12歳 誕生、カシー城
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では60話目お楽しみください。
翌日、イツキは一晩考え抜いた結論に達した。
(標高が足りないなら盛ればいいじゃない)
朝、築城に定評のあるハルファス将軍がやってくるものの、1週間待ってとお願いするイツキ。
その間にハルファス将軍にはダッカの築城をやってもらうことにした。
人員は連れてきた陸軍の兵士と第1戦闘攻撃団の集めた奴隷だ。
当然ながら獣人の捕虜がいたのでそれは開放するが、助けられた恩から農作業の方法を教えてもらうことになった。
酷使されていた獣人に方法を教えてもらいながら、奴隷たちに冬蒔きの米を植えさせていく。
ガンジス川の流域はそれでよさそうだが、イツキはとりあえずロングディ・アディンググルを拠点とし、西側や南側の標高の低い山から土を集めてくることにする。
山を切って土を魔法の袋に入れてそれを山頂でひっくり返すという文字にすると簡単だがめんどくさいことをイツキはやっていた。
そんな苦労をしていると、完璧なものに仕上げたいという欲が出てくる。
ロングディ・アディンググルとマーシロングの間には標高が低いところがあった。
そこも断崖絶壁にしたいとイツキは思い始めていた。
作業を開始して2日、西側の整地が完了した。
山頂からの眺めはちょっとは遠くが見えるくらいだ。
(もっと頑張って、ダッカの市街地くらいまでは見えるようにしないと)
翌日、今度は南側の整地を完了させる。
山頂の高度も上がり、ダッカの城がかろうじて見えるようになった。
次はロングディ・アディンググル~マーシロング~チェラプンジに標高1,000メートル越えの崖を用意することを目標に作業する。
翌日、西側の川と崖の間の平地が気に入らなかったので、平地を削って川底にする。
その際入手した土はロングディ・アディンググルとマーシロングの間には標高が低いところに盛っていった。
川と崖の間が無くなりイツキはすっきりした。
そのために川幅がとんでもないことになったが、イツキは気にしなかった。
(これで西側の防御は完璧だ)
翌日、今度は北のちょっとなだらかなところが気に障ったので、容赦なく削っていく
そうして土を手に入れてロングディ・アディンググルとマーシロングの間には標高が低いところに盛っていった。
翌日、今度は北側の川と崖の間の平地が気になったので、土を削っていく。
これまた川幅がとんでもないことになったがイツキは気にしないことにする。
そうして手に入れた土はロングディ・アディンググルとマーシロングの間には標高が低いところに盛っていった。
そしてついに要塞線が完成した。
北の山をかなり削ってはいるが、2,000メートルを超える標高の要塞線は突破できないだろうとイツキは考えていた。
東は険しい谷が、北と西は川が、南は断崖絶壁がこの基地を守ってくれる。
自分ので成果に満足して、イツキはハルファスを待っていた。
翌朝、ハルファスがやってきた。
自分の盛り土の成果を見せるとハルファスは難色を示した。
「この土は圧縮しなければいけませんな」
ハルファスはそういうと重力魔法で土地を固めていく。
盛った土の厚さは半分ほどになっていた。
これへはダッカの町は見えなかった。
「ダッカが見たいからこんな高さにしたのにどうしてくれるんですか?」
「ダッカが見たいのですか?ではこれでどうでしょう?」
そうしてハルファスの魔法が発動すると、山の上全体を使った大きな西洋風のお城ができた。
「塔の高さは500メートルほどです。これなら天気が良ければダッカが見えるでしょう」
「はい。ありがとうございます」
そうしてお礼を言うと、ハルファスは帰っていってしまった。
とりあえず作られた城を見ていこう。
ます、ブラマプトラ川を曲げてゴヤン川とつなげた水濠がある。
せっかく盛り土をしたロングディ・アディンググルとマーシロングの間の標高が低いところに入口はある。
