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10歳 レーダー発明!?

評価とブックマークありがとうございます。

これを励みに頑張っていきたいと思います。

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では22話目お楽しみください。

 アモルの講義が始まった。


「人は誰でも生命エネルギーを持っている。それを捉えることが生命探知の肝だ」


 そう言われるが、生命エネルギーについてはイツキには知見がなかった。


「どうすれば生命エネルギーを捉える事が出来ますか?」

「生命エネルギーの肝は心臓だ。心臓の鼓動を意識すれば捉えられる筈だ」


 そう言われたので自分の胸に手を当てる。

 心臓の鼓動が血流を全身に行き渡らせているんだろうが生命エネルギーについては感じ取れなかった。

 イツキは試しに他人でやってみることにした。


「おかあさん、ちょっと手伝って」

「はいはい、何をすればいいの?」


 イツキは恥ずかしげに言う。


「……おっぱい触らせて」

「こんな年で赤ちゃんになるの?」

「違いますよ!魔法の研究のためです」

「はいはい。どうぞ」


 そう言って浴衣の胸をはだける母ウルラ。

 イツキはウルラの左の乳房を手のひらで、覆うと眼を閉じ精神を集中した。

 すると、鼓動は聞こえないはずなのに、ドクンドクンという鼓動が感じられた。

 イツキは手を離す。

 それでもまだ鼓動が感じられた。


「捉えたか!?」

「はい。おかあさんから鼓動を感じます」

「それは重畳だな。次は範囲で探知することだ。まずはウルラを中心に90度くらい探知しよう」


 イツキは5メートルほど離れると生命エネルギーを探知した。

 すると、ウルラのものとは別の反応が壁の向こうから感じ取れた。


「アモルさん、おかあさんの後ろに誰かいます?」

「隣の部屋の宿泊者だろう。何人いる?」

「2人ですかね?」

「正解だ」


 それから探知範囲を広げていく。

 最終的には後ろを向いた状態でウルラ他数名を探知することに成功していた。


「こんな短時間に覚えるなんて、イツキは天才だな」

「子供のころからよく言われてます」

「ほう?それはいいな。」


 イツキなりの冗談を真顔で受け止めるアモル。


「ところで、今は人がいることはわかってもどれくらいの距離にいるのかっていうのがわかりませんが、そこはどうやって探知すればいいんですか?」

「うむ。生命エネルギーの鼓動にはその者からエネルギーが放出されてどれくらい経ったかわかる要素が含まれている。それを調べればどれくらいの位置にいるのかがわかるぞ」


 ということなので、一番隅にウルラに座ってもらい、イツキは部屋の中を歩き回りながら鼓動を探知する。

 幸い部屋はスイートルーム、位置口から隅までは20メートルほどあった。

 歩きまわっていたイツキは、鼓動の中に距離とともに大きさが増減する部分を見つけた。


「アモルさん、何かつかんだ気がします」

「ほう、ではこの下の部屋の人について調べてみろ」

「はい。下のフロアは2人部屋ですが、贅沢をしたのか一人で座っている人物がいます。場所は窓際です」

「上出来だ!」


 アモルはそう叫ぶとイツキに抱きついた。

 胸に押しつぶされ、窒息しそうになる。

 イツキはそれを押し返すと、提案する。


「この感覚って可視化できないんでしょうか?」

「可視化か、どのように表示するんだ?」

「自分を中心に置いて相手の居る場所を表示するんです」


 そういうと、部屋にあるメモ帳を引っ張ってきてイメージ図を書く。

 自分を中心に円をいくつか描き、そこにウルラやアモル、アウィスやウェス、他周りの宿泊者を点でで表現していく。

 某エースなコンバットで使われるようなレーダーマップだ。

 向いている方向がわからないため、三角ではなく丸で各自の位置を示している。


「ほう、これは面白いな」

「とりあえず平面の案です。例えばこれに高低を加えるとなると、点を小さくしたり大きくしたりして対応します」

「やっぱりイツキは天才だな」

「それで、これって使えます?」

「使えるも何も、画期的な発明だ!ちょっと待っていろ」


