの前に固定された女が1人座っていた。
いや。座らせたではなく固定されたが正しい表現だ。
目を閉じられるように器具を外し頭を撫で「よく頑張ったね。」と声を掛けて、芝居をする事にした。
「ツライね。ツライだろうね。」と涙を流しながら囁いてみた。「ここから出たいかい?」ん?とびくんと反応した。
「それには条件がある。君は天使だ。だが天使は天使でも堕天使になれれば君を解放しよう。」
「な、にぃぃうぉひぃたぁひひぉ?」舌がないから何を言っているか分かりにくいですね♪
「ビデオの男は知っているだろ?君が紹介した君の父親だから、よく知っていると思うがビデオ以上の作品を作れたら君を解放してあげよう。」
顔の色が変わってきたのがよくわかった。
「正直話そう。君の父が神に祈らなければ、計算では君は4日後に同じ目にあっていたんだよ?」
ブルブルと震えていた。
「しかし、君さえ良ければ私の代わりに、私自身を満足させることができれば、君は解放される。」
「ほぉんぅにぃ?」
「あー本当だよ。しかし、君には代償と覚悟を払ってもらわなければいけない。いう意味はわかるだろう?さー立ち上がり生きる道を模索しなさい。」我ながら弱った心に漬け込むのはチョロいですね。
部屋を出て簡単な食事を与えて落ち着く前に木偶の部屋に2人で入った。
「神に祈るのは結構だが神がいるなら悪魔もいるのは考えなかったのか?」
震えていますね。
「これからは貴方の天使の娘が、いや。この場合は堕天使かな!はっはっは。私の代わりに作業を続けてくれます。」
2人を顔合わせさせるが言葉を交わさない。
木偶がかなり険しい顔をしていますね。
娘の方は気まずそうだ。少し様子をみましょう。
時計を眺め5分が経過した時点で手助けをすることにしました。
娘にむかってペンチを渡してあげて「彼の爪を剥いで上げなさい。」ここまでお膳立てしてあげるなんてなんて優しいんだ私わ♪
ペンチの持つ手が震えている。「君がやらないなら君が罰を受けるけれどいいかな?私は必ず実行するよ。ビデオの内容を自分に置き直してみたわかるだろう?」
木偶が「やれ!!やるんだ!!」
あーこれが愛か!?美しい。それが染まっていくのがたまらなくいい。
震える手でペンチに爪を引っ掛け。泣きながら爪を剥ごう力を入れるがなかなか剥げない。
逆にそれがいい。私は知っている。手際が悪いほど痛みは激しい。さーここからどうなるか?神に祈る?悪魔に魂を売る?堕天使はどちらに転ぶのか。