鉄製の大きな扉でいつもは閉っている。
そこから山を登って、北側に着くとやっと山の上に出る。
それまでは細い山道で責めてきたら両側から打ち放題になっている。
山は周囲をぐるっと城壁に囲われており、上を歩いて警備できるようになっている。
ところどころに塔があり、見張りも万全だ。
坂を上って西側がお城だ。
某夢の国のお城をイメージさせるような外観になっている。
坂を上って東側には兵舎や練兵場、収容所や食料庫等各種城の機能がそろっていた。
東西の行き来は山道の上に橋があるので問題はない。
お城に入ってみると赤絨毯がいたるところに敷かれている。
明かりはろうそくではなく魔法の明かりになっているようだ。
まっすぐ進むと玉座の間、豪華な椅子が置いてある。
中を見学したいが迷っても嫌なので、外に出て外から塔に入る。
目の前には緑豊かな草原が広がっていた。
僅かにダッカに作ってもらった城も見える。
ここを開拓していくのかと思うと胸がドキドキする。
しかし、農業の専門家ではないイツキが手を出しても痛い目を見そうだ。
(自分にできることをやろう)
ひとまずは城の地図作りだ。
第1戦闘攻撃団員全員で城の中をマッピングしていく。
部屋数が無駄に多く、団人1人1人が部屋を持ってもまだ余るくらいだ。
各部屋には絨毯が敷かれており、その上にテーブルと椅子が複数。
それからクローゼットとベッドがあった。
応接室の様な部屋もあった。
赤い絨毯の上に長いテーブルやソファがたくさん置いてあった。
壁にはタペストリーや絵が飾られている。
食堂の様な部屋もあった。
こちらも赤い絨毯、食欲をそそる果物の静物画が飾られていた。
テーブルに背もたれの長い椅子が20ほどだろうか、用意されていた。
城主用の寝室は玉座の間の裏から上がるようになっていた。
広い部屋の中には、天蓋付きのベッドやウォークインできるようなクローゼット。
執務用のテーブルと椅子。
赤い絨毯が敷かれ、壁には紫色の魔王国の国旗がタペストリー代わりに飾られていた。
そんな城主用の部屋が伴侶や子供用なのか10部屋もあった。
そのエリアを抜けると中央の塔への階段がある。
上るのは嫌なので飛んでいくと、木製のドアがある。
開けて入れば眺めのいいところだ。
(攻められた時はここから逃げられるね)
そんなことを思った。
塔から下に下りていくと、途中に城主用の部屋エリアの入口があり、更に下に下りることもできた。
下りてみると、冷えた空間に水がたまっていた。
籠城戦の時に水に困らない工夫だった。
そんな感じで探検を終えると、フロアごとの地図を持ってきてもらう。
1階には食堂、厨房、応接室、その他客室があった。
2階より上は客室ばかりで、真中には城主のプライベート空間が広がっている。
一方で地下には牢屋があった。
牢屋はかなり広く作られており、1つの牢屋に4人ぐらい入れても快適に過ごせそうだ。
また、地下にはさっき行った水場もある。
そんな感じだった。
とりあえず迷わない様にアモルに記憶をしてもらう。
今度は東側だ。
まず兵舎は5階建て、6人部屋で1階は5部屋と食堂、2階から上は7部屋で約200人収容可能だ。
これが100棟ほど建てられている。
練兵場はいわゆるグラウンドだ。
ランニングしたり、木人を相手に槍の訓練をしたりと色々できる広さがある。
次に収容所。
こちらは城の牢屋よりせまく1人用。
ベッド以外にフリースペースがほとんどなく、入れられれば寝るかベッドに座る他ない。
その部屋が1階で100ほどあった。
5階建て+地下1階なので600人ほど入れられることになる。
(こんなに用意するほど兵のモラルが低いのか?いや、政治犯でも入れるつもりか?)
次に食料庫。
今は空だが、いっぱいになれば兵を養うこともできるのだろう。
(そのためには農業を何としても成功させなければ……)
飢えて死ぬのはごめんだったし、兵士を飢えさせるのもごめんだった。
ということで、第1戦闘攻撃団全員で労働力(奴隷)を確保しに行った。