 そういうと少し瞑想状態に入るアモル。

 しばらくすると、嬉しそうに抱きついてくる。


「できたぞイツキ。お前は天才だ」


 またもや胸に押しつぶされ、窒息しそうになる。

 イツキはそれをまた押し返すと今度はお願いする」


「この魔法は戦いの鍵になるでしょう。他の人に教える方法を考えてください」

「わかった。ひとまずはウルラさんとアウィス、ウェスの3人に教える方法を考えよう」

「ということなので、勉強してくださいね。お母さん」

「他種族の魔法を学ばせられるなんて、思ってもみなかったわ」


 ウルラは困ったような表情をした。


「あと、1人が探知できたら他の人もそれがわかるようにできませんか?」


 いわゆるデータリンクという奴だ。


「同じ魔法を使っていればできるだろう。探知した時だけ情報を流すというようにすれば連携も可能だろう」

「その開発もお願いしてもいいですか?」

「わかった。考えておこう。丁度闇魔法に使い魔との視覚共有魔法がある。あれを応用しよう」


 それで話はひと段落だ。


「そろそろ子供は寝る時間よ」


 ウルラにそう言われベットに寝かされる。

 すでにアウィスとウィスは眠っていた。

 イツキは横になるものの、なかなか寝付けないでいた。

 生命探知ができるようになったのでその応用が頭から離れなかった。


(探知した者を四角や丸で囲むようにすれば見やすいんじゃないか?また、距離も見えるようになれば何か活かせるんじゃないか?)


 そんなことを考えている横で、アモルはウルラに魔法を教えていた。

 ウルラはなかなかできないようだが、何とか習得して欲しい。

 そんなことを思っていたら睡魔に襲われ、そのまま寝てしまった。


 翌朝、目を覚ますとまだアモルの講義は続いていた。

 ウルラは徹夜したためかテンションが上がっていた。


「イツキちゃん起きたの?じゃあ、着替えて朝ごはんね」


 ウルラの目は据わっていた。

 アウィスとウェスを起こすと着替えて朝食だ。

 そのままチェックアウトして船に戻るので何も残していかないようにした。

 レストランへの道すがら、ツインテールの位置をウルラに調節してもらいながら進む。

 朝食は純和風で、ご飯に焼き魚、みそ汁にお漬物、葉物のお浸しと味付けのりが出てきた。


「アモルさん、お母さんはどうでしょう?」

「なかなか苦労しているが、極近距離の生命探知までは何とかなった。ただ、胸を揉んでないとわからないみたいでな」

「胸に手を当てているでしょ。変な誤解を生むようなことを言わないの」


 イツキがアモルと話しているとウルラからチェックが入った。


「2人が寝ている間に魔法を開発したから、覚えてもらいます」


 そうアウィスとウェスに伝える。


「ウェスの魔法だって覚えられたんだから、頑張るわ」

「でも、どんな魔法なんでしょう。楽しみやら怖いやら」


 アウィスは自信満々、ウェスは不安そうだ。


「まずは生命探知ですね。サキュバスの魔法ですから難しいかもしれません」

「今度はアモルさんの魔法かぁ。使えるかな?」

「大丈夫ですよ。魔法はイメージです。イメージさえできれば使えない魔法はありません」


 ちょっと不安になったアウィスをイツキはフォローする。

 そこで忘れていたことを思い出した。


「そうです。ウェスさんの魔法をおかあさんとアモルさんにも覚えておいてもらわないといけないんでした」

「なに、シルフの魔法か。どんなものなんだ?」


 アモルさんが食いつく。


「遠くの人と話す魔法ですよ。」

「そんな魔法があるのか。世界は広いな」

「飛行魔法が使えれば使えるだろうってウェスは言ってましたので、船に戻ってからでもウェスを先生に習得してください」

「わかった」

「娘の頼みじゃ仕方ないわね」


 そう言って二人とも了承してくれた。


「では、ささっと食べて船に戻りますか」

「イツキ、食事はよく噛んで食べないとだめよ」


 そんな注意も受けたりしながらイツキ達は朝食を済ませ、船に向かって飛んでいった。


お読みいただきありがとうございます。

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