※登場人物
●カル・ナイトウォーダー
主人公。王都の下町生まれ。
剣の腕前は抜群だが、剣の方が耐えきれないため実力を発揮できない。
攻撃魔法をもたず、使えるのは魔法を消滅させる光の壁・白銀《アージェント》のみ。
怪物にはむやみやたらと強いが、人と争うことは苦手。
将来の夢は年金暮らし。
魔法学園の生徒だが、家族との約束で実力を隠している。
●メッサリナ・ユリウス・ダマ
武勇のほまれ高きダマ大公の孫娘。
眉とまなざしが凛々しい紅毛の少女。愛称はリナ。
焦熱をあやつり、魔法学園においてもトップクラスの攻撃力を誇る。
正義と情熱の人だが、たまにやりすぎて落ち込むことも。
カルの実力を見抜き、のちに背中をあずけあう相棒となる。
炎を操ることに長けたダマ家の血筋は、砂漠の血《デューン・カーマイン》と呼ばれ、王家からも畏敬される。
●クレメンティア・アエミリウス・カッシーナ
女性が爵位をつぐカッシーナ公爵家の長女。
青みをおびた銀髪のクールビューティー。愛称はティア。
極冷の魔法を得意とし、王都消失までおこなわれていた模擬戦ではリナと首位争いを演じていた。
公爵家の次期当主ということもあり、立ち居ふるまいは気品に満ちている。
カルには友人のような姉のような態度で接し、つかずはなれず、時にちょっかいを出してくる。
冷気を自在に操るカッシーナ家の血筋は、限りなく続く氷河《ホライゾン・グレイス》と呼ばれる。
●マルチナ・マリウス・マルケルス
かつて王族から臣下にくだったマルケルス公爵家の三女。
くるくると巻いた亜麻色の髪をもち、心も体も健康的な少女。
しかし、父親とは確執があり、勝手にシュガーという姓を名乗っている。
大地と衝撃の力を操る。
いつも上機嫌で人なつっこい性格。食べることが大好き。
カルのことをごはんの守り神と呼び、おいしいものが手に入るたびお裾分けにやって来る。
大地に根ざしたマルケルス家の力は、夜明けの黄土《ドーン・オーカー》と呼ばれる。
●ビオラ・アエミリウス・シラ
元は宮廷官僚の家系であったシラ侯爵家の一人娘。ティアとは親戚で二つ下。
青い髪を目にかかるほど垂らした小柄な少女。
絵本に出てくるような魔法つかいの出で立ちをしているのは、人を寄せつけないため。
研究者肌で無愛想。気に入らない相手には口をきこうともしない。
なぜかカルには関心を示す。
シラ家は水を精密に操ることで知られ、その血筋は洞窟の清水《ケイヴァーン・クリア》と呼ばれる。
●ナタリア・ファブリティウス・ルシウス
クィントゥス王の十一番目の子。第六王女。10歳。
母親譲りの金髪。
後ろ盾もなく、母方の実家に返されていたことから王都消失の難を逃れた。
恐がりだが、周りを安心させようと気丈にふるまう。
侍女のクロエ・ハリスのことを姉のように慕っている。
王家の血は王家の輝き《ロワ・オール》と呼ばれ、生命にまつわる奇跡を起こす。
だが、ナタリアの力はまだ悲しいほどに微弱。
●アイリス・ナイトウォーダー
カルの妹。カルの四つ下。
しっかり者だがドジ&ドジ。兄であるカルには口やかましい。
カルの力が世に知られることを嫌い、怖れてもいた。
王都消失により死亡。